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今日から薔薇祭が開催されるということもあって校内はいつも以上に賑わっていた。そんな中、俺はアリアと一緒に歩いているところだった。彼女は様々な出店を見て回りながらはしゃいでいる様子だったが、その表情はとても楽しそうだった。そんな彼女を見ていると俺も自然と笑みが溢れてくる
のを感じた。
「ねえ、次はあれ食べよう!」
そう言って彼女が指差したのはクレープの屋台だった。二人で並んで注文すると出来上がったものを受け取って近くのベンチに腰掛けることにする。早速一口食べると口の中に甘さが広がり幸せな気分になった。隣を見ると彼女も幸せそうな顔をしているのが見えた。その表情を見ていると自然と笑みが溢れてきてしまうのだった……
「ねえ、次はどこへ行こうか?」
そう聞くと彼女は目を輝かせながら答えた。
「うーん……そうだ!お化け屋敷に行ってみたい!」
そう言われて一瞬戸惑ったものの、すぐに覚悟を決めた俺は彼女と一緒にお化け屋敷へ向かうことにしたのだった……
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」
部屋に入るなりアリアは大きな悲鳴を上げた。そんな彼女の姿を見て思わず笑ってしまったのだが、それでも怖いものは怖いようだ……
「もう! 笑わないでよー」と頬を膨らませながら抗議してくる彼女だったが、それでも怖さは変わらないらしい。そんな姿を見ているとますます可愛らしく見えてきたのだった……
それからしばらくの間、俺たちはお化け屋敷を楽しんだ後、休憩スペースに座って休むことにした。
「怖かったけど楽しかったね!」
そう言いながら笑う彼女を見ているとこちらまで楽しくなってくるのを感じた。そんな彼女を見ていると愛おしさが込み上げてきて思わず抱きしめそうになったのだが、なんとか我慢することができた自分を褒めてやりたい気分だった……
「また一緒に来ようね」と言われ、俺は笑顔で頷くことにしたのだった……
そうしてお化け屋敷を出た後、俺たちは中庭のベンチに座って休憩することにした。しばらく沈黙が続いた後、不意に彼女が口を開いた。その表情は少し悲しげなものに見える気がする……どうしたんだろうと思っていると、彼女はゆっくりと話し出したのだ。
「ねえ、カイトは私のことどう思ってる?」
唐突にそんなことを聞かれて戸惑ったものの、素直に答えることにした。
「頼もしい仲間だと思っているよ」と答えると、彼女は嬉しそうな表情を浮かべた後に続けてこう言ったのだ。
「じゃあさ……私のことを異性として意識したことってある?」
その問いかけに一瞬戸惑ってしまったものの、正直に答えることにした。
「……あるかもしれない」と答えると、彼女は頬を赤く染めながら俯いたまま黙ってしまった。そんな彼女を見ているとこちらまで恥ずかしくなってきてしまうほどだったが、それでも目を逸らすことはできなかった……
やがて意を決したかのように顔を上げると、彼女は真っ直ぐにこちらを見つめてきた。その瞳からは強い意志のようなものを感じることができた……そして次の瞬間には驚くべき言葉を口にしたのだ。
「好きです……私と付き合ってください!」
突然の告白に動揺を隠しきれなかったものの、何とか平静を装って返事をすることにした。
「……気持ちは嬉しいけど、今はまだ答えられないかな……」
そう答えると、アリアの表情が一瞬曇ったように見えた。でも、すぐに彼女は明るい笑顔を取り戻し、こう言った。
「そっか……わかった。急に言い出してごめんね。でも、私の気持ちは本当だから。カイトのことをずっと好きだったの」
彼女の率直な言葉に、俺は胸が締め付けられるような感覚を覚えた。アリアのことは大切な友達だと思っていたけど、恋愛感情まではなかった。それでも、彼女の気持ちを軽々しく扱うわけにはいかない。
「アリア……ごめん。俺も君のことは大切に思ってる。でも、今はまだ……」
言葉を詰まらせる俺に、アリアは優しく微笑んだ。
「大丈夫だよ。急かすつもりはないから。ゆっくり考えてね」
彼女の優しさに、俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。でも、嘘をつくわけにはいかない。正直に向き合うことが、アリアへの誠意だと思った。
「ありがとう、アリア。俺も真剣に考えるよ」
そう言うと、彼女はホッとしたような表情を見せた。
「うん、ありがとう。それだけで十分だよ」
二人の間に少し気まずい空気が流れたけど、アリアは明るく話題を変えた。
「さあ、薔薇祭はまだまだこれからだよ! 次はどこに行こうか?」
アリアの明るい声に、俺も気持ちを切り替えることができた。確かに、告白されたことで複雑な気持ちになったけど、今日は楽しむことに集中しよう。そう決意して立ち上がった。
