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大学初めての学園祭
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クラブハウスの外に出ると、燐が純と話していた。
俺たちに気づいた燐はこっちにやってきた。
そばでみると、めっちゃ背伸びてないか?
最後に会ったのいつだっけ?
確か俺がこっちに引っ越す時だったよな。
そう言えば燐もαだったよな。
いいなぁ。
背高くて。
燐、絶っっ対に180はある。
俺も可愛いよりかっこいいって言われたい。
「兄ちゃん!」
俺よりもでかいけど。
まるで大型犬が尻尾振ってるみたいだよな。
昔からこうだっけ。
初めて会った時も。
人懐っこいこの性格で夜まで3人で遊んでたっけ。
「燐。背伸びたな」
「うん。今ね、179あるよ」
ほらな。
颯太とあまり変わらないし。
こんなにかっこよくなって。
周りがほっとかないだろう。
「颯太。俺の弟」
「初めまして。ぼく、猪熊燐です」
そして。
サークルの奴ら声を揃えて聞いてきやがった。
「なぁ。その子本当に由貴の弟か?」って。
悪かったな!
チビで。
つーか燐がでかいだけじゃん。
「由貴くん寒いでしょ?これ着てなよ」
そう言って颯太は俺にウィンドブレーカーを寄こした。
颯太の渡されてもでかいだけじゃん。
しかも。
颯太、香水つけてるから。
においがうつるんだよな。
香水のにおいがキツイってわけじゃないんだけど。
たまに言われるんだよな。
『会長と同じ香水付けてるの?』とか。
違うって言うとにおいがうつるようなことしたのかとか言われるし。
ニヤニヤしながら。
「ねぇ。その人兄ちゃんの彼氏?」
俺はお茶を飲んでたらむせた。
「げほっ」
「兄ちゃん?」
「つか違うし!」
「父ちゃんたちは気づいてないけどさ、ぼく兄ちゃんが男の人にしか好意持てないの知ってるから」
我が弟よ。
とんでもない発言してくれるな。
というか。
どこを見たら彼氏に見えるんだよ?
「付き合うのも時間の問題だよな?」
「そんなことねぇよ。だって颯太好きな奴いるじゃん?」
「兄ちゃん?」
「何でもない」
「由貴ー試合まで二時間あるから、弟と回ってこいよ」
「よし!燐行くぞ」
「あ、待って!由貴くん。俺も行くよ」
「え、でも……」
「一緒に回りたいんだ。嫌?」
嫌なわけない。
むしろ嬉しい。
「いいよ」
颯太は俺の手を握ってきた。
燐が見てるんだけど。
視線が痛い。
視線が。
まるで、どこが付き合っていないんだって言われてるみたいだ。
颯太がこうだから勘違いされるし、勘違いしそうになる。
というか、なんかちょっとふらつくかも。
「……。やっぱり休んでおこうか?」
「やだ」
せっかく颯太と学園祭回れるのに。
絶対に颯太とまわるんだから!
俺たちに気づいた燐はこっちにやってきた。
そばでみると、めっちゃ背伸びてないか?
最後に会ったのいつだっけ?
確か俺がこっちに引っ越す時だったよな。
そう言えば燐もαだったよな。
いいなぁ。
背高くて。
燐、絶っっ対に180はある。
俺も可愛いよりかっこいいって言われたい。
「兄ちゃん!」
俺よりもでかいけど。
まるで大型犬が尻尾振ってるみたいだよな。
昔からこうだっけ。
初めて会った時も。
人懐っこいこの性格で夜まで3人で遊んでたっけ。
「燐。背伸びたな」
「うん。今ね、179あるよ」
ほらな。
颯太とあまり変わらないし。
こんなにかっこよくなって。
周りがほっとかないだろう。
「颯太。俺の弟」
「初めまして。ぼく、猪熊燐です」
そして。
サークルの奴ら声を揃えて聞いてきやがった。
「なぁ。その子本当に由貴の弟か?」って。
悪かったな!
チビで。
つーか燐がでかいだけじゃん。
「由貴くん寒いでしょ?これ着てなよ」
そう言って颯太は俺にウィンドブレーカーを寄こした。
颯太の渡されてもでかいだけじゃん。
しかも。
颯太、香水つけてるから。
においがうつるんだよな。
香水のにおいがキツイってわけじゃないんだけど。
たまに言われるんだよな。
『会長と同じ香水付けてるの?』とか。
違うって言うとにおいがうつるようなことしたのかとか言われるし。
ニヤニヤしながら。
「ねぇ。その人兄ちゃんの彼氏?」
俺はお茶を飲んでたらむせた。
「げほっ」
「兄ちゃん?」
「つか違うし!」
「父ちゃんたちは気づいてないけどさ、ぼく兄ちゃんが男の人にしか好意持てないの知ってるから」
我が弟よ。
とんでもない発言してくれるな。
というか。
どこを見たら彼氏に見えるんだよ?
「付き合うのも時間の問題だよな?」
「そんなことねぇよ。だって颯太好きな奴いるじゃん?」
「兄ちゃん?」
「何でもない」
「由貴ー試合まで二時間あるから、弟と回ってこいよ」
「よし!燐行くぞ」
「あ、待って!由貴くん。俺も行くよ」
「え、でも……」
「一緒に回りたいんだ。嫌?」
嫌なわけない。
むしろ嬉しい。
「いいよ」
颯太は俺の手を握ってきた。
燐が見てるんだけど。
視線が痛い。
視線が。
まるで、どこが付き合っていないんだって言われてるみたいだ。
颯太がこうだから勘違いされるし、勘違いしそうになる。
というか、なんかちょっとふらつくかも。
「……。やっぱり休んでおこうか?」
「やだ」
せっかく颯太と学園祭回れるのに。
絶対に颯太とまわるんだから!
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