好きって言ってみなよ？

日常生活編

10

この日。
いつものように晶くんのもとを訪れた。




相変わらず目を覚ましていない。




「瑠衣」
「とおる。珍しいね？」
「まぁな。全然目覚まさないんだから心配にもなるだろう？」



まぁ、それもそうか。




「有島のおばさんたちは？」
「来たがってけどマスコミがあっちにもいるらしくてな。だから様子を見に来た。……なぁ、瑠衣」
「何？」
「晶は由貴を怨んでると思うか？」
「……わからない。ただ、うらんでないといいなぁとは思うよ」
「マスコミはここぞばかりにあのうちのことを叩きまくっている。しかも表舞台にいない由貴のことをだして」




とおるの言う通り。
丁度ニュースが流れていた。


『猪熊財閥には確か母親が違う息子さんが1人おられましたな』


確かにそうなんだけどね。



「あ、それから。不確定情報。橘コーポレーションの四男が何やら動いている」
「なんで？」
「それは俺も知らない」


そんなことより。
彼、由貴と接点あったっけ？