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冒険者ギルドで適正試験を受け、晴れて俺は冒険者になった。受付嬢のセレナさんから冒険者について色々教えてもらった後、最初の依頼に出発した。
「最初の依頼が薬草拾いとは……なんとも地味じゃな」
リザは薬草探しに不満を漏らす。
「どんな依頼でも立派な仕事だ」
「まあ、そうじゃな」
リザは納得してくれたようだ。
「収納!」
【収納】スキルを発動させると、薬草だけが吸い込まれていく。
「相変わらず便利なスキルじゃのう」
リザは感心している。そして俺は次々と薬草を収納していった。
「これで依頼は達成じゃな」
ギルドに戻ろうとした時、誰かの叫び声がする。
「た……助けて!」
俺は声のする方に駆け出す。するとそこには無数の首を持つドラゴンがいた。
「ヒュドラか」
数グラムで巨象を死に至らしめる猛毒を持つドラゴン。討伐推奨ランクはSランクだ。
「どうするのじゃ?」
リザが尋ねてくる。
「決まってる……倒す!」
俺はヒュドラに向かって駆け出す。
「グォオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」
ヒュドラは俺を噛み殺そうとしてくるが、剣で首を切り落とした。しかし、切り落とされた根元から二つの首が生えてくる。
「縮地!」
俺は縮地でヒュドラの後ろに回り込むと、頭を切り落とした。そしてもう一度首を切り落とそうとしたが、すぐに再生してしまった。
「どうやら再生能力があるらしいな」
俺はヒュドラを鑑定する。すると、『不死』というスキルを保有していた。不死のスキルは、首を全て切り落とすか頭を全て潰すまで死なないらしい。
「厄介だな……」
俺がヒュドラを倒す方法に悩んでいると……リザが口を開く。
「いっそのこと押しつぶしてみるのじゃ」
俺はラインハルトを吸い込んだ時に手に入れたスキルを使ってみることにした。
「【重力球】」
上空に黒い重力の球が出現した。
「グォオオッ!?」
ヒュドラは重力に押しつぶされ、ぺちゃんこになった。
「し、信じらんねえ……あのヒュドラを一撃で倒すなんて……」
一部始終を見ていた冒険者が呆然としていた。
「助けてくれて、ありがとう!」
パーティーのリーダーらしき男が、俺にお礼を言ってくる。
「いや、気にしないでください」
「俺は【烈風の隼】のリーダー、リチャードだ」
「私はエルナよ」
「俺はイワン」
「俺はカイト、こっちがリザだ」
「よろしくなのじゃ」
俺たちは自己紹介をする。
「聞かない名前だが……もしかして最近冒険者になったのか?」
「ああ、今日なったばかりだよ」
「そうなのか……なら、ランクが上がったら俺たちのパーティーに入らないか?」
リチャードが俺を勧誘してくる。しかし、俺はすでに決まっている。
「ありがたいけど遠慮しておくよ」
「そうか……残念だな……」
俺たちは烈風の隼と別れてギルドに帰ってきた。受付に行くと、セレナさんが出迎えてくれた。
「お帰りなさいませカイトさん。薬草は採取できましたか?」
「ええ、それと魔物を討伐したので素材の買取をお願いします」
俺はヒュドラの死体を収納から取り出す。
「これは……ヒュドラ!? まさか一人で討伐したんですか!?」
セレナさんが驚愕する。
「はい、そうですけど……」
「す、すごいです! Sランク冒険者でも一人で討伐するのは難しいと言われていますのに……」
ヒュドラの買い取り額は50万ゴールドになった。10年は遊んで暮らせるほどの金額だ。
「しばらくはこれで食っていけるな」
「また魔物を討伐したら持ってきてくださいね」
セレナさんに見送られながら、俺たちは冒険者ギルドを後にした。
「最初の依頼が薬草拾いとは……なんとも地味じゃな」
リザは薬草探しに不満を漏らす。
「どんな依頼でも立派な仕事だ」
「まあ、そうじゃな」
リザは納得してくれたようだ。
「収納!」
【収納】スキルを発動させると、薬草だけが吸い込まれていく。
「相変わらず便利なスキルじゃのう」
リザは感心している。そして俺は次々と薬草を収納していった。
「これで依頼は達成じゃな」
ギルドに戻ろうとした時、誰かの叫び声がする。
「た……助けて!」
俺は声のする方に駆け出す。するとそこには無数の首を持つドラゴンがいた。
「ヒュドラか」
数グラムで巨象を死に至らしめる猛毒を持つドラゴン。討伐推奨ランクはSランクだ。
「どうするのじゃ?」
リザが尋ねてくる。
「決まってる……倒す!」
俺はヒュドラに向かって駆け出す。
「グォオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」
ヒュドラは俺を噛み殺そうとしてくるが、剣で首を切り落とした。しかし、切り落とされた根元から二つの首が生えてくる。
「縮地!」
俺は縮地でヒュドラの後ろに回り込むと、頭を切り落とした。そしてもう一度首を切り落とそうとしたが、すぐに再生してしまった。
「どうやら再生能力があるらしいな」
俺はヒュドラを鑑定する。すると、『不死』というスキルを保有していた。不死のスキルは、首を全て切り落とすか頭を全て潰すまで死なないらしい。
「厄介だな……」
俺がヒュドラを倒す方法に悩んでいると……リザが口を開く。
「いっそのこと押しつぶしてみるのじゃ」
俺はラインハルトを吸い込んだ時に手に入れたスキルを使ってみることにした。
「【重力球】」
上空に黒い重力の球が出現した。
「グォオオッ!?」
ヒュドラは重力に押しつぶされ、ぺちゃんこになった。
「し、信じらんねえ……あのヒュドラを一撃で倒すなんて……」
一部始終を見ていた冒険者が呆然としていた。
「助けてくれて、ありがとう!」
パーティーのリーダーらしき男が、俺にお礼を言ってくる。
「いや、気にしないでください」
「俺は【烈風の隼】のリーダー、リチャードだ」
「私はエルナよ」
「俺はイワン」
「俺はカイト、こっちがリザだ」
「よろしくなのじゃ」
俺たちは自己紹介をする。
「聞かない名前だが……もしかして最近冒険者になったのか?」
「ああ、今日なったばかりだよ」
「そうなのか……なら、ランクが上がったら俺たちのパーティーに入らないか?」
リチャードが俺を勧誘してくる。しかし、俺はすでに決まっている。
「ありがたいけど遠慮しておくよ」
「そうか……残念だな……」
俺たちは烈風の隼と別れてギルドに帰ってきた。受付に行くと、セレナさんが出迎えてくれた。
「お帰りなさいませカイトさん。薬草は採取できましたか?」
「ええ、それと魔物を討伐したので素材の買取をお願いします」
俺はヒュドラの死体を収納から取り出す。
「これは……ヒュドラ!? まさか一人で討伐したんですか!?」
セレナさんが驚愕する。
「はい、そうですけど……」
「す、すごいです! Sランク冒険者でも一人で討伐するのは難しいと言われていますのに……」
ヒュドラの買い取り額は50万ゴールドになった。10年は遊んで暮らせるほどの金額だ。
「しばらくはこれで食っていけるな」
「また魔物を討伐したら持ってきてくださいね」
セレナさんに見送られながら、俺たちは冒険者ギルドを後にした。
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