好きって言ってみなよ？

悠姫の帰国

17

そして。
もうすぐ入学式というある日。




お兄ちゃんと沙希ちゃんのお兄さんと買い物に来た。






「姫ーいるのカゴに入れとけよ」
「お菓子は？」
「隣のドラッグストアで買う」
「今日は何を買うの？」
「とりあえず牛肉二キロ」
「え？二キロ？」
「姫の奴、結構食うんだよ」




何よ！
大食いで悪かったわね！




「晶くんはもう少し食べた方がいいと思うよ」
「余計なお世話」




お肉と野菜を一週間分まとめて買うから大量になっちゃうんだよね。
だから沙希ちゃんのお兄さんに車出してもらうんだ。




お兄ちゃんと暮らしてるマンションの冷蔵庫かなり大きいから。





そして。
隣のドラッグストアへ。




生理用ナプキンに化粧水、乳液。
薬用リップ。




洗濯用洗剤、食器洗い洗剤。
ラップ、トイレットペーパー。
シャンプーとリンスにボディーソープ。 



「晶くん、買うならこっちがいいよ」 
「これでいいって！」 
「何言ってるの？この間皮膚科行ってこれがいいって言われたでしょ？」




そう。
お兄ちゃんはアトピー性皮膚炎なの。
主治医の先生がシャンプーの相談にも乗ってくれる人みたいで。
しかも薬用だから高いみたいで。
たまにお兄ちゃんため息吐いてる。




「そろそろ帰ろうか？」
「うん。お腹空いた」
「悠姫ちゃん、はい」
「あ。さっきの」



さっきお菓子売り場で探せなかったワッフル。



「食べたそうだったからね」
「それ食べて我慢してね」
「うん！」




いちごクリームのワッフル。
美味しそう。



「待て。姫、言うことないのか？」
「え？」
「瑠衣さんからもらったんだぞ？」
「あ、ありがとう」
「どういたしまして。厳しいお兄ちゃんだね」
「ママよりは優しいよ」
「そうなの？」
「ママ。礼儀とかにうるさかったの」
「そうなんだ。大変だね」




瑠衣さんは話してみるとすごく優しい人だった。
そういえばお兄ちゃんが話あるって言ってたっけ。




土日は私はおばちゃんの家でお世話になることなっているんだけど。
今日はおばちゃん用事あるからお兄ちゃんたちとお昼ご飯食べてからおばちゃんの家に行くの。





「お兄ちゃん話って？」
「姫、あのな、俺さ実はΩなんだよ」
「え？」




お兄ちゃんがΩ？
あんなに優秀なのに？ 




「Ω？てことは私がαだったらお兄ちゃん私との子作れるのよね？お兄ちゃん！私との子ども産んでー」
「あほか！姫が本当に好きな奴と結婚してそれで子ども産めよ」



 むぅー。
お兄ちゃんのケチ。




「でも最近燐くん連絡くれないのよね」
「姫？」
「なぁに？」
「燐て誰だ？」
「え？話してなかった？猪熊燐くん」
「知ってる！由貴の弟だろう？」
「実は半年前から付き合ってるの！」




あれ？
お兄ちゃん？
どうしたんだろう？




「認めない！俺は絶対に認めないから」




えぇー？
お兄ちゃん面倒くさいな。