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由貴の過去そして翼の病気

2

「翼。由貴くん、明日学校行くって。何がなんでも、お前に会うつもりだぞ？」
「颯……」
「翼。由貴くんに話しなよ」
「……」




俺は由貴に内緒にしていることがある。
それは、病気のこと。



『筋萎縮性側索硬化症』
筋肉が落ちいずれ死ぬらしい。
俺は由貴をおいて死にたくない。



だから、颯に全て話した上でしばらくたまり場に行かないって宣言したけど。



颯が言ってた。
由貴が俺を心配してるって。



あぁっ。
由貴なんて可愛いんだっ。



じゃなくて、その由貴が智経由で会おうとしてる。



「由貴、ごめんな」




そして、次の日。



「兄貴。由貴が兄貴に会いたがってる」
「智。由貴には会えない」
「何で！？」
「俺な病気なんだ。母さんたち意外知らない。筋肉の病気」
「だから会わないのか？」
「今、会うと由貴に甘えてしまうから」
「それが恋人だろう？」
「……」



今、智なんて？



「由貴が言った。兄貴と付き合ってるって」
「……もう。由貴は可愛いんだから。なっ？」
「兄貴は由貴に甘えたくないのか？」
「ダメだ。俺、由貴を泣かせたくないから」
「わかった。」


智はそう言ってきた。
すまんな智。