好きって言ってみなよ？

悠姫の帰国

3

翌朝。
晶くんと共に空港に来ていた。



「何時頃に悠姫ちゃんつくの？」
「んー12時くらいのだから、もうすぐ着くはず……」
「あと10分もあるねー。……晶くん、悠姫ちゃんに会うの楽しみでしょ？」
「何言ってるんだよ？」
「顔に書いてあるよ？口元緩んでるし」
「き、気のせいだ」
「照れなくてもいいのにぃ……」


ホント、晶くんは照れやなんだから。



「お兄ちゃん!!」


この子が晶くんの妹か。
晶くんそっくり。
赤毛で髪がふわふわしてる。
表情が愛らしい。



「姫!お帰り」
「ただいま。あれ、パパたちは？」
「何も聞いてないのか？」
「えっ？」
「佐伯から連絡は……」
「？？」



佐伯さんあの人こういう連絡をたまに忘れるんだよね。
そんなんでよく秘書できるよね。




「あとで話すから、有島のおばさんとこに行こう」
「うん。ね、お兄ちゃん。この人は？」
「この人は――」
「初めまして。俺は火山瑠衣だよ」
「火山？あ、沙希ちゃんのお兄さん？」
「よく知ってるね？」
「色々調べたからね」



そう言って小悪魔的な笑みを浮かべる。



「晶くん。悠姫ちゃん、黒いよ？育て方間違ってない」
「俺に言わないでくれっあーそれと、今から姫の行動に怒ったりしないでくれよ」
「それはどう言う意味？」



悠姫ちゃんに何かあるの？
一瞬目そらしたしね。



「お兄ちゃん。ただいまのチューは？」
「はぁ。姫、俺たちは兄妹なの。兄妹はそんなことはしないんだよ!ほら、有島のおじさんのとこ行くぞ」



なるほど。
だから悠姫ちゃんの行動に怒るな、か。




そして。
有島の叔母さんのところへやってきた。


「はーい」
「おばさん。俺だよ、姫連れて来た」



しばらくは悠姫ちゃんは有島家ここにお世話になるのかな？



「いらっしゃい。悠姫ちゃん、晶くん。あら、瑠衣くんも？」
「晶くんを空港まで連れて行ったんですよ」
「そうだったの。まるで、晶くんのナイトみたいね」
「ナイトって俺は男だし、そんなのいらない」
「あらあら……」



晶くんはしばらく叔母さんたちと話をしていた。
そして、何故かとおるまで。




「お兄ちゃん、帰るの？」
「姫は今月中はここにいろよ？４月になれば一緒に暮らせるから」
「えぇっ！やだ！私、お兄ちゃんとがいい！」
「あのな、俺はまだ春休みじゃないんだよ。それに準備をしてないから」
「じゃあ今度の休みどこか連れて行ってよ!」




悠姫ちゃんある意味最強だな。
晶くんにわがまま言えるのは悠姫ちゃんだけだもんね。