アーマード勇者育成記 産業革命遺産チート! 世界観ガン無視完全無敵の俺が無双する件 剣と魔法?よろしいならばこちらは強化外骨格だ。

からくり8

文字の大きさ
上 下
19 / 151

第19話 俺、パーティに誘われる

しおりを挟む
宿屋へ戻り女将さんオススメの魚料理に舌鼓を打つ、俺とアーサー。

 このあとどの技をアーサーに習得させるか、舌顎を人差し指と親指でさすりつつ考えていると、不意に後ろから肩を叩かれ、俺が振り向くとそこには見知らぬ剣士と盗賊の男達がいた。

「あの、ぶしつけで申し訳ないのですが、隣宜しいでしょうか?」

 長い横1列のカウンター席に俺とアーサーは座っており、俺の左隣にアーサー右隣は空席となっている。特に断る理由も無い為俺は了承する事にした。

「どうぞ、全然構いませんよ」

 剣士は俺の隣へと座り、盗賊の男は少し離れた柱に凭もたれ掛かっている。

「私の名はノイル。あそこの柱に立っているのは私のパーティ仲間であるイルゾールです」

 柱の男を見るとクイッと軽く首を縦に振り挨拶して来た為、こちらも同じ様に返す。

 俺がノイルへ目線を戻すと、申し訳なさそうにノイルは喋りだした。

「実は……その、貴方はとてもお強いですよね? 例のダンジョンで、そちらのお弟子さんとの修行をイルゾールが拝見したようでして、是非うちのパーティに参加して貰えないかなぁ……と」
 「いやぁ、恥ずかしいなぁ」

 何故か、アーサーが照れているが無視する。

「ダンジョンを出る少し前だが、誰かが俺達を監視していたのは気付いてた」
(気付いたのはネメシスだけど)
「そんな……今まで誰にも気付かれた事ないのに……」

 余程の衝撃なのか、盗賊は目見開き口をへの字に曲げ、凭れていた柱をズルズルと腰が落ちていき、そのまま尻もちを着いてしまった。

「で? 本題は?」
「2階に別室があります。本題はそこで」

 ノイルが立ち上がりその後をイルゾールがついて行った為、俺達も立ち上がり2階の別室へと向かう。
 部屋へ入るとノイル、イルゾールの他にも3人いた。
 大きな丸い机に女性2人に男性1人が椅子に座ったままの姿勢で俺の顔を見ている。

 先ず目に入ったのは、翠色のフワリとしたショートカットの魔術師だ。青黒い中々年期の入ったローブを着込み、金色の宝珠が埋め込まれた杖を大事そうに持っている。

 かたや、もう一人の女性はとても長い金髪ストレートの髪に、胸元が少し空いた真っ白なローブを着込んでいる。壁に立てかけたメイスが彼女の武器だろう。恐らくヒーラーだろうと思った。 最後に右斜めに、座っている短めの頭髪に頬にデカイ傷がある体長2メートルはゆうに超える大男だ。後に同じくらいデカく頑丈そうな大盾がある。タンク職のシールダーで間違いないだろう。

「どうぞ、座って下さい」

 俺とアーサーは開いている席へと座る。

「どうも、ゲインと言います。こっちの連れはアーサーです」

 俺は軽くアーサーを含め、自己紹介する。すると、大男が口を開いた

「おい、ノイルこいつ本当に大丈夫なのか?」
「イルゾールから聞いた話だと凄まじい強さらしい」

 大男は眉間にシワを寄せ頭をガシガシと掻きながら、俺を睨みつける

「こいつの甲冑には一切傷が見当たらねぇ。どんなに手練だろうが、装備に傷1つねぇなんて有り得ねぇ。俺は反対だね」

 アーサーが口出ししようとした為手で俺は遮る。

「アンタの言う通りだ。だが、俺の装備はちょっと特別性でね、そんじょそこらの攻撃じゃ傷1つ付かないだよ」
「なんだとぉ! この若造が!」

 大男が身を乗り出し、俺につっかろうと近づいて来た。もう数センチというとこで、ガタリという音が聞こえそっちを見ると、魔術師の女の子が立ち上がっており、カタカタと体を震わせながら俺を見ている。

