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学園に入学してから、初めての自由な休日がやってきた。私は、思い切って街に出かけることにした。


「楽しみだな」


そう呟きながら歩いていると、突然後ろから声をかけられた。振り向くとそこにはマシューがいた。彼は笑顔で言った。


「アリス! 奇遇だね」


私は嬉しくなって答えた。


「ええ! 休日に外出するなんて久しぶりだわ」


すると、マシューは言った。


「よかったら一緒に行かないかい?」


私は少し迷ったが、せっかくの機会なので承諾した。2人で並んで歩くうちに、私たちは自然と打ち解けていった。しばらく歩いているうちに、私たちは小さなカフェにたどり着いた。


「このお店、すごく雰囲気がいいわね」と私が言うとマシューは頷いた。


店内に入ると、そこには落ち着いた雰囲気が漂っていた。私たちは窓際の席に座ると、メニューを見ながら話し始めた。


「アリスは何にする?」とマシューが尋ねた。


私は少し考えてから言った。「そうね……私はパンケーキにしようかな」


するとマシューは微笑んで言った。「いいね! じゃあ僕はコーヒーとアップルパイにしよう」


2人で注文を終えると、私たちは談笑しながら待っていた。すると、マシューが突然話題を変えた。


「アリスは休日はいつも何をしているの?」


私は少し考えてから答えた。「そうね……読書をしたり、お菓子を作ったりすることが多いわ」


マシューは興味深そうに言った。「へえ! どんなお菓子を作るんだい?」


私は少し照れながら言った。「最近はマカロンにハマっているの。今度作ってあげようか?」


マシューは目を輝かせて言った。「ぜひお願いしたい!」


私たちはその後も様々な話題で盛り上がり、あっという間に時間が過ぎていった。カフェでの楽しいひとときを過ごした後、私たちは街を散策することにした。肩を並べて歩きながら、学園生活や趣味の話で盛り上がった。


街を歩きながら、私とマシューは様々な店を覗いていった。本屋、雑貨屋、古着屋……どの店も新鮮で面白かった。特に、小さなアンティークショップに入ったときは、2人とも目を輝かせた。


「ねえ、アリス。これ見て」とマシューが言った。彼は古びた懐中時計を手に取っていた。


「わぁ、素敵ね」と私は感嘆した。「まるで物語の中から飛び出してきたみたい」


マシューは微笑んで言った。「君らしい感想だね。物語好きなんだろう?」


私は少し驚いて尋ねた。「えっ、どうして分かったの?」


「君の部屋の本棚を見かけたことがあるんだ。すごくたくさんの本があったから」と彼は答えた。


私は照れくさそうに笑った。「そうなの。本当に本が好きなの」


その後も、私たちは様々な古い品々を見ながら、それぞれの思い出や想像を語り合った。時間が経つのも忘れるほど楽しい時間だった。

店を出た後、夕暮れ時になっていることに気がついた。オレンジ色に染まった空を見上げながら、マシューが言った。


「今日は本当に楽しかったよ、アリス」


私も同感だった。「私も。こんなに楽しい1日を過ごせるなんて思わなかったわ」


帰り道、私たちは少しゆっくりと歩いた。突然、マシューが立ち止まり、真剣な表情で私を見つめた。


「アリス、僕……」


彼が何か言いかけたその時、突然の雨が降り始めた。


「あっ!」と私たちは同時に声を上げた。


マシューは急いで上着を脱ぎ、私の頭の上にかざした。「急いで、あそこに屋根があるよ!」


私たちは雨宿りのために近くの軒下に駆け込んだ。息を切らしながらも、2人で顔を見合わせて笑い合った。


「ごめん、言いかけたことを忘れちゃった」とマシューが言った。


私は少し残念に思いながらも、「大丈夫よ。また今度教えてね」と答えた。


雨の中、私たちは肩を寄せ合いながら、雨上がりを待った。この予想外の展開が、今日という特別な1日にさらなる魔法をかけたように感じた。


学園に戻る頃には雨も上がり、夜空には星が輝いていた。別れ際、マシューが言った。


「また一緒に出かけよう」


私は嬉しくなって、「ええ、ぜひ」と答えた。


部屋に戻ってベッドに横たわりながら、今日1日の出来事を思い返した。マシューの優しさ、街での楽しい時間、突然の雨…全てが鮮明に蘇ってきた。


「素敵な1日だったな」


そうつぶやきながら、私は幸せな気持ちで目を閉じた。明日からの学園生活が、さらに楽しみになった気がした。
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