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第28話 俺、宝物庫へ行く
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エルの友人、リーメルからあと2週間程で魔術大会がある事と、1位になれば何でも願いが叶うという情報を手に入れ、俺はホームへと戻り作戦をたてる事にした。
「う~ん、なるほど。だから門番というか、門にいた奴等皆ピリピリしてたのか」
「ごめ……ん、ゲインずっと……離れ……てたから、忘……れてた。怒って……る?」
エルが俺に頭を下げる。俺はアームの外格を解除し、素手が露わになったの確認すると、エルの頭を少し乱暴にガシガシとなでる。
「何言ってんだ。お前のおかげで大賢者へ近づくこれ以上ない方法が見つかったんじゃないか。俺はお前に感謝こそすれ、怒るなんてとんでもない」
俺はエルの頭から手を離すと、鋼鉄の手へと戻る。
「魔術大会はお前と一緒に出るつもりだからよろしくな」
「うん!」
「お師匠様、僕はどうすれば?」
エントランスの隣にある、バーでジュースを飲んでいたアーサーが戻ってきていた。俺はアーサーの肩に両手を置く。
「お前も知ってるだろうが、大会まであと2週間ちょっとしかないんだ。流石の俺もちょっと時間が足りない。悪いがアーサー、今回ばかりはお前はお留守番だ。客として観戦してくれ」
目に見えてショボーンとするアーサー。
「そうですよね。僕ほぼ使える魔法なんて持ってませんから頑張って下さい! 応援しています」
「すまないな。その代わり新しい装備をやるから許してくれ」
「新しい装備!! 今度は何を頂けるですか!?」
「そうだなぁ、エルには指輪あげたし、お前には腕輪なんてどうだ? ちょっくら、宝物庫行って取ってくるよ」
俺は、エントランスの隅にある真っ黒な扉を開く。すると地下へと続く長い階段が現れた。光源はなく、暗闇が一切を支配している。俺が階段に足を踏み入れるとアルテミスが気を利かしてくれたのか、ひとりでに暗視モードへと切り替わり、硬い煉瓦で出来たかの様な壁を左手でさすりながらゆっくりと降りる。暫く降りていると2つ目の黒い扉の前に俺は立つ。すると、どこからともなく声が聞こえてくる。
「この宝物庫の前に立つ者は誰ぞ?」
「ゲインだ。宝物庫を、開けてもらいたい」
「……あの、すいませんゲイン様、一応規則ですので合言葉言ってもらってもよろしいでしょうか?」
「ハァ……わかった」
「ゲインの飯は?」
「クソ不味い」
俺が合言葉を言うと扉が、ゆっくりと開いた。
「お久しぶりです、ゲイン様。今日はどの様なご用件で?」
「タートル久しぶり。今日は【七星界王の腕輪】を取りにきた」
「少々お待ちください。今取ってまいります」
この宝物庫は俺のギルメンが『せっかく、絢爛豪華なギルドルームなのに、宝物庫ないのっておかしくね?』という謎のこだわりにより、勝手に作られたものだ。作っちゃったのなら利用しない手はないと皆インベントリに放置していたアイテム、武器、装備を片っ端からこの宝物庫へぶち込んだのだ。今でも膨大な数のアイテムがこの中で眠っている。また別のグルメンが『いちいち自分で探して取り出すの面倒だから、管理用のアバター入れといた』と言ってこれまた勝手に設置されたのが、タートルである。2足歩行で歩き、眼鏡を掛け、無駄に長い白髪の顎鬚を三つ編みにしているのがチャームポイント……らしい。
「こちらでございます。どうぞ、お受け取り下さい」
「ありがとう、タートル。」
俺がタートルから受け取ったアイテムは、金色で出来た大きめの腕輪に7つの勾玉が嵌っているアクセサリーだ。
「うん、確かに。でも、良いんだろうか? 幾ら俺がギルドリーダーだからと言って、仲間達が集めた装備を勝手に取り出してしまって」
「何を仰る。道具や装備は使われてこそです。何があったかは存じませんが、きっとこの装備をお預けになったデコトラ野朗様も使ってくれと、言ったことでしょう」
「あ、これデコトラ野朗さんのなんだ。確かに、あの人なら良いよ良いよ使ってくれって言いそう」
「他にご用件は?」
「いや、もうない。ありがとう。また来るよ」
「左様でございますか。では」
そうタートルが言うと、宝物庫の扉はゆっくりと閉まっていき完全に閉じたのを確認すると、俺はエントランスへと戻っていく。
「ふぅ、待たせたなアーサー。これがお前にやる【七星界王の腕輪】だ。全属性の耐性を90%アップと物理防御50%アップのスキルが付いてる」
「お師匠様! ありがとうございます! 大切にします!」
アーサーの件が一段落付いた為エルを呼ぶ。
「エルにアーサーもちょっと一緒に来てくれ」
「何……? ゲイン?」
「何でしょうか? お師匠様?」
「今から地下のコロッセオでエル、お前に新しい魔法スキルを覚えて貰うぞ。アーサーも参考になると思うから、見に来い」
「「コロッセオ!?」」