「やめて! ガニー! その人が、本気出したら、貴方いえ、ここにいる私達全員、一瞬であの世行きよ! 私……相手のステータスを目で見る事でわかるスキルあるの知ってるでしょ!? この人のステータス何もわからないの! 手練れとかそういう次元じゃないのよ……お願いだからやめて」

 パーティメンバー全員が目に涙を浮かべている魔術師の女の子を見て静止している。

「エ……エルメンテがそこまで言うなら……マジなんだろうな。元から殴る気なんてなかったさ。ちょっと、試したかっただけだ」

 ガニーと呼ばれた大男は席へと戻る。それを見届けたノイルが口を開く。

「じゃ、じゃあ改めて自己紹介を。私はこのパーティ【永劫の探求者】リーダーノイル。そして、右から前衛並びに情報収集やサポート担当のイルゾール、中衛回復担当にニーピア、後衛担当のエルメンテ、そして最後に前衛の壁役ガニー以上5人パーティです」

「パーティメンバーの構成はわかった。で? 俺達に何をさせたいんだ? 俺達が仮にお前等のパーティに入るとバランスが崩れるんじゃないか?」


 俺は素直な疑問をノイルへ投げかける。

 実に模範的なパーティ構成だったからだ。俺達がこのパーティへ入ってしまうと前衛過多になってしまい、中後衛の仕事量が増え、結果的にパーティ全体の弱体化を招くのだ。


「流石、仰る通りです。しかし、今の私達では最下層のダンジョンの主、リヴァイアサンに勝つことが出来ないのです」


 リヴァイアサンと聞き、俺は1つのアイテムを思い浮かべる


「エリクサーか」


 俺がそうぼやくとノイルの顔付きが変わり、俺に縋り付いてきた。


「ご存知なのですか!? リヴァイアサンの鱗がエリクサーの材料なのを!? お願いします! 私にはもう時間がないんです!! 妹をどうか!! どうかお願いします!!」

「落ち着け。あんたの妹は、何か病に掛かっているのか?」


 俺の質問に涙を拭い、ノイルはゆっくりと語りだした。


「はい、妹は7年ほど前、石化病を患ったのです。ありとあらゆる治療を試しましたが、一切に効かず途方に暮れていたある日、どんな病気も治るエリクサーという薬が存在しているのを知りました。私は血眼になって材料探し集め、遂にあと1つという所まで来ました。冒険者となったのは元々名声を高めんが為ですが、今は妹を助けるという目的のみで動いています」

「その最後の材料がリヴァイアサンの鱗って訳か」

「はい。その通りです」


 リヴァイアサンは巨大な蛸と蛇が合体した様な魔物であり、その巨大な体積活かしたリーチの長さや毒のブレスこそ脅威だが非常にわかりやすい弱点があった。


「リヴァイアサンは雷属性の技に滅法弱い。雷属性の技なら魔法だろうが攻撃スキルだろうが簡単に仕留められる筈だ」


 ノイルの表情が暗くなる。


「私達のパーティに雷属性のスキルを持つ者は……いません」

「なるほど。色々わかったよ。アーサーどうする?」


 アーサーはいつもみたく元気に答える。


「困っている人を見過ごすなど、出来るわけがありません!」

「って、勇者様が言ってるから、従者の俺は従うよ」

「「「「「勇者!?」」」」」


 声が綺麗にハモり、俺は苦笑する。


「悪いが、3時間だけくれ。アーサーに新しい技を覚えさせる」

「新しい技!? やった! お師匠様! 今度はどんな技を教えて頂けるんですか?」

「「「「「従者なのに勇者のお師匠様!?」」」」」
「忙しい人達ですね」

 ネメシスが小声でツッコミを入れる

 「とりあえず、今からダンジョンの1階層で技を伝授するから3時間経ったら来てくれ」

 俺とアーサーは部屋を出て女将さんに挨拶し、再びダンジョンへと向かった。
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

加護とスキルでチートな異世界生活

どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!? 目を覚ますと真っ白い世界にいた! そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する! そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる 初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです ノベルバ様にも公開しております。 ※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...