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ある日のこと。俺たちは依頼に向かう途中、近くの村に立ち寄った。

「もう遅いし、今夜はこの村に泊まりましょう」

俺たちは村長の家に挨拶しにいく。

「この村に泊まるのは、やめておいた方が良いと思いますじゃ……」

「どうしてですか?」

俺が尋ねると、村長は答える。

「最近、村を荒らしまわる盗賊団が現れましてな……彼らは村の財産を理不尽に奪っていくのじゃ……」

「そんな悪い盗賊団が……!」

「ええ……ですが、彼らには逆らえませんのじゃ……」

村長は悲しそうに言った。

『主様、外に敵がございます』

「わかった! みんな、行こう!」

俺は仲間たちと共に外に飛び出した! そこには数十人の男たちが待ち構えていた!

「お前ら、金目のものを出しな!」

「断る!」

俺は剣を抜いて構える。仲間たちもそれぞれ戦闘態勢に入っていた。

「よし、力づくで奪ってやるよ!!」

盗賊たちは一斉に襲いかかってくる!

「ぐはっ!」

一瞬で盗賊たちは倒れた……セレナさんとアイリス姫のコンビネーションで次々に倒されていく!

「このアマァ!」

セレナさんに向けて放たれた攻撃を、俺が防ぐ! そのまま剣を振って盗賊の1人を斬り殺した。

「何だコイツらは!?」

盗賊たちは動揺し始める……だがそれも束の間の出来事だった。

「諦めろ、貴様らに勝ち目はない」

「調子に乗んじゃねぇぇぇ!!」

盗賊たちは一斉に襲いかかってくる……だが、俺の剣技とアイリス姫の浄化の炎の前では無力だった。

「うぎゃああああ!!」

盗賊たちは次々と倒れていく……そして最後の1人になった時、彼はニヤリと笑う。

「これで終わりだと思うなよ……」

奴の体が巨大化し、角と翼が生えてくる。

「魔族だったのか……!」

俺は剣を構えるが、魔族は逃げ出そうとする。しかしその前にセレナさんが魔法を放った!

「逃がさないわ!」

するとセレナさんの魔法は魔族を捉え、拘束した!

「今だ!」

俺は斬りかかる……しかし奴の動きはとても素早く、刃が届かない……! その時、アイリス姫の杖から眩い光が放たれる。その光を浴びた瞬間、魔族の動きが鈍った!

「これで終わりだ!!」

俺は渾身の一撃を放ち、奴を叩き斬る! 魔族は咆哮を上げながら崩れ落ち、村に平和が戻った。

「おお、おお、見事じゃな……!」と、村長は感激の表情で言った。

「お世話になりました。でも、こんなことがあるなんて……」

セレナさんが困った表情で言うと、アイリス姫が微笑んで言った。

「冒険者の日常です。でも、村が安全になって良かったですね。」

その後、村人たちは感謝の意を示し、夜になると村の広場で賑やかな宴が開かれた。冒険者仲間たちと一緒に、美味しい料理や飲み物を楽しむことができた。

「でも、この魔族の襲撃は予測できなかったな。通常、こういった村にはそうした脅威がないものだが……」

「もしかすると、これが何かの前触れかもしれません。冒険者として、私たちが追及してみる価値がありますね」

翌日、俺たちは再び旅に出ることになった。村人たちは温かく見送り、村長は再び感謝の言葉を贈った。
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