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夏合宿
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夕方。
暮沢さんと3人で次の部長の話をすることに。
「由貴を次の?」
「颯太と話し合った結果です」
よく言う。
俺に話す前には決めたクセに。
「颯太は反対するかと思った」
「颯太もそこまで子供じゃないですよ」
悪かったな。
子供で。
「お前らが決めたんならいいが卒業まではフォローしてやれよ」
「ご心配なく。元よりそのつもりですから」
「じゃあ、バーベキューの準備始めるか」
「暮沢さん。悪い、颯太に話があるから先にみんなと始めててくれ」
*********
「で、話って?」
「由貴がなどっかの無駄に身長の高いオレンジ頭の奴がしてこないって言ってたぞ?」
「そういう言い方してないでしょ?」
「正確には颯太が手をだしてこないって言ってた。純平にしか話さないつもりだったけど俺が純平の部屋にいてついでに燐も呼び出したんだ」
「そんなに悩んでた?」
「だから由貴から誘えばいいだろう?てアドバイスしといた」
藤澤の奴は。
他人ごとだと思って。
由貴くんから誘われたら押し倒す自信あるけどね。
「取りあえず由貴と話しろよ?あ、あと。あまり由貴を疲れさせんなよ?」
「わかってるよ」
さてと。
暮沢さんが由貴くんに絡む前に由貴くんのとこに行こうっと。
「燐くん?由貴くんたちと遊んでたんじゃ……」
「兄ちゃんと純くんがケンカはじめちゃって。だから僕もバーベキューの準備手伝おうかなって」
「じゃあさ、暮沢さんとこに行って焼きそばの材料もらってきて」
「暮沢さんて?」
「じゃあ行こうか?」
暮沢さんのいる広間へ。
「暮沢さんー焼きそばの材料くれない?」
「おぅ、って由貴にそっくりなその子は?」
「初めまして。猪熊燐です」
「由貴くんの弟ですよ」
「藤澤さんから話は聞いていますよ。兄がお世話になったみたいで」
「由貴の弟か」
由貴くんみたいに頭を撫でようとした暮沢さんだけど。
「触るのやめてくれませんか?兄ちゃんみたいにぼくは優しくはありませんから」
そう言って暮沢さんの手をはねのけた。
暮沢さんに敵意丸出し。
これはこれで面白いかも。
「…………なんだ、今年の1年は生意気だな」
暮沢さんは楽しそうに言ってくる。
怒っているわけでもなくただそう感じただけ。
「暮沢さん、材料」
「兄ちゃんはね野菜多めがいいですよ」
「そうしようか?」
「由貴の作るのか?」
「そうですよ」
「じゃあ俺が作るから」
「お断りします!兄ちゃんは颯太さんが作ったのじゃなきゃ食べませんよ?」
燐くんは敵意むき出しで暮沢さんにそう言っていた。
「……まるで颯太が由貴の彼氏みたいな言い方だな?」
まぁ。
いつかは言わなきゃいけないんだけど。
「それはノーコメントで」
「ふーん。俺、中庭に行くから」
***********
「颯太さん。言っちゃえばいいのに!」
「あの人は要注意人物だから」
だから。
下手に言えない。
そう。
だって、あれはすべて……。
由貴くんへの敵意だから。
由貴くんはまっったく気づいてないけど。
「でも、大丈夫だよ」
「由貴くんに危害が及ぶ前にきちんとするから」
誰であろうと由貴くんに何かするつもりの奴は追い払うから。
暮沢さんと3人で次の部長の話をすることに。
「由貴を次の?」
「颯太と話し合った結果です」
よく言う。
俺に話す前には決めたクセに。
「颯太は反対するかと思った」
「颯太もそこまで子供じゃないですよ」
悪かったな。
子供で。
「お前らが決めたんならいいが卒業まではフォローしてやれよ」
「ご心配なく。元よりそのつもりですから」
「じゃあ、バーベキューの準備始めるか」
「暮沢さん。悪い、颯太に話があるから先にみんなと始めててくれ」
*********
「で、話って?」
「由貴がなどっかの無駄に身長の高いオレンジ頭の奴がしてこないって言ってたぞ?」
「そういう言い方してないでしょ?」
「正確には颯太が手をだしてこないって言ってた。純平にしか話さないつもりだったけど俺が純平の部屋にいてついでに燐も呼び出したんだ」
「そんなに悩んでた?」
「だから由貴から誘えばいいだろう?てアドバイスしといた」
藤澤の奴は。
他人ごとだと思って。
由貴くんから誘われたら押し倒す自信あるけどね。
「取りあえず由貴と話しろよ?あ、あと。あまり由貴を疲れさせんなよ?」
「わかってるよ」
さてと。
暮沢さんが由貴くんに絡む前に由貴くんのとこに行こうっと。
「燐くん?由貴くんたちと遊んでたんじゃ……」
「兄ちゃんと純くんがケンカはじめちゃって。だから僕もバーベキューの準備手伝おうかなって」
「じゃあさ、暮沢さんとこに行って焼きそばの材料もらってきて」
「暮沢さんて?」
「じゃあ行こうか?」
暮沢さんのいる広間へ。
「暮沢さんー焼きそばの材料くれない?」
「おぅ、って由貴にそっくりなその子は?」
「初めまして。猪熊燐です」
「由貴くんの弟ですよ」
「藤澤さんから話は聞いていますよ。兄がお世話になったみたいで」
「由貴の弟か」
由貴くんみたいに頭を撫でようとした暮沢さんだけど。
「触るのやめてくれませんか?兄ちゃんみたいにぼくは優しくはありませんから」
そう言って暮沢さんの手をはねのけた。
暮沢さんに敵意丸出し。
これはこれで面白いかも。
「…………なんだ、今年の1年は生意気だな」
暮沢さんは楽しそうに言ってくる。
怒っているわけでもなくただそう感じただけ。
「暮沢さん、材料」
「兄ちゃんはね野菜多めがいいですよ」
「そうしようか?」
「由貴の作るのか?」
「そうですよ」
「じゃあ俺が作るから」
「お断りします!兄ちゃんは颯太さんが作ったのじゃなきゃ食べませんよ?」
燐くんは敵意むき出しで暮沢さんにそう言っていた。
「……まるで颯太が由貴の彼氏みたいな言い方だな?」
まぁ。
いつかは言わなきゃいけないんだけど。
「それはノーコメントで」
「ふーん。俺、中庭に行くから」
***********
「颯太さん。言っちゃえばいいのに!」
「あの人は要注意人物だから」
だから。
下手に言えない。
そう。
だって、あれはすべて……。
由貴くんへの敵意だから。
由貴くんはまっったく気づいてないけど。
「でも、大丈夫だよ」
「由貴くんに危害が及ぶ前にきちんとするから」
誰であろうと由貴くんに何かするつもりの奴は追い払うから。
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