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現実世界に戻って来た俺たちは飛行機に乗って、沖縄にやって来た。
「沖縄へようこそ! 楽しんでいってくださいね!」
飛行機のドアが開いた途端、空港のスタッフが元気よく挨拶をしてくれた。俺たちは軽く会釈をして歩き出す。すると背後から声が聞こえてきた。
「おーい! そこの兄ちゃんたち~! ちょっと寄っていかねぇか~?」
振り返るとそこには露店があった。店主らしき男が手招きをしている。俺が近づいていくと、男はニコニコしながら話しかけてきた。
「どうだい? うちの商品を見てってよ~」
見るとアクセサリーや置物などが置いてあるようだ。俺は興味を引かれて品物を手に取った。それは小さな龍の置物だった。
「これは魔道具ですか?」
「何だいそりゃ?」
アルシャの質問に店主が首を傾ける。
「ここは異世界じゃないぞ」
と俺はツッコミを入れた。
「あ、そうか……じゃあこれは何なのよ?」
すると店主は笑いながら答えた。
「それはただの置物だよ! まあ、お守りみたいなもんだと思ってくれ!」
アルシャは置物をしげしげと見つめる。どうやら気に入ったようだ。俺は店主にお金を払い、アルシャに買ってやった。
「ありがとうございます! ご主人様!」
嬉しそうに笑う彼女を見て思わず頬が緩んでしまう……。
「さて、次はどこに行こうか?」
俺はみんなに尋ねた。
「お腹空いた~! 何か食べたいわ」とタマモが言い出したので、俺たちは近くの飲食店に入った。
「いらっしゃいませ~! お好きな席にどうぞ!」
店員に案内されて席に着くと、メニュー表を開く。
「このソーキそばっていうの食べてみたいわ」
タマモは写真を指差す。すると店員がやってきた。
「ご注文はお決まりですか?」
俺たちはそれぞれ違う物を注文する。しばらくして運ばれてきたのは大きな器に入った沖縄そばだった。
「美味しそう!」とタマモが目を輝かせる。そして一口食べると幸せそうな顔をした。俺も続いて口に運ぶと、鰹節の香りが口いっぱいに広がるのを感じた。とても美味しい!
「ソーキというのは豚肉のことだ。沖縄ではよく食べられているらしいぞ」
リザが説明してくれた。タマモは納得した様子で頷く。
「へぇ……美味しいわね!」
満足そうな表情を浮かべながら、タマモはあっという間に完食してしまった。
「ふぅ、お腹いっぱいになったら眠くなっちゃったわ……」
タマモは欠伸をすると、そのままテーブルに突っ伏して眠ってしまった。
「まったくしょうがない奴だな」と言いつつ、俺は毛布をかけてやる。
「ご馳走様でした!」
アルシャが手を合わせるのを見て、俺も慌ててそれに倣った。会計を終えて店を出ると、俺たちは次の目的地へと向かった。次は水族館だ! 入口をくぐると薄暗い空間が広がっている。中へ進むと巨大な水槽が現れた。中には様々な魚たちが泳いでいる。
「わあ! 綺麗!」とアルシャが歓声を上げる。
リザも目を輝かせていた。タマモはというと、相変わらず爆睡している。俺は苦笑しながらも彼女の寝顔を眺めていた。すると突然、館内アナウンスが流れる。
「本日はご来館いただきありがとうございます。まもなくイルカショーが始まりますので是非ご覧ください」
俺たちは急いで会場へ向かった。席に座ると同時に、トレーナーが出てきた。そして軽快な音楽に合わせてイルカたちが泳ぎ始める。その華麗な動きに観客たちは拍手喝采を送った。
「すごい迫力だったわね!」
アルシャは興奮冷めやらぬといった様子で言った。リザもコクリと頷いている。俺も同感だった。水族館を出た後は、ホテルで一泊する事になった。
「明日はどこに行こうか?」
「そうねぇ……海に行ってみたいわ!」
「私も沖縄の海を泳いでみたいです!」
というわけで、明日は海水浴をする予定になった。その後、風呂に入ったり夕食を食べたりしている内に夜も更けていった。ベッドに潜り込むと、すぐに睡魔に襲われ眠りについた……。
