追放された暗殺者は田舎でスローライフしていたらいつの間にか英雄になってました

7

それから一週間が経った頃、村の周辺で異変が起こった。魔物が村の近くに現れ始めたのだ。幸いにも村に被害はなかったが、このままでは危ないかもしれないということで討伐隊が組織されることになった。そのリーダーに選ばれたのは俺だった……。


「守人様がいれば安心ですね！」


村人たちが俺を褒め称える。俺はなんとも言えない気持ちだった。


「クロウ君、頑張ってね！」


フィーナが笑顔で言う。俺は軽く手を挙げてそれに答えた……。

討伐隊を引き連れて、村から少し離れた森へとやって来た。そこは多くの魔物の住処となっているようで、俺たちは警戒しながら進む。しばらく進んだところで、異変に気がついた。


「なんだこいつらは……」


俺が呟くように言うと、先頭にいた冒険者が答える。


「ダークウルフの群れだ」


その言葉通り、目の前から黒狼の群れが現れる。まるでこちらの動きを監視しているかのようだった。


「クロウ君、魔法で倒すの？」


「いや……ここは俺が出る」


そう言って俺は影刃を構える。すると、黒狼が一斉に襲いかかってきた！


「ハアッ！」


俺は気合とともに剣を振り下ろす。その瞬間、多くの黒狼の首が宙を舞った……。


「なっ……」


俺は次々と黒狼を斬り捨てていく。その光景に、討伐隊のメンバーたちは唖然としていた……。しばらくして、全ての黒狼が倒される。しかし……。


「気をつけろ！ まだ来るぞ！」


森の奥の方から大きな影が現れる。それは巨大なドラゴンだった……！


「グランドドラゴンか……！」


ドラゴンの鋭い爪が襲いかかる！


「影の型、四式【影盾】」


俺の周りに黒い盾のようなものが出現し、グランドドラゴンの爪を防いだ。そして俺は剣に影を纏わせ、そのままグランドドラゴンの体を斬り裂く！


「ギャアアアアッ！？」


グランドドラゴンは悲鳴を上げる。そしてそのまま地面に倒れこんだ。討伐隊のメンバーたちは呆然としている……。しかしすぐに我に返ったようだ。


「す、すごい……」


「さすが守人様！」


俺は彼らに告げる。


「このまま先に進もう」


森の中を突き進む。すると、魔物たちが襲いかかってきた！


「こいつらはゴーレムか……」


ゴーレムは主に土でできた人形のような魔物である。それが大量にいた。俺は影刃を何十本と出し、一斉に放つ！


「影の型、五式【影雨】」


凄まじい数の斬撃がゴーレムたちを襲う。そして一瞬で全てのゴーレムを破壊したのだった……。


「さすが守人様！」


「やっぱり守人様は最強だぜ！」


討伐隊のメンバーたちは、口々に褒め称えてくる。俺は少し照れ臭くなりながらも、先へ進むのだった……。


「さすがに疲れたな……」


俺は焚き火に当たりながら呟く。討伐隊のメンバーたちも、かなり疲弊しているようだ。


「クロウ君、お疲れ様です」


フィーナが俺に飲み物を渡してくれる。俺はそれを一気に飲み干した……。


「ありがとな……」


「えへへ……もっと飲んでいいからね！」


その後しばらく休憩してから、俺たちは再び歩き出したのだった……。