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葉月カイト

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夏合宿

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「はぁ…………」
「颯太!いい加減あきらめろ」
「だって…………」



ご飯作るメンバーをアミダくじで決めた藤澤。
で、俺は見事に由貴くんと離れた。



「俺はお前たちは離すつもりだったからな」
「何で?」
「由貴はともかく!お前、由貴といるといちゃつくだろうが!」
「抱きついたりはするけどさ…………」
「……なぁ、颯太。お前、由貴と付き合いだしてからシたか?」



なんでわざわざ聞いて来るんだろう?



「してない」
「え?何で?」
「由貴くんを好きすぎて手を出せないんだよ」
「なぁ、由貴は知ってるのか?」
「気づかれてない……はず」
「颯太て案外…………」
「案外何?俺さ最近耳が遠くてわかんないんだよね」



わかってるよ。
由貴くんは自分からは誘わない。
付き合う前は大丈夫だったのに。




「由貴はそのくらいじゃ嫌いにならないだろう?」


わかってるけどね。



「今日は由貴たちが作るんだろう?つか、今ごろからかわれてたりして。"会長にご飯作ってるのか"とかなんとか聞かれてたりして」


*********



「八宝菜と焼きビーフン」
「由貴の奴肉少ないメニューにしようとするんだから」
「由貴くん肉嫌いだもんね?」
「嫌いなんじゃない。苦手なだけ」
「変わんないじゃん」

そして。
いつものことだけど。
由貴くんてば肉を残すか肉を俺によこすんだよね。





「また肉だけ抜いて……」
「じゃああげる。食べて」
「じゃなくて……」



由貴くんは嫌いなモノをいつも俺によこす。
肉好きだし別にいいよ。




「少しは食べる努力しなよ?」
「無理なもんは無理」
「食べさせてあげるから食べて」
「やだ」
「やだって」



やだってホント由貴くんは可愛いんだから。



「由貴くん、買い出しに行ってくるけど何か欲しいものある?」
「ない」
「じゃあ行ってくるね」



由貴くんは疲れはてたみたいで寝ちゃった。




「夜なんにする?」
「酢豚は?」
「いいね!」


夜は酢豚、きんぴらごぼう、大根の煮物、味噌汁。
全部由貴くんの好物。




そして。
作るのは俺。
みんな作れないからって。



「ちょっと由貴くんの様子見てくるから」



部屋に行くと由貴くんはお腹出して寝ていた。
風邪ひきやすいのに。




「全く。また、こんな格好して寝て」



由貴くんにタオルケットを被せていると起こしたみたいで目を覚した。



「颯太?」
「あ、起きた?夕飯まで時間あるし寝てなよ」



そう言いながら頭をなでると由貴くんは俺の手を握ってきた。
まだ寝ぼけてるのかな??



「少しだけだからね」



そう言って添い寝してあげる。
可愛すぎる。
キスしちゃだめかな?


いくら恋人でもそんな襲うようなことできないし。



そして、夕方。



「ふわぁー」
「よく寝てたね」
「…………何で颯太がいんの?」
「覚えてないの?由貴くんが一緒に寝てほしそうだっから一緒に寝てたんじゃない」
「全く……寝ぼけてるんだから。じゃあご飯作ってくるからね」


そう言って食堂へ向かう。
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