転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています

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ある日のこと、私たちは山に遠足に行くことになりました。アリス様の提案で、みんなでお弁当を持って行くことにしたのです。


「どんなおかずがいいですか？」と私が尋ねると、彼女は笑顔で答えました。


「もちろん、クロエさんの手作り弁当よ！」


私は嬉しくなって早速準備に取り掛かりました。おにぎりに卵焼き、ウインナーなど定番のメニューを作りました。そして当日になると、みんな揃って山を登り始めます。


「いい景色ですね！」とアリス様が言いました。


「そうですね」と言いながら私は彼女の手を取りました。すると彼女は嬉しそうに微笑んでくれました。その笑顔を見ると私も幸せな気持ちになります。そして、私たちは頂上にたどり着きました。


「さあ、お昼にしましょう！」と言ってアリス様がシートを広げ始めました。みんなで座ってお弁当を広げると、みんなの目が輝き出しました。


「美味しそうですね！」とみんなが口々に言いました。私は笑顔で頷きながら言いました。


「たくさん食べてくださいね」そう言いながら私も箸を手に取ります。まずは卵焼きを口に運びました。すると優しい甘さが口の中に広がります。我ながら上手くできたなと思いながら次のおかずへ手を伸ばしました。次はおにぎりです。一口食べると中には梅干しが入っていてとても良い塩加減でした。


「美味しいです！」と言うと、みんなも喜んでくれました。


私たちはお弁当を食べながら、楽しい会話に花を咲かせました。アリス様は山についての興味深い話をしてくれて、みんなが聞き入っていました。彼女の話はいつも面白くて、時間があっという間に過ぎてしまいます。


「アリス様、山の話をもっと聞かせてください」と言うと、彼女は少し照れくさそうに笑いました。


「いいわよ、クロエさん。山にはたくさんの秘密があるのよ。例えば、この山の頂上には昔から伝わるお守りの石があるの」


「お守りの石？」と私は興味津々に聞き返しました。


「そう、その石に触れると願い事が叶うと言われているの。昔、村人たちはこの石にお願いして、豊作や健康を祈ったのよ」


「素敵なお話ですね」と言いながら、私はその石を見に行きたくなりました。


「よし、食事が終わったら、みんなでその石を見に行きましょう」


食事が終わると、私たちは片付けを済ませ、お守りの石を探しに出発しました。アリス様は先頭に立ち、私たちを導いてくれました。


「この先の小道を進んだところにあるはずよ」とアリス様は言いました。


私たちは木々の間を抜け、少しずつ山の奥へと進んでいきました。道中、鳥のさえずりや風の音が心地よく響き、自然の中にいることを実感しました。


「もうすぐだわ」とアリス様が言いました。


私たちはさらに歩を進め、やがて小さな祠が見えてきました。その祠の前には大きな石が置かれていました。それがアリス様の言っていたお守りの石です。


「これがその石です」とアリス様は微笑んで言いました。「さあ、みんなで触ってみましょう」


私たちは順番に石に触れ、それぞれが心の中で願い事をしました。石はひんやりとしていて、手に心地よい感触がありました。


「私は健康を願いました」と友人の一人が言いました。


「私は家族の幸せを願いました」と別の友人が続けました。


アリス様は微笑みながら私に目を向けました。「クロエさんは何を願いましたか？」


私は少し照れくさくなりながらも答えました。「私は、みんながずっと仲良く、幸せでいられますようにと願いました」


「素敵な願いですね」とアリス様は優しく言いました。


その後、私たちは祠の前で写真を撮ったり、周囲を散策したりして楽しい時間を過ごしました。自然の中で過ごすひとときは、日常の疲れを忘れさせてくれました。


「そろそろ帰りましょうか」とアリス様が提案しました。


「そうですね、またここに来るのを楽しみにしています」と私は答えました。


帰り道は、行きよりもずっと速く感じました。みんなで笑いながら、楽しかった一日のことを話し合い、思い出に浸りながら下山しました。


「また、みんなでどこかに行きたいですね」と友人の一人が言いました。


「そうね、次は海水浴にでも行こうかしら」とアリス様が微笑んで答えました。


下山し終えると、夕暮れの美しい光が山を照らしていました。私たちは名残惜しそうに山を後にしましたが、心の中には楽しい思い出がたくさん残りました。


「今日は本当に楽しかったです、アリス様」と私は言いました。


「私も、クロエさんと一緒に過ごせてとても嬉しかったわ」とアリス様は優しく答えました。


私たちはそれぞれの家に帰り、一日の疲れを癒すために早めに休むことにしました。その夜、私はアリス様や友人たちと過ごした楽しいひとときを思い出しながら、心地よい眠りにつきました。