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村雨姉妹
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しおりを挟む「あんたヤバイよ」
「どうした?」
「春からメールで夏が何故か帰国してきたって」
夏兄が?
夏兄に会いたくなんかない。
「由貴大丈夫!お前は私たちが守るよ」
夏兄が待っているであろう家へ帰った。
「なんだよ。お前いないからかえってきたのに」
「じゃあお前が帰れよ夏」
「なんだよ!それ」
「春くん?」
「父さん母さん、由貴。紹介するよ!俺の彼女の若草柚奈」
「こっちが俺の両親でこの子は弟」
「可愛いー!春くんこんな可愛い弟いるなら教えてよ」
これが柚姉との出会い。
柚姉は俺に触ろうとした。
何かするわけじゃないのに。
怖くてつい身構えてしまった。
「とりあえず由貴。お腹すいてないか?」
「俺たち今から飯にするけど食う?」
「ごはん何?」
「柚がオムライス作ってくれるって」
「食べる!」
「母さんたちもよかったら食べてよ」
父さん食べたそうだったけど。
呼び出しがかかり渋々仕事に行った。
「はいどうぞ」
「ありがとう。お姉ちゃん」
春兄の彼女の柚姉は可愛い人。
小柄で優しくて。
春兄とお似合いだと思った。
昼飯のあと。
柚姉は俺と遊んでくれた。
近くの公園で。
「でね、瑠衣がね」
「由貴は瑠衣が気に入ったんだな」
「瑠衣に妹いるんだよ!沙希ちゃんて」
「瑠衣さ、俺をバカにするんだよ!」
瑠衣の奴。
ちょっと頭いいからって。
俺をバカにしすぎなんだよな。
少しでもわからなかったらこんなのわからないの?とか言ってきやがるし!
あいつは嫌味しか言えないのかよ!!
「由貴。嫌なことは嫌って言わなきゃダメだからね」
「わかった!今度言われたらガツンと言ってやる」
夏兄は夜いないらしく春兄と家に帰った。
瑠衣のとこのおばさんのご飯も美味しかったけど。
「ハンバーグに目玉焼き!」
「春輝様から由貴様たちが好きなものを出すよう言われましたので」
その日をさかいに俺たちが好きな焼きそばやお好み焼きがよく出るようになった。
相変わらず夏兄は俺に殴ったり蹴ったりしてきた。
「由貴。全部私のせいにしな」
「お母さん?」
「由貴は母親である私から虐待を受けている。そういうことにしたらいい」
これをまるで聞いていたかのように母さんが俺を虐待していると噂が流れた。
きっと夏兄が聞いていたんだ。
「由貴。いいんだよ」
母さんは悲しそうな顔してそう言ってきた。
「いつか、由貴が話してもいいって思う相手ができるまでは黙ってるんだよ」
そう母さんと約束した。
颯太にならいつか話してもいいって思うから。
いつか俺が話したいって思う時までは。
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