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数時間後、俺たちはエイルドン森林に到着した。


「よし、行くぞ」


「はい!」


俺たちは森の中へと入っていく。森の中は薄暗く不気味な雰囲気を醸し出していた。しばらく歩くとーーー目の前に巨大なクマの魔物が現れた!


「グルルル……」


その魔物は俺たちを睨みつけると、襲いかかってくる! 俺は剣を抜き放ち、構えた! そしてーーー斬撃を放つ!


ズバァアアンッ!!


斬撃がクマの魔物を切り裂く! するとクマの魔物はドシンと倒れ伏した。


「よし、倒したぞ!」


「やりましたね! カイト様!」


魔物から魔鉱石を剥ぎ取る。この調子で魔物を倒していったのだがーーー


「目的の10キロにはまだまだ遠いな……」


やはりその辺をうろついているような雑魚ではわずかな量の魔鉱石しか手に入れられない。


「魔鉱石はガインの爺さんが出した課題の一つだからな……もっと奥地に行く必要がある」


「そうですね……」


俺たちはさらに森の奥へと進んでいく。しばらく歩くと、巨大な魔物が現れた!


「グォオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」


遠吠えを上げながら出てきたのは、マンティコア。ライオンの体に、ヤギの頭と蛇の尻尾を持つ魔物だ。


「フィーナ、奴の注意を引きつけながら戦ってくれ! そして、俺が合図をしたらすぐにその場を離れてくれ!」


「分かりました!」


巨体だというのに俊敏な動きで、マンティコアがフィーナに飛びかかる! しかし彼女はそれをひらりとかわし、最小限の動きで攻撃を避ける。


「今だ!」


フィーナが離れた瞬間、俺は斬撃を放った!


ズバァアアンッ!!


斬撃はマンティコアに命中し、その体を斬り裂く!


「グォオオッ!!」


背後からの一撃には、さすがのマンティコアも怯んだようだ。俺はさらに斬撃を繰り出す!


ズバァアアンッ!!


斬撃が命中すると、マンティコアは地面へと崩れ落ちるのであった。


「すごいです、カイト様」


「俺一人じゃ倒せなかった、フィーナのアシストのおかげだ」


「そ、そんな! カイト様がいたからこそですよ!」


フィーナは頰を赤らめて、モジモジとしている。俺はそんなフィーナの頭を撫でてあげた。


「このクラスの魔物となるとかなり大きいサイズの魔鉱石が期待できそうだな」


俺は地面に倒れているマンティコアの腹をナイフで裂き、魔鉱石を取り出そうとするのだが———


「お、女の子……?」


マンティコアの腹から出てきたのは、魔鉱石ではなく、小さな女の子だった。小さいと言っても、手のひらサイズくらいの大きさだ。


「カイト様、これってもしかして……」


「ああ、彼女は精霊のようだ」


おそらく寝ているところをマンティコアに喰われてしまったのだろう。


「ふぁ~。よく寝た~」


マンティコアから助けた精霊は目を覚ましたようだ。眠そうな目をこすっている。俺は彼女に声をかけた。


「大丈夫か?」


「え? あ、うん! もう大丈夫だよ!」


彼女は元気よく返事をしてくれる。俺は彼女を手のひらの上に乗っけてあげた。


「ふぅ~助かったよ~! 危うく死んじゃうとこだった! あ、おにーさんありがとう!」


精霊はペコリと頭を下げてきた。俺たちも彼女にお礼を言う。


「君が無事で良かったよ」


「えへへ、ありがとう! ボクはアイシャっていうの!」


アイシャと名乗った精霊は自己紹介をしてくれる。


「お礼にこれあげる!」


アイシャが指で円を描くと、空中に魔法陣が出現し、そこから魔鉱石が出てきた!


「これは……魔鉱石!?」


「うん、そうだよ! ボクを助けてもらったお礼!」


アイシャはニコニコと笑っている。俺は魔鉱石を手に取った。それは今まで見たことがないくらい大きく、美しい輝きを放っていた。こんな大きさの魔鉱石は見たことがない。


「……本当に貰っていいのか? これはかなりの価値があるぞ」


「いいよ! おにーさんたちには命を助けてもらったからね!」


だからといって、さすがにこれを無償で貰うわけにはいかないだろう。


「その代わりになにかして欲しいことはないか?」


「ん? して欲しいこと?」


「ああ、なんでもいいぞ」


するとアイシャは顎に手を当てて考え込み始めた。しばらく経ってから彼女は口を開く。


「それじゃあさ……ボクを仲間に入れてよ!」


思いがけない提案だった。俺はフィーナの方を見ると、彼女も驚いた表情を浮かべている。どうやら彼女もこの展開は予想外だったようだ。


「どうして俺たちに?」


「おにーさん、すごく強いし! おねーさんも可愛いし! 一緒に旅したら楽しそうって思ったんだ!」


俺とフィーナは顔を見合わせた。彼女が俺たちに危害を加える気配はなさそうだ。それに精霊の助けがあれば、魔鉱石を簡単に手に入れられるかもしれない。


「分かった、君を俺たちの仲間にしよう」


「ほんと!? やったー!!」


アイシャはぴょんぴょんと飛び跳ねて喜んでいる。俺は彼女を手のひらの上に乗っけてあげた。


「これからよろしくね! おにーさん、おねーさん!」


こうして俺たちは新たな仲間を得たのだった。
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