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No.8

~悠奈の兄-3~

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当然親父は反対した。
何故わざわざ遠くの高校に行くのかと。
まぁ、何も知らねぇ親父からしたら当然だけどな。





「これ以上この家にいたくない」





悠奈は親父の前でそう言った。





「どうしてだ!?」





「父様には悪いけど私その女が嫌いだから……」





悠奈はついに本音を話す。
まぁ、あの女が嫌いなのは俺たちもだけどなっ!





そして、夏休み。




「キャア~」





悠奈はあの女に階段から突き落とされ、入院することになった。
知らせを聞いた親父は病院に急いでかけつけてきた。
執事の井坂が親父に説明した。
悠奈があの女から虐待されていたという事を。






「由貴。悠奈をお前の所に住ませてやってくれないか?」





親父は突然そう言ってくる。
俺は迷った。
いくら、兄妹とは言え、年頃の女の子が男の部屋で暮らすのは……と。





迷っていると、チビたちが2人声をそろえて言う。



「姉様は私が守る!」
「姉様は俺が守る!」




そう叫んだのは、悠奈のすぐ下の瑠花と晶だった。




「お前たち、本当に悠奈を守れるのか?」
「父さん?」
「守るというのは、簡単に見えて難しいんだぞ?」





チビたちは親父の言いたい事を理解したかはわからんがそれでも悠奈をどこにもやるなということを言っていた。




悠奈は1ヶ月して退院した。
日常生活が送れるようになるまで2カ月はかかった。
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