「そうだな……あそこの占いブースはどうだ?」
俺が指さした先には、紫色のテントが立っていた。入り口には「運命の星占い」という看板が掲げられている。
「いいね! 行ってみよう!」
アリアは元気よく立ち上がり、俺の腕を引っ張った。その仕草は、さっきまでの告白のことなんて忘れてしまったかのようだった。
占いブースに近づくと、香ばしい香りが漂ってきた。中に入ると、年配の女性が笑顔で迎えてくれた。
「いらっしゃい、若いカップルさん。運命の星を覗いてみますか?」
俺とアリアは顔を見合わせた。カップルと間違われたことに、少し照れくさい気持ちになる。
「あの……友達同士なんです」
俺が慌てて説明すると、占い師は意味ありげな笑みを浮かべた。
「そうですか。でも、星々は時に私たちが気づいていない真実を教えてくれるものです。さあ、どちらが先に占ってもらいますか?」
アリアが俺の方を見た。
「カイト、先にやってみる?」
俺は少し躊躇したが、結局同意した。占い師の前に座ると、彼女は水晶玉を覗き込んだ。
「あなたの星は……迷いの中にあるようですね。大切な選択を控えているのかもしれません」
その言葉に、俺は思わずドキリとした。アリアの告白のことを考えていたからだ。
「でも、恐れることはありません。あなたの心が本当に望むものを見つけたとき、全てが明らかになるでしょう」
占い師の言葉は、どこか励ましのように聞こえた。
次はアリアの番だった。彼女が座ると、占い師は再び水晶玉を覗き込んだ。
「あなたの星は……強い光を放っています。勇気を持って前に進めば、きっと願いは叶うでしょう」
アリアの顔が少し赤くなるのが見えた。もしかしたら、俺への告白のことを考えているのかもしれない。
占いが終わると、俺たちは礼を言って外に出た。夕暮れ時になっていて、辺りはオレンジ色に染まっていた。
「どうだった?」
アリアが俺に尋ねた。
「なんだか、不思議な気分だよ。でも、少し心が軽くなった気がする」
俺はそう答えた。本当のところ、占い師の言葉は俺の心に響いていた。大切な選択...心が本当に望むもの...それが何なのか、まだはっきりとはわからない。でも、これから少しずつ考えていこうと思った。
「そっか。私も同じだよ」
アリアはそう言って、優しく微笑んだ。
「ねえ、そろそろ帰ろうか。今日は楽しかったね」
「ああ、本当に楽しかった」
俺たちは並んで歩き始めた。薔薇祭の喧騒が遠ざかっていく中、二人の間には穏やかな空気が流れていた。これからどうなるかはわからない。でも、今この瞬間は大切な思い出として、きっと心に刻まれるだろう。
のを感じた。
「ねえ、次はあれ食べよう!」
そう言って彼女が指差したのはクレープの屋台だった。二人で並んで注文すると出来上がったものを受け取って近くのベンチに腰掛けることにする。早速一口食べると口の中に甘さが広がり幸せな気分になった。隣を見ると彼女も幸せそうな顔をしているのが見えた。その表情を見ていると自然と笑みが溢れてきてしまうのだった……
「ねえ、次はどこへ行こうか?」
そう聞くと彼女は目を輝かせながら答えた。
「うーん……そうだ!お化け屋敷に行ってみたい!」
そう言われて一瞬戸惑ったものの、すぐに覚悟を決めた俺は彼女と一緒にお化け屋敷へ向かうことにしたのだった……
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」
部屋に入るなりアリアは大きな悲鳴を上げた。そんな彼女の姿を見て思わず笑ってしまったのだが、それでも怖いものは怖いようだ……
「もう! 笑わないでよー」と頬を膨らませながら抗議してくる彼女だったが、それでも怖さは変わらないらしい。そんな姿を見ているとますます可愛らしく見えてきたのだった……
それからしばらくの間、俺たちはお化け屋敷を楽しんだ後、休憩スペースに座って休むことにした。
「怖かったけど楽しかったね!」
そう言いながら笑う彼女を見ているとこちらまで楽しくなってくるのを感じた。そんな彼女を見ていると愛おしさが込み上げてきて思わず抱きしめそうになったのだが、なんとか我慢することができた自分を褒めてやりたい気分だった……
「また一緒に来ようね」と言われ、俺は笑顔で頷くことにしたのだった……
そうしてお化け屋敷を出た後、俺たちは中庭のベンチに座って休憩することにした。しばらく沈黙が続いた後、不意に彼女が口を開いた。その表情は少し悲しげなものに見える気がする……どうしたんだろうと思っていると、彼女はゆっくりと話し出したのだ。
「ねえ、カイトは私のことどう思ってる?」
唐突にそんなことを聞かれて戸惑ったものの、素直に答えることにした。
「頼もしい仲間だと思っているよ」と答えると、彼女は嬉しそうな表情を浮かべた後に続けてこう言ったのだ。
「じゃあさ……私のことを異性として意識したことってある?」
