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その後は特に何事もなく航海は続いた。やがて前方に大きな島が見えてきた。あれが水の国『アクアリア』だろう。
「見えてきたな」
「うむ、早く上陸したいのぅ」
リザはそわそわしながら海を眺めている。そんなに楽しみだったのか……。俺も楽しみだけどな。そんなことを思いながら船は進んでいくのだった。
俺たちはついに水の国『アクアリア』に到着した。港に降りると潮の香りが漂ってくる。早速街へ向かうことにした。しばらく歩くと大きな門が見えてきた。どうやらここから入るらしい。門番らしき男が立っている。俺は軽く会釈をしてから中に入った。
「おぉ……」
街に入ると思わず感嘆の声が出てしまった。建物はどれも美しいデザインをしており、まるで芸術作品のようだった。道行く人々も皆オシャレな格好をしている。まさに水の都と呼ぶに相応しい光景だ。
「すごい所じゃな」
リザは目を輝かせている。俺も同感だ。こんな綺麗な場所に来るのは初めてだからな……感動ものだ。
「まずは宿を探さないとな」
俺たちは街の中を歩いて回る。しばらく歩くと一軒の宿屋を見つけた。中に入るとカウンターには受付嬢が立っていた。
「いらっしゃいませー! お泊まりですか?」
「はい、お願いします」
俺は金貨を一枚取り出す。すると受付嬢が驚いたような声を上げた。
「こんな大金……よろしいんですか?」
確かにそれなりの額ではあるだろうが、アクアリアは物価が高いらしいからな……これくらいは必要だろうと判断したのだ。
「……はい」
「かしこまりました! お部屋へご案内いたしますね!」
俺たちは二階にある部屋へ向かった。部屋の中はかなり広く、ベッドも二つ用意されている。これなら快適に過ごせそうだ。
「さてと、これからどうしようかな?」
「とりあえず観光しようではないか!」
リザの提案に賛成した俺は街を散策することにした。街を歩く人々の中には耳の尖ったエルフらしき者も見受けられる。やはりこの国は亜人種が多いようだ。俺たちは市場へと向かった。様々な商品が所狭しと並んでおり活気に溢れている。特に魚介類が多く並べられていた。
「おぉ……」
思わず声が出てしまうほどの鮮度だ……どれも美味しそうである。
「どれがいい?」
「我はあれが食べてみたいぞ」
リザが指差したのは焼き魚だった。早速購入して食べてみることにする。一口かじると、パリッとした皮とふっくらした白身から旨味が溢れ出してきた。味付けも絶妙でとても美味しい。俺はあっという間に完食してしまった。
「そろそろ帰るか」
俺はリザに声をかけたが、彼女はまだ何か買いたいものがあるらしく名残惜しそうな表情を浮かべていた。仕方なく一人で宿に戻ることにした。しばらくして宿に戻ると受付嬢が出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ!」
「ただいま戻りました」
「お食事の用意ができておりますがいかがいたしますか?」
「じゃあお願いしようかな」
「かしこまりました! お部屋にご用意いたしますので少々お待ちください!」
受付嬢は笑顔のまま去っていった。部屋で待っていると料理が運ばれてきた。どれも美味しそうで食欲をそそられる。早速食べ始めることにした。一口食べるたびに幸せな気分になれる味だ……まさに絶品と言えるだろう。あっという間に完食してしまった。リザはまだ帰ってきていないようなので先に風呂に入ることにする。大きな湯船に浸かり、今日一日の疲れを取ることができた。しばらくして部屋へ戻ると、ちょうど彼女が帰ってきたところだったようでベッドの上でゴロゴロしていた。
「明日はどこへ向かうつもりじゃ?」
「そうだな……」
特に目的地があるわけではないので適当に観光でもしようかと思っている。リザも同じ考えのようだ。俺たちは明日の予定を話し合いながら眠りにつくのだった。
「見えてきたな」
「うむ、早く上陸したいのぅ」
リザはそわそわしながら海を眺めている。そんなに楽しみだったのか……。俺も楽しみだけどな。そんなことを思いながら船は進んでいくのだった。
俺たちはついに水の国『アクアリア』に到着した。港に降りると潮の香りが漂ってくる。早速街へ向かうことにした。しばらく歩くと大きな門が見えてきた。どうやらここから入るらしい。門番らしき男が立っている。俺は軽く会釈をしてから中に入った。
「おぉ……」
街に入ると思わず感嘆の声が出てしまった。建物はどれも美しいデザインをしており、まるで芸術作品のようだった。道行く人々も皆オシャレな格好をしている。まさに水の都と呼ぶに相応しい光景だ。
「すごい所じゃな」
リザは目を輝かせている。俺も同感だ。こんな綺麗な場所に来るのは初めてだからな……感動ものだ。
「まずは宿を探さないとな」
俺たちは街の中を歩いて回る。しばらく歩くと一軒の宿屋を見つけた。中に入るとカウンターには受付嬢が立っていた。
「いらっしゃいませー! お泊まりですか?」
「はい、お願いします」
俺は金貨を一枚取り出す。すると受付嬢が驚いたような声を上げた。
「こんな大金……よろしいんですか?」
確かにそれなりの額ではあるだろうが、アクアリアは物価が高いらしいからな……これくらいは必要だろうと判断したのだ。
「……はい」
「かしこまりました! お部屋へご案内いたしますね!」
俺たちは二階にある部屋へ向かった。部屋の中はかなり広く、ベッドも二つ用意されている。これなら快適に過ごせそうだ。
「さてと、これからどうしようかな?」
「とりあえず観光しようではないか!」
リザの提案に賛成した俺は街を散策することにした。街を歩く人々の中には耳の尖ったエルフらしき者も見受けられる。やはりこの国は亜人種が多いようだ。俺たちは市場へと向かった。様々な商品が所狭しと並んでおり活気に溢れている。特に魚介類が多く並べられていた。
「おぉ……」
思わず声が出てしまうほどの鮮度だ……どれも美味しそうである。
「どれがいい?」
「我はあれが食べてみたいぞ」
リザが指差したのは焼き魚だった。早速購入して食べてみることにする。一口かじると、パリッとした皮とふっくらした白身から旨味が溢れ出してきた。味付けも絶妙でとても美味しい。俺はあっという間に完食してしまった。
「そろそろ帰るか」
俺はリザに声をかけたが、彼女はまだ何か買いたいものがあるらしく名残惜しそうな表情を浮かべていた。仕方なく一人で宿に戻ることにした。しばらくして宿に戻ると受付嬢が出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ!」
「ただいま戻りました」
「お食事の用意ができておりますがいかがいたしますか?」
「じゃあお願いしようかな」
「かしこまりました! お部屋にご用意いたしますので少々お待ちください!」
受付嬢は笑顔のまま去っていった。部屋で待っていると料理が運ばれてきた。どれも美味しそうで食欲をそそられる。早速食べ始めることにした。一口食べるたびに幸せな気分になれる味だ……まさに絶品と言えるだろう。あっという間に完食してしまった。リザはまだ帰ってきていないようなので先に風呂に入ることにする。大きな湯船に浸かり、今日一日の疲れを取ることができた。しばらくして部屋へ戻ると、ちょうど彼女が帰ってきたところだったようでベッドの上でゴロゴロしていた。
「明日はどこへ向かうつもりじゃ?」
「そうだな……」
特に目的地があるわけではないので適当に観光でもしようかと思っている。リザも同じ考えのようだ。俺たちは明日の予定を話し合いながら眠りにつくのだった。
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