上 下
20 / 30

20

しおりを挟む
翌日、現実世界に戻ってきた俺たちは、リバエルの服を買うため、ショッピングモールへとやってきた。


「わぁ! すごい!」


リバエルは目を輝かせながら周囲を見回している……まるで子供のようだ。そんな様子を見ていると微笑ましい気持ちになった。


「ねえ、ナオト! あれは何?」


彼女は興奮気味に聞いてくると、俺の手を引っ張ってくる。俺は苦笑しながら答えた。


「あれはゲームセンターだよ」


俺が答えると、彼女はさらに興味深そうに見つめていた。どうやら行ってみたいようだ。


「行ってみるか?」


「いいの!?」


リバエルは目を輝かせながら聞き返してきた。その様子を見ていると、思わず笑みがこぼれてくる。


(こういうところは普通の女の子と変わらないんだな……)


俺は苦笑しながら頷くと、彼女を連れて店内に入っていった。中へ入ると様々なゲームの音が飛び交っている……。


「あれは何?」


「ガンシューティングだよ。銃を持って、敵を撃つんだ」


リバエルは興味津々といった様子で見つめていると、突然目を輝かせた……。


「やってみたい!」


彼女は元気よく手を挙げると、受付へ向かった。そしてコインを投入すると、銃を手に取る。


「よし! 頑張るぞ!」


リバエルは気合いを入れると、銃を構えた。そして画面に映る敵を次々に撃ち抜いていく……その鮮やかな手つきに思わず見惚れてしまった。


(すごいな……)


俺は感嘆の声を上げると同時に、彼女の才能に感心していた。その後も次々と敵を倒していき、あっという間にクリアしてしまったようだ……。


「やったー!!」


彼女は嬉しそうに飛び跳ねると、俺に向かってVサインをしてきた。その姿はとても可愛らしくて微笑ましい気持ちになる。


「よく頑張ったな」


俺は微笑みながら彼女の頭を撫でた。するとリバエルは嬉しそうに目を細める……。


「次はあれをやってみたい!」


リバエルが指差したのはプリクラ機だった。俺は苦笑しながら頷くと、彼女と中に入っていった……。


「わぁ! すごい!!」


中に入るとリバエルは目を輝かせながら周囲を見回している。その様子を見ていると微笑ましくなった……。


(本当に子供みたいだな)


俺は苦笑しつつ、彼女の隣に立つとカメラの方を向いた。するとリバエルは俺に抱きついてきた……。


「ちょ、ちょっと!?」


突然の行動に動揺していると、リバエルは悪戯っぽく笑う。


「ほら、早く♪」


彼女は急かすように言ってきた。俺はため息をつきながらも、言われるがままにポーズを取る……。

そしてシャッター音が鳴ると同時に写真が出てきた……。そこには満面の笑みのリバエルと、ぎこちない笑顔の俺が写っている……。


(まあいいか……)


俺は心の中で呟くと、写真を財布の中にしまった。するとリバエルは嬉しそうに話しかけてくる。


「ねえ、ナオト! 次はあれをやりましょうよ!」


リバエルは目を輝かせながら言ってきた。その視線の先には、クレーンゲームがある……。


「どれを狙うんだ?」


俺が尋ねると、彼女は真剣な表情で考え始めた。そしてしばらくすると、ある一台を指差した。それは大きなぬいぐるみが入った筐体だ……。


「あのクマのぬいぐるみが欲しいわ!」


リバエルは目を輝かせながら言ってきた。俺は苦笑しながら了承すると、お金を入れてアームを動かす……。そしてクマのぬいぐるみを掴むと、無事に獲得することが出来た。


「やったー!」


リバエルは大はしゃぎで喜んでいる。そんな彼女を見ていると微笑ましくなった。


「ほら、大事にしろよ」


俺が手渡すと、彼女は満面の笑みを浮かべながら受け取る……その笑顔はとても可愛らしくてドキッとした。


(本当に可愛いな……)


心の中で呟くと、彼女の頭を優しく撫でる……。するとリバエルは気持ち良さそうに目を細めた。


「ありがとう♪ ナオト♪」


彼女はそう言うと、再び抱きついてきた……。その柔らかい感触にドキッとしたが、同時に安心感を覚えた。その後、リバエルは様々なゲームで遊び尽くした後、満足した様子で店を後にしたのであった……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生賢者の異世界無双〜勇者じゃないと追放されましたが、世界最強の賢者でした〜

平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人は異世界へと召喚される。勇者としてこの国を救ってほしいと頼まれるが、直人の職業は賢者であったため、一方的に追放されてしまう。 だが、王は知らなかった。賢者は勇者をも超える世界最強の職業であることを、自分の力に気づいた直人はその力を使って自由気ままに生きるのであった。 一方、王は直人が最強だと知って、戻ってくるように土下座して懇願するが、全ては手遅れであった。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

ハズレ職業のテイマーは【強奪】スキルで無双する〜最弱の職業とバカにされたテイマーは魔物のスキルを自分のものにできる最強の職業でした〜

平山和人
ファンタジー
Sランクパーティー【黄金の獅子王】に所属するテイマーのカイトは役立たずを理由にパーティーから追放される。 途方に暮れるカイトであったが、伝説の神獣であるフェンリルと遭遇したことで、テイムした魔物の能力を自分のものに出来る力に目覚める。 さらにカイトは100年に一度しか産まれないゴッドテイマーであることが判明し、フェンリルを始めとする神獣を従える存在となる。 魔物のスキルを吸収しまくってカイトはやがて最強のテイマーとして世界中に名を轟かせていくことになる。 一方、カイトを追放した【黄金の獅子王】はカイトを失ったことで没落の道を歩み、パーティーを解散することになった。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

世界⇔異世界 THERE AND BACK!!

西順
ファンタジー
ある日、異世界と行き来できる『門』を手に入れた。 友人たちとの下校中に橋で多重事故に巻き込まれたハルアキは、そのきっかけを作った天使からお詫びとしてある能力を授かる。それは、THERE AND BACK=往復。異世界と地球を行き来する能力だった。 しかし異世界へ転移してみると、着いた先は暗い崖の下。しかも出口はどこにもなさそうだ。 「いや、これ詰んでない? 仕方ない。トンネル掘るか!」 これはRPGを彷彿とさせるゲームのように、魔法やスキルの存在する剣と魔法のファンタジー世界と地球を往復しながら、主人公たちが降り掛かる数々の問題を、時に強引に、時に力業で解決していく冒険譚。たまには頭も使うかも。 週一、不定期投稿していきます。 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも投稿しています。

~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。 小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。 本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。 お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。 その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。 次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。 本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。

処理中です...