上 下
48 / 177
No.04

~結城と悠奈・後編⑭~

しおりを挟む
「悠奈……」
「優里、ごめん……」



2年前のことを話し終えた私は気が付けば涙が流れていた。



「まだ、生徒会長の事好きなんだね……」
「うん。好き、だよ……でも」
「ねっ私に協力させてよ!」
「はっ?何するの?」
「秘密ー」



そう優里は言った。
一体何するつもりなんだろう?


そして学園祭が終わりがしばらくすると期末テストがやってくる。



「う゛ーんっっ」
「悠奈、本当に数学苦手だよね?」
「今まではあすかや沙羅ちゃんが教えてくれてたからねー」
「あすか?」
「うん。A組にいるじゃない?如月あすかって」
「如月君って悠奈の知り合い?」
「幼なじみだよ」
「悠奈が……その……」



私は優里に勉強教わっていた。
だって私数学苦手だもん。
そして優里が聞きたいことに気づいた私は言った。



「あすか、知っているよ?でも何も言わないよ」



あすかは私が結城さんと付き合ってたのも知ってる。
でも何も言わない。




とそこへ、噂のあすかが入ってきた。




「悠奈ちゃん?」
「あすか!あっ、優里!これが如月あすか」
「悠奈ちゃんの友達?」
「そうだよ、はじめまして!私は星野優里。よろしくね如月君」
「あすかでいいよ!みんな俺をあすかって呼ぶし」
「わかった。ね、あすか君はさ、悠奈と生徒会長のことどう思う?」
「どうって、そうだね。悠奈ちゃんへの気持ちに偽りはないね。いい人ぽいし」
「悠奈の彼氏が生徒会長じゃ役不足?」
「ううん。悠奈ちゃんには結城さんのような人がいいんだよ。悔しいけど」
「あすか、生徒会は?」
「テスト前だから休み」
「私たちも帰るけど、あすかは?」
「俺も帰る!待ってて!荷物取ってくるから」
「うん」



あすかが荷物を取りに行ったあと優里が訪ねてきた。




「ね、あすか君って悠奈が好きなんじゃないの?」



優里てば、なんて鋭いの……。
そう優里の言うとおり、あすかは私が好きみたいなんだ。



「うん。そうだよ!結城さんの元からいなくなってからあすかに告白されたけど」
「断ったんだ?仕方ないよね!」



そして、私達は雑談しながら帰って行った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

ずぶ濡れで帰ったら置き手紙がありました

宵闇 月
恋愛
雨に降られてずぶ濡れで帰ったら同棲していた彼氏からの置き手紙がありーー 私の何がダメだったの? ずぶ濡れシリーズ第二弾です。 ※ 最後まで書き終えてます。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

君の浮気にはエロいお仕置きで済ませてあげるよ

サドラ
恋愛
浮気された主人公。主人公の彼女は学校の先輩と浮気したのだ。許せない主人公は、彼女にお仕置きすることを思いつく。

見知らぬ男に監禁されています

月鳴
恋愛
悪夢はある日突然訪れた。どこにでもいるような普通の女子大生だった私は、見知らぬ男に攫われ、その日から人生が一転する。 ――どうしてこんなことになったのだろう。その問いに答えるものは誰もいない。 メリバ風味のバッドエンドです。 2023.3.31 ifストーリー追加

「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」

サイコちゃん
恋愛
実家に妊娠を知らせた途端、妹からお腹の子をくれと言われた。姉であるイヴェットは自分の持ち物や恋人をいつも妹に奪われてきた。しかし赤ん坊をくれというのはあまりに酷過ぎる。そのことを夫に相談すると、彼は「良かったね! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」と言い放った。妹と両親が異常であることを伝えても、夫は理解を示してくれない。やがて夫婦は離婚してイヴェットはひとり苦境へ立ち向かうことになったが、“医術と魔術の天才”である治療人アランが彼女に味方して――

俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。

ねんごろ
恋愛
 主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。  その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……  毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。 ※他サイトで連載していた作品です

【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜

なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」  静寂をかき消す、衛兵の報告。  瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。  コリウス王国の国王––レオン・コリウス。  彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。 「構わん」……と。  周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。  これは……彼が望んだ結末であるからだ。  しかし彼は知らない。  この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。  王妃セレリナ。  彼女に消えて欲しかったのは……  いったい誰か?    ◇◇◇  序盤はシリアスです。  楽しんでいただけるとうれしいです。    

処理中です...