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翌日、私たちはエミリーの家に向かった。昨日見つけた『夢幻の花』についてもう少し詳しく調べたかったからだ。


「こんにちは、エミリーさん」


「あら、いらっしゃい」


出迎えてくれたエミリーは笑顔で私たちを迎え入れた。私たちはリビングの椅子に腰掛けると早速本題に入った。

まず初めに昨日の花のことを話すと、彼女は驚いたような表情を浮かべた後納得したように頷いた。


「やっぱりあれは『夢幻の花』だったようね」


私は身を乗り出して尋ねた。


「それ本当?どうやって調べるの?」


「簡単なことよ。夢幻の花にもう一度触れてみれば良いのよ」とエミリーは言った。私は首を傾げた。


「触れるだけでわかるんだ?」


「ええ、そうよ」とエミリーが頷く。


「じゃあ早速やってみよう!」と言って立ち上がった瞬間だった。突然視界がぐにゃりと歪んだかと思うと、目の前の風景が変わったのだ。驚いて辺りを見回すとそこは森の中だった。どうやら私たちはまた夢の中に入ってしまったらしい。


「ロザリンドちゃん!」


リリアンの声で我に返る。見ると彼女もまた同じ場所にいた。どうやら私たち二人だけではなくエミリーも一緒にいるようだ。


「二人とも、大丈夫?」とエミリーが心配そうに声をかけてくる。私たちは揃って頷いた。するとエミリーはホッとしたような表情を見せた後、真剣な表情で言った。


「いい? よく聞いてね」彼女は続けた。


「これから私の言う通りにしてちょうだい」


私は首を傾げた。どういうことだろう? 不思議そうな表情を浮かべる私に構わず、彼女は説明を始めた。


「まず、この森の中を真っ直ぐ進むのよ。そうすればきっと出口にたどり着くはずだわ」


私たちは言われた通りに歩き出した。エミリーの言う通り、しばらく歩くと森を抜けることができた。しかし、その先には崖が広がっており、それ以上先に進むことはできないようだった。


「ここから先は行けないみたい……」私が言うと、リリアンも頷いた。


「そうね……でも、この近くに何かがあるのは間違いないはずよ」とエミリーが言った。


「じゃあもう少し探してみない?」と私は提案した。すると、彼女も賛成してくれた。


「そうね、そうしましょう」


私たちは再び森の中へと足を踏み入れた。すると、そこには小さな湖があった。透き通るような水の中には美しい花が浮かんでいた。それを見た瞬間、私は確信した。これが『夢幻の花』だ! エミリーも私と同じように感じたようで、興奮気味に言った。


「ロザリンドちゃん、見て! あれが夢幻の花よ!」


「うん、間違いないよ! あれが『夢幻の花』なんだ!」


私たちは早速花に触れてみることにした。エミリーがそっと手を伸ばすと、花はそれに応えるように輝き始めた。やがて光が収まると、そこには小さな宝石のようなものが残されていた。それが『夢幻の花』なのだろう。私はそれを手に取ってみた。


「これが『夢幻の花』なのね……」とエミリーが呟いた。そして再び口を開くと言った。


「さあ、帰りましょう」


私たちは来た道を引き返すことにした。しばらく歩くと、光る穴のようなものが見えた。恐らくあれが出口なのだろう。


「やっと帰れるね!」私が言うと、エミリーもホッとしたような表情を見せた。


私たちは穴の中に飛び込んだ。そして気がつくと、そこはエミリーの部屋だった。どうやら戻ってこられたようだ。


「よかった……」とリリアンが安堵のため息をつく。私も同じ気持ちだ。本当に不思議な体験だったなぁ……と思っていると、エミリーが話しかけてきた。


「ロザリンドちゃん、リリアンさん、今日は付き合ってくれてありがとう」


「ううん! こっちこそ楽しかったよ」と私は答えた。


「私もよ。また一緒に冒険しましょうね」とリリアンは微笑んだ。エミリーも笑顔で頷いた後、言葉を続けた。


「それじゃあ、そろそろ帰りましょうか」


私たちはエミリーの家を後にした。帰り道の途中で、私はふと気になったことを尋ねてみた。


「ねぇ、エミリーさん」


「何? ロザリンドちゃん」と彼女は答えた。


「夢幻の花に触れた時ってどんな感じだった?」私が聞くと、エミリーはしばらく考え込んだ後口を開いた。


「……そうね……なんというか夢の中にいたような気分になるわね」とエミリーは答えた。


「そうなんだ! じゃあ私と同じだね!」と言って笑う私をエミリーは優しく見つめてくれたのだった。
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