LOVE☆GAME

すれ違い

5

そして。
7時半。
燐たちと待ち合わせて、一緒に駅前に向かう。



「由貴、その子たちか？｣
「燐にはこの間会ったろ？この子がひかり。今度隣の女子大に入るんだ｣
「ひかりちゃん。ひさしぶり｣
「純くん。久しぶり｣
「なぁ、由貴。お前んとこの遺伝子どうなってんだよ？｣



遺伝子どうなってるんだってなんだよ。



「ひかりたちの母さんがめっちゃ綺麗な人だったんだよ｣
「由貴。お前の親父さんて面食いだな？｣
「……藤澤さん何だよ？｣
「藤澤はね？この間振られたんだよ！｣
「で、顔がタイプじゃないとか言われたのか？｣
「だぁー！大体なうちの大学の女子は由貴か颯太お前らどちらかが好きなんだよ！｣



藤澤さん。
大声でそんな言わなくても。
藤澤さんの好きな人が俺か颯太を好きなのか？？




「てか、好かれても迷惑。俺と話したことある奴はともかくさ｣



どうせ見た目かうちの財力狙いで好きになったんだろうし。



「由貴。またラブレターいっぱいもらうんだろうな｣
「だって兄様は可愛いのもありますけどカッコいいですもの｣
「ひかり。あのな、兄様て呼ぶのは」


ひかりやめてくれっ。
昔からひかりは言ってくる。



『兄様はかっこいい』




とか




『兄様は可愛い』



とか。
可愛いじゃなくて、俺としてはかっこいいて言われたい。




「ひーは昔から兄ちゃんが大好きだから｣
「ねぇひかりちゃんは彼氏とかいないの？｣


…………颯太。
早速颯太は口説きはじめた。



そっか。
やっぱり颯太は…………。




女の子がいいんだな。
女の子みたいて言われても俺は男だしな。



仕方ないよな。


「なぁ、早く行こうよ。藤澤さん｣



純に急かされ店に移動。



「バイキング？｣
「そう｣
「由貴の弟たちの好き嫌い知らないから。バイキングならと思ってな｣
「ぼくもひーも好き嫌い特にないですよ。ね、ひー？｣
「えぇ。私としては肉類は遠慮したいですけど」
「ひかりはもう少し食えよ」



これ以上痩せてどうするんだよ。

「由貴、燐、ひかりちゃんあっち行こうぜ｣
「うん｣



正直。
純の誘いはありがたかった。
今。
颯太と一緒だときっと泣いてしまうから。



颯太は藤澤さんと。



「ひかり。肉取ってきた」




燐と純は大量の肉と俺たちが食いそうなフルーツとかを。



「由貴。ビーフカレーあったぞ？」
「マジ？取ってくる」



うまそう。
ビーフカレーに福神漬け。
トッピングにチーズ。



ハンバーグもある。




「……由貴そんなに食えるのか？」
「うん。昼飯食ってないから」



昼飯食わないでおやつだけ食ってたんだから。




「この辺焼けてる。食えよ」



純は次々と肉を焼いていく。