LOVE☆GAME

空白の4年間

5

「つーわけで猪熊に言っとけよ｣



放課後。
進路指導の先生に由貴のことで伝言を頼まれた。



ったく。
自分で言えよ。
もうすぐ俺達は三年生になる。


由貴。
高校はどうするんだ？



「由貴ー、ん？真中先輩？｣


珍しい組み合わせだな。
でも、ないか。
前はよく一緒にいたし。





「よう！由貴」



真中先輩は俺の存在を無視して由貴と話をしていた。


最近、全く真中先輩といなかったのに。



「なぁ、真中先輩と由貴って……」
「違うっ！！俺はあんな奴！！」
「由・貴？」


なんだ。
何かおかしい。
由貴怯えてる？
どうしたんだ？


「なぁ、由貴！」
「純？」
「今日、由貴の家に行っていいか？ちょっと話しあるんだ」
「残念ー！由貴は俺と約束あるんだよ」


由貴なら俺の意図に気づいてくれる。


「悪い。純とは前から約束してたから……」



真中先輩は舌打ちしなが教室から出ていった。




それから俺たちは近所のスーパーで弁当買ってから俺の家に向かった。



俺の両親は養父母。
赤ちゃんの時に施設の前に捨てられていたらしい。



由貴も今の家に引き取られる前は同じ施設にいた。
俺たちはそこで仲良くなった。




「さてと、飯食いながらでいいから話せよ」
「わかった。純には話すよ」



由貴は観念したのか何があったのか話しはじめた。