シンクロした2人に苦笑しつつ、俺はコロッセオへと続く螺旋階段を降りて行く。
「お師匠様、待って下さい~」
「私……も、おいて……かないで!」
「う~ん、なるほど。だから門番というか、門にいた奴等皆ピリピリしてたのか」
「ごめ……ん、ゲインずっと……離れ……てたから、忘……れてた。怒って……る?」
エルが俺に頭を下げる。俺はアームの外格を解除し、素手が露わになったの確認すると、エルの頭を少し乱暴にガシガシとなでる。
「何言ってんだ。お前のおかげで大賢者へ近づくこれ以上ない方法が見つかったんじゃないか。俺はお前に感謝こそすれ、怒るなんてとんでもない」
俺はエルの頭から手を離すと、鋼鉄の手へと戻る。
「魔術大会はお前と一緒に出るつもりだからよろしくな」
「うん!」
「お師匠様、僕はどうすれば?」
エントランスの隣にある、バーでジュースを飲んでいたアーサーが戻ってきていた。俺はアーサーの肩に両手を置く。
「お前も知ってるだろうが、大会まであと2週間ちょっとしかないんだ。流石の俺もちょっと時間が足りない。悪いがアーサー、今回ばかりはお前はお留守番だ。客として観戦してくれ」
目に見えてショボーンとするアーサー。
「そうですよね。僕ほぼ使える魔法なんて持ってませんから頑張って下さい! 応援しています」
「すまないな。その代わり新しい装備をやるから許してくれ」
「新しい装備!! 今度は何を頂けるですか!?」
「そうだなぁ、エルには指輪あげたし、お前には腕輪なんてどうだ? ちょっくら、宝物庫行って取ってくるよ」
俺は、エントランスの隅にある真っ黒な扉を開く。すると地下へと続く長い階段が現れた。光源はなく、暗闇が一切を支配している。俺が階段に足を踏み入れるとアルテミスが気を利かしてくれたのか、ひとりでに暗視モードへと切り替わり、硬い煉瓦で出来たかの様な壁を左手でさすりながらゆっくりと降りる。暫く降りていると2つ目の黒い扉の前に俺は立つ。すると、どこからともなく声が聞こえてくる。
「この宝物庫の前に立つ者は誰ぞ?」
「ゲインだ。宝物庫を、開けてもらいたい」
「……あの、すいませんゲイン様、一応規則ですので合言葉言ってもらってもよろしいでしょうか?」
「ハァ……わかった」
「ゲインの飯は?」
「クソ不味い」
俺が合言葉を言うと扉が、ゆっくりと開いた。
「お久しぶりです、ゲイン様。今日はどの様なご用件で?」
「タートル久しぶり。今日は【七星界王の腕輪】を取りにきた」
「少々お待ちください。今取ってまいります」
この宝物庫は俺のギルメンが『せっかく、絢爛豪華なギルドルームなのに、宝物庫ないのっておかしくね?』という謎のこだわりにより、勝手に作られたものだ。作っちゃったのなら利用しない手はないと皆インベントリに放置していたアイテム、武器、装備を片っ端からこの宝物庫へぶち込んだのだ。今でも膨大な数のアイテムがこの中で眠っている。また別のグルメンが『いちいち自分で探して取り出すの面倒だから、管理用のアバター入れといた』と言ってこれまた勝手に設置されたのが、タートルである。2足歩行で歩き、眼鏡を掛け、無駄に長い白髪の顎鬚を三つ編みにしているのがチャームポイント……らしい。
「こちらでございます。どうぞ、お受け取り下さい」
「ありがとう、タートル。」
俺がタートルから受け取ったアイテムは、金色で出来た大きめの腕輪に7つの勾玉が嵌っているアクセサリーだ。
「うん、確かに。でも、良いんだろうか? 幾ら俺がギルドリーダーだからと言って、仲間達が集めた装備を勝手に取り出してしまって」
「何を仰る。道具や装備は使われてこそです。何があったかは存じませんが、きっとこの装備をお預けになったデコトラ野朗様も使ってくれと、言ったことでしょう」
「あ、これデコトラ野朗さんのなんだ。確かに、あの人なら良いよ良いよ使ってくれって言いそう」
「他にご用件は?」
「いや、もうない。ありがとう。また来るよ」
「左様でございますか。では」
そうタートルが言うと、宝物庫の扉はゆっくりと閉まっていき完全に閉じたのを確認すると、俺はエントランスへと戻っていく。
「ふぅ、待たせたなアーサー。これがお前にやる【七星界王の腕輪】だ。全属性の耐性を90%アップと物理防御50%アップのスキルが付いてる」
「お師匠様! ありがとうございます! 大切にします!」
アーサーの件が一段落付いた為エルを呼ぶ。
「エルにアーサーもちょっと一緒に来てくれ」
「何……? ゲイン?」
「何でしょうか? お師匠様?」
「今から地下のコロッセオでエル、お前に新しい魔法スキルを覚えて貰うぞ。アーサーも参考になると思うから、見に来い」
「「コロッセオ!?」」
シンクロした2人に苦笑しつつ、俺はコロッセオへと続く螺旋階段を降りて行く。
「お師匠様、待って下さい~」
「私……も、おいて……かないで!」
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