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ある日のこと、俺たちのもとに王宮からの使いがやって来た。なんでも俺に重大な話があるらしい……


「実はカイト様に国王陛下がお会いしたいとおっしゃっています」


「えっ!? 俺が王様に!?」


予想外の言葉に動揺してしまう。一体どんな用件なんだろう? 俺たちは王宮へと招かれることになった……

王宮に着くと、受付の人に応接間に案内される。そこには豪華な椅子に腰掛けた国王がいた!


「おお! 君がカイト君か!」


王様は笑顔で出迎えてくれる。俺も緊張しながら挨拶をした。そして王様が口を開く。


「まずは我が国を救ってくれたこと、感謝する」


「いえ、当然のことをしたまでです」


俺がそう答えると、王様は嬉しそうに頷いた。


「ところで今日は君に依頼があるのだよ」


「依頼……ですか?」


俺は首を傾げた。一体どんな内容なんだろう?


「実は王都に魔族が潜んでいるという報告があってね……その調査を君に依頼したいのだよ」


「魔族!?」


まさか魔族まで現れるとは……でも今の俺ならきっと大丈夫だ!


「わかりました。引き受けましょう」


「ありがとう、それでは早速だが、王都にある古城に向かって欲しい」


「はい!」


こうして俺は魔族の調査を始めることになった。どんな敵だろうと、仲間たちと一緒に乗り越えてみせる! 俺たちは王宮を出ると、【転移】を使って王都の中心にある古城へ向かった……古城は荒れ果てた外観をしていた。不気味な雰囲気が漂っている……


「ここに魔族がいるのか……」


俺は警戒しながら中に入っていった。すると突然、黒い霧のような物体が目の前に現れる!


「ウガァァァ!!」


それは全身を真っ黒な鱗で覆われた二足歩行の怪物だった。鋭い牙と爪を持ち、丸太のような太い腕を持つ魔物だ。こいつは多分……


「ブラックドラゴンか!」


ドラゴンは竜族の中でも上位の存在にあたる。その強さは魔王に匹敵すると言われているほどだ……だが今の俺たちなら倒せない敵じゃない!


「行くぞ! 不死鳥の翼(フェニックス・ウイング)!」


俺は不死鳥の炎でドラゴンに攻撃を仕掛ける。だがドラゴンは俺の攻撃をひらりと躱した!


「速い!」


次の瞬間、ドラゴンは鋭い爪で切りかかってきた。間一髪のところで避けることができたが、もし当たっていたら大ダメージを受けていただろう……


「カイトさん、援護します」


ミレーヌさんはそう言って魔法を唱え始めた。するとドラゴンの動きが鈍り始める……彼女は相手の動きを遅くする魔法を発動したのだ。


「今です!」


「了解! 不死鳥の鉤爪(フェニックス・クロウ)!」


俺は剣を振りかざし、ドラゴンの翼を切り裂いた! 翼を失ったドラゴンは地面に倒れ込む。チャンスは今しかない!


「行くぞ! 神獣の炎(ミュートス・ファイア)!」


俺は不死鳥の炎を凝縮させた巨大なエネルギー弾を投げつけた! 着弾した瞬間、凄まじい爆発が起こる! 爆煙が晴れると、そこには真っ黒になったドラゴンの死体があった……


「やったな!」


仲間たちが駆け寄ってくる。俺たちはドラゴンの死体をアイテムバッグに収納すると、城の中を調べ回った。すると地下に続く階段が見つかった。どうやらこの先が怪しいようだ……

俺たちは階段を下りていくことにした……しばらく歩くと、目の前に巨大な扉が現れる。どうやらこの先に何かがいるようだ……俺は仲間たちに目配せをする。みんな静かに頷いた。そして俺たちは大きな扉をゆっくりと開ける……


「ようこそ」


部屋の中にいたのは美しい女性だった。彼女は玉座に腰掛けながら俺たちを出迎える。だがその見た目とは裏腹に、禍々しいオーラを感じていた……間違いない、こいつが魔族だ!


「あなたは一体何者なんですか?」


俺の問いかけに、魔族は笑いながら答える。


「私は魔王軍幹部の一人……名を【エルザ】と言います。以後お見知り置きを……」


エルザと名乗った女性はゆっくりと立ち上がり、こちらに近づいてきた。そして俺の顎を指で持ち上げる……


「美しい顔ですね……まるで宝石のよう」


俺は思わずドキッとするが、すぐに冷静さを取り戻す。なぜなら目の前にいるのは紛れもない強敵なのだから……


「カイト様から離れてください!」


ミレーヌさんが叫ぶが、エルザは涼しい顔で答える。


「あら? 嫉妬かしら?」


「違います! あなたの目的はなんですか!?」


「目的……? そんなの決まってるじゃないですか……この世界を支配することです」


「そんなことさせません!」


ミレーヌさんは魔法を唱え始めた! 彼女は仲間たちに強化魔法をかけている。俺は【魔吸剣】を手に持つと、エルザに向けて斬りかかった! だが次の瞬間、俺の体は吹き飛ばされてしまう……一体何が起こったのか分からなかったが、どうやら見えない力によって攻撃されたようだ。俺は体勢を整えると、もう一度エルザに向かって行く!


「馬鹿な……時間を止めたのに、どうして動ける……!」


「時間停止と同時に、反魔法の術式が展開するよう【魔法式】を組んでおきました」


「【魔法式】ですって!?」


エルザが驚愕の表情を浮かべている。だがそれも一瞬のことだった。すぐに冷静さを取り戻し、今度は魔法で攻撃を仕掛けてきた!


「ダークネス・エンド!」


漆黒の闇が俺たちを包み込む……だが俺は【魔吸剣】に魔力を込めていた! 次の瞬間、俺の持つ剣から黒い光が放たれ、周囲に広がっていく……するとエルザの魔法は跡形もなく消え去った!


「まさか私の魔法が効かないとは……」


「さあ、終わりにしよう!」


俺はエルザに斬りかかった。だが次の瞬間、エルザの体がまるで逆再生するかのように、元通りになる。


「私は時間を自由に操る! いくらお前たちの攻撃が強力だろうと、時間を戻せば関係ない!」


エルザは勝ち誇ったように笑う。だが俺は動じることなく、冷静にエルザの動きを観察していた。


「あなたの弱点を見つけました」


俺がそう呟くと、ミレーヌさんが反応する。彼女はエルザに向けて魔法を放った!


「マジック・キャンセル!」


「何!?」


エルザの動きが止まる。彼女の【時間停止】を無効化したのだ!


「まさか……この私が負けるというの!?」


エルザは動揺しているようだった。無理もない、今まで自分が無敵だと信じて疑わなかったのだろうからな……だがそれもここまでだ! 俺はエルザに向かって剣を振りかざすと、魔力を込めた斬撃を浴びせた!


「聖光魔滅剣(シャイニング・エクスカリバー)!」


ズバァアアアアアアアアアアアアン!


凄まじい光と闇が混じり合いながら、エルザの体を斬り裂いた!


「ぎゃああああ!」


断末魔の叫び声を上げながら、エルザは消滅する……俺は安堵すると、仲間たちの元へ歩いていった。


「ありがとうみんな、君たちのおかげで魔族を倒すことができたよ」


「いえ、私たちは仲間として当然のことをしたまでです」


ミレーヌさんが微笑みながら答える。本当に良い仲間を持ったな……俺は感謝の気持ちを込めてお礼を言ったのだった……
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