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葉月カイト

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キミが好きだよ

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「熱下がらないね」



由貴くんが入院して4日。
吐き気と下痢は治まったものの熱が下がらない。
顔赤いし、解熱剤使えないしでかなりキツそう。



ここが病院じゃないなら添い寝するんだけどな。


「なぁ、颯太。講義ないの?」
「え?あぁ。俺、去年までに必要な単位全部取ったから大丈夫」



毎日病院に来ていたら由貴くんにそう言われた。
あとは就職に必要な資格だけ取ればいいしね。


あとは由貴くんとの時間にすべて使う。



「暇なの?」



この子はっ。



「そんなこと言うなら来ないよ?」



由貴くんは口ではなんだかんだ言いながら来なかったらさびしいクセに。


今もさびしそうな顔してるし。



「ヤダ」
「なら、そういうことばかり言わないの!」



由貴くんが照れ屋なのかわかるけどさ、たまには素直になって欲しいな。



メール?
こんな時に誰!




『颯太。教授が呼んでる。時間あるときに来いって』



やれやれ。



「由貴くん、ごめん。教授に呼ばれてるから大学にちょっと行ってくるね」
「わかった」
「いい?体調悪くなったら看護婦さんたちに言うんだよ?」
「颯太は心配しすぎ」
「あのね!由貴くんを心配しないで誰を心配するの?」




わかってる?
俺は由貴くんが好きなんだよ?
俺に好かれてるって自覚持ってもよさそうなんだけど。



大学に行くと就職関係のことかと思ったらただの雑用だった。
そして、教授に解放されたのは夕方だった。
ホント。
教授たちは人使い荒いんだから。



あれから。
さらに4日。
何とか熱が下がった。





「お兄さんたちもう帰ったの?」
「今は決算の時期で忙しいから」




で。
来れたのが退院する今日だった。
入院費を支払ってしばらく由貴くんと話していたけど。
戻らないといけないらしく帰ったらしい。
お兄さんたちは由貴くんのお父さんの仕事をしているから仕方ない。



ただ夏輝さんは早く帰りたがっていたけど春輝さんは由貴くんと離れたくないみたいで呼び出しがかかるまでずっとくっついていた。




「じゃあ帰ろうか?」
「あぁ」



由貴くんを家に連れて帰ることに。




で。
家でごろごろ由貴くんはしてたんだけど……。




「すぅ…………」




俺がお昼作っている間に由貴くんてば眠くなったらしく寝ちゃった。



由貴くんをベッドに寝かせる。



「だいぶ軽くなっちゃって」




しばらくろくなモノ食べてなかったらしいからね。


「陸?なんだろう?もしもし?」
『由貴は?』
「退院したよ?お兄さんたちが入院費払って今は家で寝てる!」
『何でさも当然みたいな感じで由貴をそっちに連れて行ってるんだ!?』
「陸てば細かいなー連れて帰っちゃったのは仕方ないじゃなん。由貴くん今寝てるし由貴くんの洗濯物ならもう干しちゃったし」
『颯太!』
「陸はげるよ?」
『まさか、由貴を夏休みの間ずっとそっちに置くつもりか?』
「もちろん!」
『あのな!』
「うぅーん。颯太?」
「陸が電話口で叫ぶから!」
『今からそっち行くから』
「え?」
「颯太どうしたんだ?」
「ごめんね、起こして。陸が来るって」




陸てば何気にブラコンなんだよね。
由貴くんが戻りたいって言うならともかくね。
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