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それからというものの、私とカイトさんは毎日のように依頼を受け続けた。薬草採取や魔物退治など様々だったが、どれも充実した日々だったと思う。そんなある日のこと、ギルドでいつものように依頼を探している時だった。受付嬢のエリカさんが私たちの元へやってきたのだ。彼女は笑顔で話しかけてくる。


「お二人共、少しよろしいですか?」


「はい、なんでしょう?」私が首を傾げると、彼女は一枚の紙を差し出してきた。そこに書かれていた内容を見て驚いた。なんと、私とカイトさんに『特別依頼』の依頼が舞い込んできたというのだ!


「これは一体どういう……?」


困惑しながら尋ねると、エリカさんは答えた。


「お二人の実力を見込んでのご指名ですよ」


「でも、私なんてまだまだ駆け出しですし……」


謙遜ではなく事実としてそう告げると、エリカさんが首を横に振った。そして、真剣な表情になると話を続けた。


「いいえ。クロエさんの魔法は素晴らしいです。それにカイトさんのサポートも的確でした。お二人なら必ずや依頼を達成できると私は確信しています」


そこまで言われてしまえば断る理由はなかった。私とカイトさんは顔を見合わせると、同時に頷いたのだった……

『特別依頼』の依頼を引き受けた後、私たちは馬車に乗り込み目的地へと向かった。今回の依頼は、とある村の住人たちから寄せられた依頼らしい。なんでも村の近くにある洞窟に魔物が住み着いたというのだ。その魔物を討伐して欲しいとのことだ。


「洞窟か……。油断するなよ?」


「はい!」


カイトさんの言葉に頷きつつ、気を引き締め直す。馬車に揺られること数十分後、目的地に到着したようだ。そこは鬱蒼とした森の奥にある小さな洞穴だった。中を覗き込むと真っ暗で何も見えない。どうやらかなり深いらしい。


「入ってみよう」


私たちは恐る恐る中へと足を踏み入れた。中は思ったよりも広く、道幅もそれなりにあったため歩きやすかったのだが、奥に進むにつれて次第に暗くなっていった。そして遂には何も見えなくなった。


「ライト!」


私は光属性の魔法で辺りを照らした。すると、目の前に巨大な影が姿を現わした! その影の正体はなんと……『サイクロプス』だった!!


「グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!」


サイクロプスは雄叫びを上げると、こちらに向かってきた! 私は咄嗟に杖を構えると魔法を放つ!


「アイスアロー!」


氷の矢がサイクロプスの目を直撃する!


「グギャアアッ!!」


悲鳴を上げるサイクロプス。だが、致命傷には至らなかったようだ。すかさずカイトさんが攻撃を仕掛ける!


「せいっ!」


剣を振り翳すと、サイクロプスの首元を一閃した! 血飛沫が飛び散り辺りを赤く染めていく。しかし、まだ絶命していないようで暴れ続けている。このままでは危険だと判断した私は再び魔法を放つことにした。


「アイスランス!」


氷で出来た槍がサイクロプスの腹部を貫く!


「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!」


サイクロプスは断末魔の叫びを上げながら絶命した。戦いが終わると、私達は周囲を警戒しつつ様子を伺ったが何も出てくる気配はなかった。どうやらこれで終わりのようだ……と安堵した次の瞬間だった。突然、地面が激しく揺れ始めたのだ!


「地震か!?」


カイトさんが叫ぶ中、私は咄嵯に身を屈めた。そして揺れが収まるまでじっと待つことにしたのだが一向に収まる気配がない。それどころか徐々に強くなっているような気さえしてきた。このままでは危険だと判断した私はカイトさんに声をかけた。


「外に出ましょう!」


私たちは急いで出口へと向かったのだが、地震の影響で道が塞がれており通れなくなっていたのだ! どうするべきか考えていると、突然地面が崩れ始めたのだ!


「うわあっ!!」


私達は為す術もなく奈落の底へと落ちていった……
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