好きって言ってみなよ?

葉月カイト

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悠姫の帰国

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「如月先輩!わかりました俺なるべく仕事します」




違うでしょ?
なるべくじゃなくてきちんとでしょ?




「そうしてくれ。今は家で仕事できねぇから」



晶くんは甘いんだから……。



「如月先輩、これは?」
「それは……なぁ、ぽち?お前んちパソコンはあるか?」
「ありますけど……」
「これとこれ、俺がバックアップしてた奴」
「これにデータあるんですか?」
「そ。わからないところがあるなら連絡して来い!お前んちに行くから」
「如月先輩。あの……」
「なんだ?」
「姫ちゃんから逃げたい口実か?」
「んなわけねぇだろう!」



これは図星だね。
でも、ムキになって否定しなくても。


そして会議が終わったあと。



「あー兄さんに連絡しなきゃな……連絡しなかったら兄さん怒るかな」
「んーどうだろう?」
「誰かさんと違って兄さんってあまり怒らないし」
「晶くん?その言い方だと、俺が短気みたいじゃない?」



気が長くないのは、認めるけどね。
だからって短気みたいに言わないで欲しいな。



そんな話しをしていると、とおるがやってきた。



「お兄ちゃん!早く帰ろう!」
「兄さん。大丈夫か?」
「あぁ……」



とおるてば、かなり疲れてる。


「はぁあー。晶がまだ可愛げあるように見えるなんて……」



とおるてば、いい度胸してるね。
俺の晶くんを抱きしめるなんて!



「俺は男だ!可愛げなんてあってたまるかー」
「兄さん。私のお兄ちゃんから離れてよ」
「晶は悠姫のじゃないだろう」
「今はね!お兄ちゃんは私と結婚するのー」
「姫ー寝言は寝てから言えよ」


晶くんは悠姫ちゃんとケンカ始めちゃった。
晶くんてば、よく悠姫ちゃんとケンカするよね。
ケンカするほど仲がいいって言うし。



「はぁーもう帰る」
「お兄ちゃん。私、ステーキがいい」
「――姫。あまり、肉ばっか食うと太るぞ?」
「ほっといてよ!」



そう言いながら晶くんは帰っていった。
可愛い兄妹だな。
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