「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした～今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります～

23

ある日のこと、俺はアンリエッタと二人で街を歩いていた。彼女の希望で買い物に付き合っているのだ。


「ここが人間の街か……面白そうな場所じゃのう」


アンリエッタは興味深そうに辺りを見回している。それを見て俺は微笑ましく思った。


（まるで子供みたいだな……）


俺がそんなことを思っているとアンリエッタが話しかけてきた。


「あれはなんじゃ？」


彼女は近くにあった屋台を指差している。見るとアイスクリームを売っているようだ。


「食べるか？」


「もちろんじゃ！」


俺が聞くとアンリエッタは頷いた。そして俺たちは屋台に向かう。


「いらっしゃい！ カップルにはおまけしておくよ！」


店主のおじさんが出迎えてくれた。俺たちはそれぞれ注文する……数分後、受け取ったアイスを持って近くのベンチに座った。


「美味いのう……」


アンリエッタは幸せそうな表情で舌鼓を打っている。そんな彼女を見ていると俺も幸せな気持ちになった。


（可愛い奴め……）


そんなことを考えていると、不意にアンリエッタが話しかけてくる。


「お主にも一口食べさせてやろう」


そう言うと彼女はアイスを差し出してきた。俺はそれを一口食べる……甘酸っぱい味が口に広がってとても美味しかった。


「ありがとう、すごく美味しいよ」


俺がお礼を言うとアンリエッタは満足げに笑った。そんな彼女を見ていると心が和んでくる……本当に可愛らしい奴だなと思った瞬間だった。


「次はあそこに行ってみたいぞ！」


アンリエッタは目を輝かせながら通りにある店を指差す。どうやら劇場のようだ。


「面白そうだな」


俺が了承すると彼女は嬉しそうに笑った。そして俺の手を掴んで引っ張っていく……その様子はまるで子供のようで見ていて飽きなかった。


「ここが劇場か……」


俺は呟きながら中に入っていった。席に座るとアンリエッタは目を輝かせながら舞台を見ている……その姿はとても可愛らしく感じられた。


（ほんと可愛い奴だな……）


俺は心の中で呟きながら舞台に集中することにした。劇の内容は恋愛ものだったのだが、中々面白かったと思う。そして劇が終わるとアンリエッタは拍手を送っていた。


「面白かったな！」


俺が話しかけるとアンリエッタは微笑みながら頷いた。


「うむ！ 妾も楽しめたぞ！」


彼女は満足げな表情を浮かべている。それを見て俺も嬉しくなった……その後、俺たちは劇場を出ることにする。そして帰路につくことにした……途中まで帰り道が同じだったので、二人並んで歩いていく。


「今日はありがとうな」


俺が礼を言うとアンリエッタは笑顔で首を横に振った。


「礼を言うのはこっちじゃよ……お主のおかげで良い一日になった」


彼女は微笑みながら言う。その表情はとても幸せそうだった。


「俺も楽しかったよ」


俺が言うと彼女は嬉しそうに微笑んだ。そして俺の手を握ると上目遣いで見つめてくる。


「また一緒に行ってもいいか……？」


彼女は甘えた声で言ってきた。その表情はまるで子犬のようでとても可愛らしい……俺は笑顔で頷く。


「もちろんだ、約束しよう」


俺が答えると彼女は満面の笑みを浮かべ、さらに強く手を握ってきた。彼女の手の温もりを感じながら俺たちは帰路についたのだった……