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葉月カイト

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思い出作り

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電話?
しかも颯太から。
なんだろ??



「あれ?電話?」
「もしもし?」
『由貴くん。ごめん、今日遅くなるから先に寝てて』




今日も遅くなるのか。



「わかった」



そう言って切ろうとしたけど。



「颯太ーっ。由貴が寂しがってるぞー」
「なっ!?寂しくなんかっんぐ」



藤澤さんが何を思ったか、俺からスマホを奪いそんなことを言っていた。


『由貴くん。もう少しだけ我慢してね』
「やっぱお前なんか企んでるな?」



藤澤さんは俺から携帯を奪い取ると何やら話し込んでいた。



「由貴。飯食いに行くか?」
「え?」
「燐と純平も行かないか?」
「なぁ。純の新しい彼女も誘わね?」




こうでもしない限り純は紹介してくれない。
颯太。
遅くなるなら飯1人だしな。



「嫌だ」
「別に純の彼女を取って食わねぇし」
「由貴はそうだけど燐と藤澤さんだよ!」
「颯太じゃねぇんだからしない」
「わっ藤澤さんっ」


藤澤さんからそれとなく聞いた。
颯太がむしゃくしゃしていた時期があったって。

で、その時にとっかえひっかえ女と遊んでいたらしい。




「颯太が一番荒れていたのは今から6年ぐらい前だ」
「え?」



6年前。
俺と出会った時?
なんで??


「そんな風には見えなかったけど」
「あとは颯太に聞けよ」



藤澤さんはそれ以上は教えてくれなかった。



ケチ。
いつもだよな。
颯太の話を中途半端にして、あとは颯太にって。



「教えてくれないの?藤澤さんのケチィ」
「まぁいいや」
「瑞穂に連絡してみるよ」



そう言ってベランダにでて電話をかけた。



「何食いに行くか?」
「ピザとかパスタがいい」



藤澤さんに任せると肉とか言うだろうし。



そして。
純の彼女と待ち合わせた場所へ。


「はじめまして。田上瑞穂です」



見た感じは普通の感じだったけど。
何故か嫌な予感がした。


純と付き合わない方がいい。
そんな気がした。



「純平くんのお友達可愛い!」



純平がいるのに何故か俺に近づいてきた。



「純平の前で俺に近づくってどういう神経してるわけ?」
「そんな。私は純平くんのお友達と仲良くしたかっただけなのに」



なんだ。
このぶりっ子は。
虫唾が走る。
いくら彼氏の友達だからって。
なんで仲良くしなきゃいけないんだよ。



「俺とあんたが仲良くするとさ嫌がる奴いるんだ」
「え?そんな顔で恋人いるの?」




なんで全くの赤の他人にここまで言われなきゃいけないわけ?
そんな顔でって悪かったな。
童顔で。



「瑞穂。由貴を俺の友達をけなす言い方やめてくれよ」
「わ、私はけなしてなんかいないわよ!」
「別にどうでもいいけど。俺、女になんか興味ないし!」



藤澤さんたちは止めようとしたけど。
気にせずそう言っていた。



そして。
何故か純と付き合って欲しくなかった。
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