LOVE☆GAME

陸也と颯太と由貴

8

俺からのサーブ。
颯太がいいって。




キックサーブと呼ばれるサーブで先取する。
ごく稀にキックサーブが効果ない奴がいる。




そう。
颯太みたいに。




「はぁっ｣



テニスの腕にはそれなりに自信があった。




それは自惚れだったと大学に入り気づいた。
正確には颯太がいる時点でわかっていた。
昔、たまり場に出入りしていた時にみんなでテニスした時。
颯太にだけは勝てなかったから。




颯太に再会するまでの高校三年間。
俺は毎日テニスしていた。
弱小と言われていたあのテニス部を仲間とともに全国大会出場にまでした。


そこで俺はダブルスを先輩たちから教わりダブルスプレイヤーとして頑張った。




「やぁっ｣



そして。
見事に颯太に負けた。
マジムカつく。




「はぁ、はぁ｣
「久々に見たな。由貴の本気｣
「そうなの？｣
「由貴は小学生の頃から有名でな｣
「中学生でも名前はあるものの試合には出ない｣
「…………｣



そりゃあそうだろう。
たまり場に行っていたんだし。




「それより流石に帰らないとな｣
「鍵は返しとくよ｣
「じゃあ頼んだぞ｣



だりぃけど陸也に電話しねーと。
今日泊まりに来いって言ってきたんだよな。
何故か。



そう思っていると颯太が電話をかけていた。



「もしもし？陸？今からさ大学まで由貴くん迎えに来てね｣



颯太がそう電話して5分。
陸也は大学まで飛んできた。
そして。
颯太まで車に乗り込んできた。


「あ、ねぇ。由貴くん、由貴くんが中学の時、試合に参加しなかったのは｣
「そうだよ。たまり場に来てたからだよ｣



そう答えると納得したのか颯太は笑顔を向けてきた。



「由貴－。眠いなら寝ていいからな？｣
「ん、わかった｣



颯太に膝枕してもらいそのまま寝た。



陸也結婚しているらしい。
奥さんは俺も知っているらしい。
話したら楽しみにしていると。
だから今日泊まるんだけどな。