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第4話 俺、驚愕の事実を知る
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「騎士様! 村と娘を救っていただき、本当にありがとうございます!」
世紀末盗賊団を打倒した俺は、縛られていた村民達を開放し傷を癒やすと、村長が急に地べたに頭を擦りつけた為、目を白黒させた。
「いや、偶然通りかかっただけですから頭をあげて」
「是非、我が家へ! お約束通りお礼なら何でも致します!」
「ん? 今なんでもするって――」
「ゲイン様、ふざけている場合ではございません」
冗談の効かない超高性能AIネメシスちゃんがジト目になっておられる
「ゲフンゲフン、情報を頂ければそれで結構ですよ」
村長の部屋にて。
「騎士様、情報と言われましても……近くの街へ行く道筋位しか」
「大いに結構です。あとこの金貨なんですが使えますか?」
「これは……少々お待ち下さい」
そう言うと村長は奥の本棚へと消えていった。
「ネメシスさっきの反応をどう思う?」
「何やら見覚えがある様に見受けられます」
「……ここはハガセンの世界ではないはずだ。そもそも、ハガセンにこんな村――というかイベントはなかったはず」
そう言うとほぼ同時に村長が1冊の本を持って戻ってきた。
「待たせてしまって申し訳ございません、なかなか本が見つかりませんでしたので。騎士様がお持ちになっていた金貨ですが、3000年程前まで流通していたメイタリオ金貨ですな。現在はほとんど流通しておりません」
衝撃の一言が村長が発せられた。
メイタリオとはハガセンの世界の呼称である。という事は、この世界はそっくりどころか、ハガセンの未来なのだろうか?
「な……なんだって?」
「……」
ネメシスはただ目を伏せ、何かを考えてるようだった。
「メイタリオは3000年程前、繁栄を極めていたが、突如として崩壊したと言われております」
「一体……どういう事なんだ?」
ずっと黙っていたネメシスが口を開く。
「推察致しますに、この世界はハガセンの世界であって、ハガセンの世界ではないという事では?」
ネメシスが哲学的な事を言っているが、俺はショックで理解するのを拒否した。
「あの、俺のジョブは騎士じゃなくてフルメタラーって言うんだけど、勿論知ってるよね?」
「申し訳ございません。私は冒険者ではございませんので、その辺の知識には疎くて」
「そ……そう」
「ここでこうしていてもらちが明きません。最寄りの街までの地図を見せてもらい、街へ行く事を推薦します」
ネメシスの提案に俺は我に返る。
「そうだな。そうしよう」
地図を見せて貰らい、ネメシスが最短距離ルートを割り出す。
「とりあえずお世話になりました」
「何をおっしゃいます!? 命の恩人に対して大したお礼も出来ず申し訳ありません!」
「いやいや、良いですからホントに。ではさようなら!」
世紀末盗賊団を打倒した俺は、縛られていた村民達を開放し傷を癒やすと、村長が急に地べたに頭を擦りつけた為、目を白黒させた。
「いや、偶然通りかかっただけですから頭をあげて」
「是非、我が家へ! お約束通りお礼なら何でも致します!」
「ん? 今なんでもするって――」
「ゲイン様、ふざけている場合ではございません」
冗談の効かない超高性能AIネメシスちゃんがジト目になっておられる
「ゲフンゲフン、情報を頂ければそれで結構ですよ」
村長の部屋にて。
「騎士様、情報と言われましても……近くの街へ行く道筋位しか」
「大いに結構です。あとこの金貨なんですが使えますか?」
「これは……少々お待ち下さい」
そう言うと村長は奥の本棚へと消えていった。
「ネメシスさっきの反応をどう思う?」
「何やら見覚えがある様に見受けられます」
「……ここはハガセンの世界ではないはずだ。そもそも、ハガセンにこんな村――というかイベントはなかったはず」
そう言うとほぼ同時に村長が1冊の本を持って戻ってきた。
「待たせてしまって申し訳ございません、なかなか本が見つかりませんでしたので。騎士様がお持ちになっていた金貨ですが、3000年程前まで流通していたメイタリオ金貨ですな。現在はほとんど流通しておりません」
衝撃の一言が村長が発せられた。
メイタリオとはハガセンの世界の呼称である。という事は、この世界はそっくりどころか、ハガセンの未来なのだろうか?
「な……なんだって?」
「……」
ネメシスはただ目を伏せ、何かを考えてるようだった。
「メイタリオは3000年程前、繁栄を極めていたが、突如として崩壊したと言われております」
「一体……どういう事なんだ?」
ずっと黙っていたネメシスが口を開く。
「推察致しますに、この世界はハガセンの世界であって、ハガセンの世界ではないという事では?」
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「そうだな。そうしよう」
地図を見せて貰らい、ネメシスが最短距離ルートを割り出す。
「とりあえずお世話になりました」
「何をおっしゃいます!? 命の恩人に対して大したお礼も出来ず申し訳ありません!」
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