転生した悪役令嬢は破滅エンドを避けるため、魔法を極めたらなぜか攻略対象から溺愛されました

19

翌日、目が覚めるとルシアちゃんの顔が目の前にあった。


（あれ？ いつの間にか抱きつかれてる……）


ルシアちゃんは幸せそうな表情を浮かべながら眠っている。そんな彼女を見ているとなんだか微笑ましく思った。


（このまま寝かせておいてあげようかな……？）


私は彼女を抱きしめ返した後、再び目を閉じることにした……すると再び眠気がやってきたので、そのまま身を委ねたのだった……！


（ふわぁ……よく寝た）


たっぷり寝て気分爽快だ！ あ、そろそろ起きなきゃ！


「おはようございまますわー！」


私が起きたことに気が付いたルシアちゃんが元気に挨拶してくる。私も彼女に笑顔で挨拶を返した。


「おはよう、ルシアちゃん」


「クロエ様はよく眠れましたか？」


「うん！ 久しぶりにぐっすりと眠ったわ！」


昨日も忙しかったし、最近はゆっくり眠る時間もなかったもんね……たまにはこういう日があってもいいかもしれない。


「それは良かったですわ！ でも仕事に支障が出ないようにしないといけませんから、今日は一緒に頑張りましょうね！」


（そういえばまだ仕事中だった……！）


私は慌てて身支度を整えると、ルシアちゃんと一緒に仕事場へと向かった。


「皆さんおはようございます！」


私は奴隷たちに挨拶をする。彼らは元気よく返事をしてくれた。しかし、どこか元気がないように見える……何かあったのかな？


「クロエ様！ 実はですね……」


一人の奴隷が私に話しかけてくる。話を聞くとどうやら怪我をしてしまったらしい。なんでも昨晩の嵐で船が転覆しそうになったんだとか……。


「すぐに治癒魔法を！」


私はすぐに彼の怪我を治した。彼は何度も頭を下げながら感謝の言葉を述べてくる。


「いえいえ、気にしないでください。これが私の仕事ですから！」


私は笑顔で答えた。そしてその後、すぐに別の怪我人に治癒魔法をかけることにするのだった……！ 翌日。昨日よりもさらに多くの怪我人が現れた！


（どうしてこんなことになってるの……！？）


私が困惑する中、奴隷たちは忙しそうに動き回っていた！


（とにかく私も手伝わないと……！）


私はすぐに怪我人の治療に当たることにした。


「【究極治癒（アルティメット・ヒール）】！」


私の魔法が発動し、周囲にいる人々の傷を癒していく。


「ありがとうございます！」


奴隷たちは感謝の言葉を述べながら、また次の患者のもとへ向かっていった。


（みんな頑張ってるわね……！）


私も負けていられない！


（次はこっちの人の治療をしないと……！）


私は次々と運ばれてくる怪我人たちを順番に癒していった……そしてようやく一息つくことができたのだった……！


「お疲れ様です、クロエ様！ 今お茶をお持ちしますね！」


ルシアちゃんがお茶を持ってきてくれる。私はお礼を言ってそれを受け取った。暖かいお茶を飲むと、心が落ち着く気がした……！


「ふぅ……」


しばらく休憩した後、私は再び仕事に戻った。奴隷たちもまだ働いている最中だ！


「私も頑張らなくちゃ……！」


そして数時間後……ようやく全ての怪我人たちの治療を終えることができたのだった……！


「終わった……！」


思わず声が出てしまうほどに疲れ果てていた。しかしこれでひとまず安心だろう。そう思った瞬間、安堵感から思わず地面にへたり込んでしまった。


「クロエ様！ 大丈夫ですか！？」


ルシアちゃんが慌てて駆け寄ってくる。私は何とか立ち上がることができたが、まだ少しフラフラしていた。するとルシアちゃんは優しく微笑みながら私に言った。


「今日はゆっくり休んでください！」


今日の仕事はこれで終わりにしよう。そう思った私は奴隷たちに向かって声をかけた。


「皆さん！ 今日はありがとうございました！」


「いえ、こちらこそ……」


奴隷たちが口々に言う。その様子を見て、私は彼らとの絆が深まったような気がした……。


「それじゃあまた明日ね！」


「はい、おやすみなさいませ！」


私はルシアちゃんに見送られながら屋敷へと帰っていった……。