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虐待
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「またヒビが入っていますね」
腕を見てもらうとヒビが入っているため、ギブスをし直すことに。
「もうちょっとでギブス取れそうだったのにね」
まだ不便な生活とはさよならできないのか。
仕方ない。
「ただいまー」
「お帰りなさいませ」
「ね、由貴くん。色々と意地はらなくてもよくない?」
病院から帰りつくと颯太が言ってきた。
「颯太?」
「お母さんが怖いなら無理して行かなくてもさ」
純から何か聞いたんだろう。
「大丈夫だから」
「大丈夫じゃないでしょ?顔にこんな傷作って腕も」
「別にこんな傷今さら」
そう。
今さらどうってことない。
慣れてるから。
「ちょっと楓のとこ行ってくる」
「昨日。燐くんにお願いされたこと?」
「あぁ。今日は学校行かないで家にいるから」
昨日の夜。
燐が楓を怒ってくれて言ってきた。
「楓いるんだろう?開けろ」
「何だよ!」
「何だよじゃねぇよ。いいから開けやがれ!」
「何しに来たんだよ。二人して」
「どーせ暇だろう?」
「暇だよ」
「よし。ゲームするぞ」
「なんだよ急に」
楓は頭のいいやつ。
留年とかないと思う。
きっと理由がある。
「楓。何で留年になったんだ?」
「それは勉強がっ」
「嘘つくな!俺を甘くみるな」
「だって!」
「どうせ俺の悪口言ってたんだろう?2、3年の奴らが」
「何で」
「何て言われたんだよ?」
俺にいつもベッタリな弟たち。
何を言われるかはわかっていた。
「当ててやろうか?」
「いいっ」
「俺が男相手売春行為してるとかそういう噂だろう?」
「由貴くんは自分を守るってこと知らないよね?」
なんだよ。
自分を守るって。
「……別に。散々中学の時に言われたし。だから今さら……」
そう。
今さら何を言われようとも平気。
「だからあまり中学行かなかったの?」
「……そうだよ。俺はいいんだよ。何を言われてもさ……でも、燐たちが色々言われるのは嫌なんだよ」
「兄ちゃん。何で寮に入ったの?」
「この家にいたくなかったんだよ」
あの人はいい。
夏兄だけは嫌だから。
周りから見たら逃げてるように見えるだろう。
それでも俺は家がいやだったんだ。
「それって逃げてるだけじゃん。だってそうじゃん!」
「言いたいことはそれだけか?」
「そうだよ!たかがそのくらいで学校行かなくなるとか」
「ちょっと散歩してくる」
これ以上は泣いてしまいそうだから。
部屋から出ていく。
「まだあるんだなこの公園」
燐たちとケンカした時。
母さんに怒られた時。
一人になりたい時。
俺はこの公園にくる。
『兄ちゃん。何で寮に入ったの?』
『あの家にいたくなかったんだよ』
『それって逃げてるだけじゃん。だってそうじゃん!』
『たかがそのくらいで学校行かなくなるとか』
颯太がいる前で逃げるようなことはしたくなかった。
「ちょっと散歩してくる」
そう言って家から出た。
近くの公園にやってきた。
純とケンカした時や父さんに怒られた時。
俺はいつもここにきていた。
春兄がいつも迎えにきてくれて帰りにはお菓子を買ってくれたっけ。
"それって逃げてるだけじゃん!"
