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ある日のこと、俺たちは食堂で飯を食っていた。


「おい! 料理に毛が入っているぞ!!」


冒険者の一人がウェイトレスに大声で怒鳴りつける。


「も、申し訳ありません! 今すぐ取り替えて参ります!」


「早くしろ! こっちは腹減ってんだよ!」


他の客たちもその様子を見てクスクス笑っている。俺はその様子を不愉快に思いながら見ていた。すると、リザが口を開く。


「いい加減にするのじゃ! 人が一生懸命作った料理にケチをつけるでないわ!!」


リザはウェイトレスを庇う。


「なんだこのガキは? 関係ないやつはすっこんでろ!」


冒険者の一人がリザに殴りかかる。俺はとっさに間に入ってそれを受け止めた。


「な、なんだてめえ!?」


「やめろ」


俺は冒険者の拳を握り締めて骨を折る。


「ぎゃあああああっ!!」


冒険者は悲鳴を上げて転げ回る。他の客たちも騒然としていた。


「お、覚えてやがれ!」


冒険者たちは捨て台詞を吐いて逃げていった。俺はリザを連れてその場を後にする。


「あ、あの……ありがとうございました!」


ウェイトレスが俺たちに感謝の言葉を述べる。


「気にするでない、お主は何も悪くないのじゃ」


「私……いつもあんな感じでいじめられているんです……」


どうやら彼女は普段からああいった被害を受けているようだ。


「許せないのじゃ! 今度また騒ぎを起こしたら、あの冒険者をぶちのめしてやるのじゃ!」


リザは憤慨していた。


「まあまあ……落ち着けって」


俺はリザをなだめる。


「実はこの食堂は借金がかさんでいるんです。そのせいで経営が苦しくなっていて……それであの冒険者たちが嫌がらせをしているんです」


「なるほどな……よし、俺がなんとかしてやろう」


「ほ、本当ですか!?」


「ああ、任せろ!」


俺は【次元商店】で大量のハンバーガーとコーラを購入し、食堂に戻った。


「これを食ってみろ」


俺はハンバーガーを差し出す。


「な、なんですかこれは?」


「ハンバーガーという食べ物だ」


「見たことない料理ですが、食べても大丈夫なんですか?」


「いいから騙されたと思って食ってみろ」


ウェイトレスは恐る恐る口に運ぶ。すると、その顔は驚愕に染まった。


「お……美味しい! こんなの初めてです!」


どうやら気に入ってくれたようだ。他の客たちも物欲しそうな目で見ている。


「この食べ物は俺が持ってきたものだ。この店の名物にすると良い」


「あ、ありがとうございます!」


ハンバーガーとコーラは飛ぶように売れ、食堂の借金は返済することができた。


「カイトさん……本当にありがとうございました」


ウェイトレスは深々と頭を下げる。


「気にするな。それよりこれからも頑張れよ」


「はい!」


こうしてハンバーガーとコーラはアーガスの名物になったのだった。
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