アーマード勇者育成記 産業革命遺産チート! 世界観ガン無視完全無敵の俺が無双する件 剣と魔法?よろしいならばこちらは強化外骨格だ。

からくり8

文字の大きさ
上 下
32 / 151

第32話 魔術大会予選開始

しおりを挟む
 大会当日の朝になり、俺達は朝食をとるためリーメルの喫茶店ヘ来ている。店内を見渡すと客席はほぼ冒険者で埋まっていた。カウンター方へ歩いていき、リーメルに挨拶する。

「よう、おはようさん。全員大会参加者か? 流石に多いな」
「当たり前でしょ? この時期にルギームにいるってことはそういう事よ」
「ほ~ん。ま、どうでもええわ。それより朝食いつもの3人前ね」
「わかったわ。空いてる席へどうぞ」

 俺はカウンターから離れ、丁度いい空席を見つけるとアーサーとエルを呼ぶ。

「アーサー! エル! こっち丁度空いてるぞ! 早く座れ! 席がなくなっちまうぞ!」
「ハイ! お師匠様! ありがとうございます!」
「ありがと」
「さぁて、大会の規模やばそうだよな。ここにいる全員敵とはな。そうだ、エルお前この街の出身なんだから大会のルールとか頭に入ってるだろ?」
「予選は……バトルロワイヤル……形式で行われる。大会開始前にワッペン……みたいなのが貰えるんだけど、それをより多く手に入れた者が予選を通過……できるの。ワッペンはチームの証にもなってて、チームの片割れがワッ………ペンを奪われたら……チームは強制的に失格になる。だった……筈」
「ふーん、参加者めちゃくちゃ多いもんな。そりゃそうなるか。ワッペンは何処で貰えるんだ?」
「冒険……者ギルドで一緒に水……晶に触るの。それ……で同じ色のワッペンが貰える」
「え? 今から? それだいぶ時間掛かるんじゃ?」
「一緒に触れ……るだけだから、すぐ終わる」

 エルからあらかた情報を聞いたところで、リーメルが朝食を運んできた。

「ハイ、おまちどー。あんたホントに優勝するつもりでいるの?」
「当たり前だろ? この国にいる奴等なんぞ、俺からみれば雑兵の集まりよ」
「大した自信家ね。流石、タブーを思いっきり口に出す事あるわ」
「ゲ……インの強さは……本物。私も強力な魔法を幾つか教えてもらった」
「冗談でしょ?」

 リーメルはエルの顔を見て、驚愕の表情を浮かべる。

「どんだけお前、俺の事ビッグマウスだと思ってたんだ。流石にちょっとショックだぞ」
「いや、頭のおかしい狂人だと思ってた。ごめん」
「余計ひどいやんけ!」

 そんなこんなで朝食を終え、俺達はリーメルの喫茶店を出ようとしたところリーメルに呼び止められる。

「ちょっと待って、いい? エルに何かあったら許さないわよ? 私も一応魔術師の端くれ。もし、怪我でもさせたら貴方を呪い殺すわ」
「怖いなぁ~。大丈夫だって安心しろよ。怪我なんて一切させねぇから」

 俺はリーメルの喫茶店を出るとエルの後について行き、ルギームの冒険者ギルドへ向かう。暫く歩き冒険者ギルドへ着くと凄い人だかりが出来ていたが、エルの言う通りあっという間に消化され、俺達の番がやってきた。ご多分に漏れずルギームの受付嬢も中々の美人さんだ。ウェーブが掛かったショートカットに、大きめの眼鏡がよく似合っている。

「ようこそ、ルギームの冒険者ギルドへ。どうなさいました?」
「魔術大会へ参加したのですが」
「それでしたら、卓上にございます水晶を一緒に参加する人と、同時に触れば登録完了です」

 俺は、エルと同時に水晶へ触る。すると、水晶が紫に光りワッペンの様なものがローブの胸の辺りに張り付いていた。

「おめでとうございます。無事登録完了したようですね。他に何か御用はございますか?」
「えっと、予選はバトルロワイヤルって聞いたんですけど、戦闘はどんな場所で行われるんですか?」
「予選のバトルフィールドはこの国そのものです。一般人には一切攻撃が効きませんので、ご安心下さい。その為のワッペンでもあります」
「へぇ~、わかりました。ありがとうございます」
「私の名はシェイと申します。何かあたらお呼びください。ではご武運を」

 俺達は受付嬢のシェイさんに、軽く会釈しギルドを出る。すると頭の中に声が響く。

《遂にやってまいりましたー! 5年に一度の祭典魔術大会! 私は、実況解説のギルと申しまーす! さぁ! 準備は良いですかー!? 間もなく予選が始まりまーす! 予選はバトルロワイヤルでーす! 参加者はランダムに選出され、この街全体で闘って頂きまーす! ワッペンを奪われたらその時点で失格となりまーす!殺して奪うもよし! 半殺しにして奪うもよし! 痛い目を見たくなければサレンダーも可能でーす! 尚、死んでしまった場合は完全に自己責任となります! ご注意下さーい! では、第197回魔術大会! 開始ーッ!!》

 何かとんでもなく無責任な台詞が聞こえ、エルに聞こうと思った途端足元に魔法陣が現れ、俺とエルは離ればなれになってしまうのだった。
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

World of Fantasia

神代 コウ
ファンタジー
ゲームでファンタジーをするのではなく、人がファンタジーできる世界、それがWorld of Fantasia(ワールド オブ ファンタジア)通称WoF。 世界のアクティブユーザー数が3000万人を超える人気VR MMO RPG。 圧倒的な自由度と多彩なクラス、そして成長し続けるNPC達のAI技術。 そこにはまるでファンタジーの世界で、新たな人生を送っているかのような感覚にすらなる魅力がある。 現実の世界で迷い・躓き・無駄な時間を過ごしてきた慎(しん)はゲーム中、あるバグに遭遇し気絶してしまう。彼はゲームの世界と現実の世界を行き来できるようになっていた。 2つの世界を行き来できる人物を狙う者。現実の世界に現れるゲームのモンスター。 世界的人気作WoFに起きている問題を探る、ユーザー達のファンタジア、ここに開演。

おっさんの異世界建国記

なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

処理中です...