「沖縄へようこそ! 楽しんでいってくださいね!」
飛行機のドアが開いた途端、空港のスタッフが元気よく挨拶をしてくれた。俺たちは軽く会釈をして歩き出す。すると背後から声が聞こえてきた。
「おーい! そこの兄ちゃんたち~! ちょっと寄っていかねぇか~?」
振り返るとそこには露店があった。店主らしき男が手招きをしている。俺が近づいていくと、男はニコニコしながら話しかけてきた。
「どうだい? うちの商品を見てってよ~」
見るとアクセサリーや置物などが置いてあるようだ。俺は興味を引かれて品物を手に取った。それは小さな龍の置物だった。
「これは魔道具ですか?」
「何だいそりゃ?」
アルシャの質問に店主が首を傾ける。
「ここは異世界じゃないぞ」
と俺はツッコミを入れた。
「あ、そうか……じゃあこれは何なのよ?」
すると店主は笑いながら答えた。
「それはただの置物だよ! まあ、お守りみたいなもんだと思ってくれ!」
アルシャは置物をしげしげと見つめる。どうやら気に入ったようだ。俺は店主にお金を払い、アルシャに買ってやった。
「ありがとうございます! ご主人様!」
嬉しそうに笑う彼女を見て思わず頬が緩んでしまう……。
「さて、次はどこに行こうか?」
俺はみんなに尋ねた。
「お腹空いた~! 何か食べたいわ」とタマモが言い出したので、俺たちは近くの飲食店に入った。
「いらっしゃいませ~! お好きな席にどうぞ!」
店員に案内されて席に着くと、メニュー表を開く。
「このソーキそばっていうの食べてみたいわ」
タマモは写真を指差す。すると店員がやってきた。
「ご注文はお決まりですか?」
俺たちはそれぞれ違う物を注文する。しばらくして運ばれてきたのは大きな器に入った沖縄そばだった。
「美味しそう!」とタマモが目を輝かせる。そして一口食べると幸せそうな顔をした。俺も続いて口に運ぶと、鰹節の香りが口いっぱいに広がるのを感じた。とても美味しい!
「ソーキというのは豚肉のことだ。沖縄ではよく食べられているらしいぞ」
リザが説明してくれた。タマモは納得した様子で頷く。
「へぇ……美味しいわね!」
満足そうな表情を浮かべながら、タマモはあっという間に完食してしまった。
「ふぅ、お腹いっぱいになったら眠くなっちゃったわ……」
タマモは欠伸をすると、そのままテーブルに突っ伏して眠ってしまった。
「まったくしょうがない奴だな」と言いつつ、俺は毛布をかけてやる。
「ご馳走様でした!」
アルシャが手を合わせるのを見て、俺も慌ててそれに倣った。会計を終えて店を出ると、俺たちは次の目的地へと向かった。次は水族館だ! 入口をくぐると薄暗い空間が広がっている。中へ進むと巨大な水槽が現れた。中には様々な魚たちが泳いでいる。
「わあ! 綺麗!」とアルシャが歓声を上げる。
リザも目を輝かせていた。タマモはというと、相変わらず爆睡している。俺は苦笑しながらも彼女の寝顔を眺めていた。すると突然、館内アナウンスが流れる。
「本日はご来館いただきありがとうございます。まもなくイルカショーが始まりますので是非ご覧ください」
俺たちは急いで会場へ向かった。席に座ると同時に、トレーナーが出てきた。そして軽快な音楽に合わせてイルカたちが泳ぎ始める。その華麗な動きに観客たちは拍手喝采を送った。
「すごい迫力だったわね!」
アルシャは興奮冷めやらぬといった様子で言った。リザもコクリと頷いている。俺も同感だった。水族館を出た後は、ホテルで一泊する事になった。
「明日はどこに行こうか?」
「そうねぇ……海に行ってみたいわ!」
「私も沖縄の海を泳いでみたいです!」
というわけで、明日は海水浴をする予定になった。その後、風呂に入ったり夕食を食べたりしている内に夜も更けていった。ベッドに潜り込むと、すぐに睡魔に襲われ眠りについた……。
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