その問いかけに一瞬戸惑ってしまったものの、正直に答えることにした。
「……あるかもしれない」と答えると、彼女は頬を赤く染めながら俯いたまま黙ってしまった。そんな彼女を見ているとこちらまで恥ずかしくなってきてしまうほどだったが、それでも目を逸らすことはできなかった……
やがて意を決したかのように顔を上げると、彼女は真っ直ぐにこちらを見つめてきた。その瞳からは強い意志のようなものを感じることができた……そして次の瞬間には驚くべき言葉を口にしたのだ。
「好きです……私と付き合ってください!」
突然の告白に動揺を隠しきれなかったものの、何とか平静を装って返事をすることにした。
「……気持ちは嬉しいけど、今はまだ答えられないかな……」
そう答えると、アリアの表情が一瞬曇ったように見えた。でも、すぐに彼女は明るい笑顔を取り戻し、こう言った。
「そっか……わかった。急に言い出してごめんね。でも、私の気持ちは本当だから。カイトのことをずっと好きだったの」
彼女の率直な言葉に、俺は胸が締め付けられるような感覚を覚えた。アリアのことは大切な友達だと思っていたけど、恋愛感情まではなかった。それでも、彼女の気持ちを軽々しく扱うわけにはいかない。
「アリア……ごめん。俺も君のことは大切に思ってる。でも、今はまだ……」
言葉を詰まらせる俺に、アリアは優しく微笑んだ。
「大丈夫だよ。急かすつもりはないから。ゆっくり考えてね」
彼女の優しさに、俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。でも、嘘をつくわけにはいかない。正直に向き合うことが、アリアへの誠意だと思った。
「ありがとう、アリア。俺も真剣に考えるよ」
そう言うと、彼女はホッとしたような表情を見せた。
「うん、ありがとう。それだけで十分だよ」
二人の間に少し気まずい空気が流れたけど、アリアは明るく話題を変えた。
「さあ、薔薇祭はまだまだこれからだよ! 次はどこに行こうか?」
アリアの明るい声に、俺も気持ちを切り替えることができた。確かに、告白されたことで複雑な気持ちになったけど、今日は楽しむことに集中しよう。そう決意して立ち上がった。
「そうだな……あそこの占いブースはどうだ?」
俺が指さした先には、紫色のテントが立っていた。入り口には「運命の星占い」という看板が掲げられている。
「いいね! 行ってみよう!」
アリアは元気よく立ち上がり、俺の腕を引っ張った。その仕草は、さっきまでの告白のことなんて忘れてしまったかのようだった。
占いブースに近づくと、香ばしい香りが漂ってきた。中に入ると、年配の女性が笑顔で迎えてくれた。
「いらっしゃい、若いカップルさん。運命の星を覗いてみますか?」
俺とアリアは顔を見合わせた。カップルと間違われたことに、少し照れくさい気持ちになる。
「あの……友達同士なんです」
俺が慌てて説明すると、占い師は意味ありげな笑みを浮かべた。
「そうですか。でも、星々は時に私たちが気づいていない真実を教えてくれるものです。さあ、どちらが先に占ってもらいますか?」
アリアが俺の方を見た。
「カイト、先にやってみる?」
俺は少し躊躇したが、結局同意した。占い師の前に座ると、彼女は水晶玉を覗き込んだ。
「あなたの星は……迷いの中にあるようですね。大切な選択を控えているのかもしれません」
その言葉に、俺は思わずドキリとした。アリアの告白のことを考えていたからだ。
「でも、恐れることはありません。あなたの心が本当に望むものを見つけたとき、全てが明らかになるでしょう」
占い師の言葉は、どこか励ましのように聞こえた。
次はアリアの番だった。彼女が座ると、占い師は再び水晶玉を覗き込んだ。
「あなたの星は……強い光を放っています。勇気を持って前に進めば、きっと願いは叶うでしょう」
アリアの顔が少し赤くなるのが見えた。もしかしたら、俺への告白のことを考えているのかもしれない。
占いが終わると、俺たちは礼を言って外に出た。夕暮れ時になっていて、辺りはオレンジ色に染まっていた。
「どうだった?」
アリアが俺に尋ねた。
「なんだか、不思議な気分だよ。でも、少し心が軽くなった気がする」
俺はそう答えた。本当のところ、占い師の言葉は俺の心に響いていた。大切な選択...心が本当に望むもの...それが何なのか、まだはっきりとはわからない。でも、これから少しずつ考えていこうと思った。
「そっか。私も同じだよ」
アリアはそう言って、優しく微笑んだ。
「ねえ、そろそろ帰ろうか。今日は楽しかったね」
「ああ、本当に楽しかった」
俺たちは並んで歩き始めた。薔薇祭の喧騒が遠ざかっていく中、二人の間には穏やかな空気が流れていた。これからどうなるかはわからない。でも、今この瞬間は大切な思い出として、きっと心に刻まれるだろう。
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