わかってるそんなことは。
でも。
あの家は嫌だ。
全てあの人のせいにしてしまってるのが。
それにきっと。
過呼吸を起こして、颯太に心配かけちゃうから。
弱い俺が嫌だ。
もっと強くなりたい。
何もできない俺が嫌だ。
ねぇ。
教えて。
どうしたらいいのかわからない。
「あれ?」
やだな。
泣きたくなんか、ないのに。
涙があふれてきてとまらなかった。
『由貴くんは泣き虫だな』
颯太は俺が泣いてても。
絶対に馬鹿にしない。
そして。
勝手に出てきたのに。
颯太に会いたくなってきた。
しばらくして颯太がやってきた。
腕を見てもらうとヒビが入っているため、ギブスをし直すことに。
「もうちょっとでギブス取れそうだったのにね」
まだ不便な生活とはさよならできないのか。
仕方ない。
「ただいまー」
「お帰りなさいませ」
「ね、由貴くん。色々と意地はらなくてもよくない?」
病院から帰りつくと颯太が言ってきた。
「颯太?」
「お母さんが怖いなら無理して行かなくてもさ」
純から何か聞いたんだろう。
「大丈夫だから」
「大丈夫じゃないでしょ?顔にこんな傷作って腕も」
「別にこんな傷今さら」
そう。
今さらどうってことない。
慣れてるから。
「ちょっと楓のとこ行ってくる」
「昨日。燐くんにお願いされたこと?」
「あぁ。今日は学校行かないで家にいるから」
昨日の夜。
燐が楓を怒ってくれて言ってきた。
「楓いるんだろう?開けろ」
「何だよ!」
「何だよじゃねぇよ。いいから開けやがれ!」
「何しに来たんだよ。二人して」
「どーせ暇だろう?」
「暇だよ」
「よし。ゲームするぞ」
「なんだよ急に」
楓は頭のいいやつ。
留年とかないと思う。
きっと理由がある。
「楓。何で留年になったんだ?」
「それは勉強がっ」
「嘘つくな!俺を甘くみるな」
「だって!」
「どうせ俺の悪口言ってたんだろう?2、3年の奴らが」
「何で」
「何て言われたんだよ?」
俺にいつもベッタリな弟たち。
何を言われるかはわかっていた。
「当ててやろうか?」
「いいっ」
「俺が男相手売春行為してるとかそういう噂だろう?」
「由貴くんは自分を守るってこと知らないよね?」
なんだよ。
自分を守るって。
「……別に。散々中学の時に言われたし。だから今さら……」
そう。
今さら何を言われようとも平気。
「だからあまり中学行かなかったの?」
「……そうだよ。俺はいいんだよ。何を言われてもさ……でも、燐たちが色々言われるのは嫌なんだよ」
「兄ちゃん。何で寮に入ったの?」
「この家にいたくなかったんだよ」
あの人はいい。
夏兄だけは嫌だから。
周りから見たら逃げてるように見えるだろう。
それでも俺は家がいやだったんだ。
「それって逃げてるだけじゃん。だってそうじゃん!」
「言いたいことはそれだけか?」
「そうだよ!たかがそのくらいで学校行かなくなるとか」
「ちょっと散歩してくる」
これ以上は泣いてしまいそうだから。
部屋から出ていく。
「まだあるんだなこの公園」
燐たちとケンカした時。
母さんに怒られた時。
一人になりたい時。
俺はこの公園にくる。
『兄ちゃん。何で寮に入ったの?』
『あの家にいたくなかったんだよ』
『それって逃げてるだけじゃん。だってそうじゃん!』
『たかがそのくらいで学校行かなくなるとか』
颯太がいる前で逃げるようなことはしたくなかった。
「ちょっと散歩してくる」
そう言って家から出た。
近くの公園にやってきた。
純とケンカした時や父さんに怒られた時。
俺はいつもここにきていた。
春兄がいつも迎えにきてくれて帰りにはお菓子を買ってくれたっけ。
"それって逃げてるだけじゃん!"
わかってるそんなことは。
でも。
あの家は嫌だ。
全てあの人のせいにしてしまってるのが。
それにきっと。
過呼吸を起こして、颯太に心配かけちゃうから。
弱い俺が嫌だ。
もっと強くなりたい。
何もできない俺が嫌だ。
ねぇ。
教えて。
どうしたらいいのかわからない。
「あれ?」
やだな。
泣きたくなんか、ないのに。
涙があふれてきてとまらなかった。
『由貴くんは泣き虫だな』
颯太は俺が泣いてても。
絶対に馬鹿にしない。
そして。
勝手に出てきたのに。
颯太に会いたくなってきた。
しばらくして颯太がやってきた。
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