LOVE☆GAME

すれ違い

11

颯太と話せないまま大学が始まった。



明日は燐の入学式。



「由貴。燐の入学式は誰が来るんだ？｣
「兄さんが来るって｣
「ぼくは兄ちゃんが良かったのに｣
「アホか！｣
「えぇー｣
「明日、兄さんたちが飯食いに行くつーから昼飯と夕飯いらないから｣
「わかった｣



颯太は最近練習に全く来ない。


藤澤さんもブツブツ言っているがそれを颯太が聞くわけない。



「ねぇ、兄ちゃん。いくつか同じ講義受けていい？｣
「勝手にしろ。レポートは俺をあてにすんなよ？｣
「わかってるよ｣



レポート内容一緒でも教授が違うならわからないだろうけどな。



「そろそろ帰るから｣
「燐一人で起きれるか？｣
「兄ちゃんが起こしにきてよ｣



そう燐は言ってくる。
ったく。
仕方ない奴。




「陸也。今日は俺、燐のとこに泊まる｣
「わかった｣
「じゃあ兄ちゃん帰ろ？｣
「お姉ちゃんにも言ってくる｣







燐のマンションに行く前に一度帰ることに。



「じゃあ行ってきます｣



翌朝。
燐は入学式に出掛けた。


暇だな。
一回帰ろうかな。



ヴーヴー



ん？
携帯？


『由貴。
入学式終わったらメールするからそれから合流な』


春兄らしいや。
やっぱり一回帰ろうっと。


「ただいま｣
「お兄ちゃんおかえり｣
「由貴、ちょっと美希見ててくれない？｣
「お昼には出かけるよ｣
「それまでには帰ってくるから｣



そう言ってお姉ちゃんは出かけた。
買い物か？



「んー由貴帰ってたか。奈々は？｣
「美希ちゃん預けてどこか行った｣
「あー昨日奈々のお義母さんが来るって電話あったからな｣



じゃあ買い物に出かけたのか。




「つーわけで時間まで美希と遊んでやってくれ｣



陸也はまた寝るといって戻りやがった。
陸也。
お前、父親だろうが。
ったく仕方ねぇな、あいつは。


「お兄ちゃん。公園行こう｣
「いいよ｣



お姉ちゃんにメールして美希ちゃんと公園に。



「由貴ー｣



１時間ほどしてお姉ちゃんが帰ってきた。



「おかえり｣
「ごめんね。急に母さんがこっちにくる言うから｣
「陸也に聞いた｣
「今日は泊まるから帰ってきたら挨拶してくれる？大丈夫。由貴に"怖い"ことしないから｣



お姉ちゃんにはバレバレか。



「……兄さんたちと飯食ったら帰ってくるから｣
「お兄ちゃん。高い高いしてー｣



それからしばらくお姉ちゃんと一緒に美希ちゃんと遊んだ。




あの人が本気で殴ったりしてるわけじゃないのに。
いつからか大人というか俺より年上の人が怖くなった。



年上つっても年が近い奴は平気なんだよな。
初めて会う奴で俺より年上は無理なんだよな。



これは全て夏兄。
あいつのせいなんだけどな