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夏の風が芝生を撫でる音が静かに響く午後。広々とした庭園の中央で、ステファニーが真剣な表情でボールを握りしめていた。傍らには、鮮やかな赤い瞳を持つクロエが立ち、優しく見守っている。
「さあ、カイン! 取ってきて!」
ステファニーの手から放たれたボールが、緩やかな弧を描いて芝生の上に落ちる。ゴールデンレトリバーのカインは、のんびりとした足取りでボールに向かっていった。クロエは手にした干し肉を小さく分け、一片をステファニーに渡しながら静かに指示を与えた。
「カインが戻ってきたら、まずボールを受け取って、たくさん褒めてあげましょう。その後でご褒美をあげるのです」
「こんな小さいので満足するかしら?」クロエの手のひらの上の小さな干し肉を見ながら、ステファニーが首を傾げる。
「これは満足感のためではなく、良い行いを認識させるためのものですから」クロエは穏やかに説明した。
二人が小声で話している間に、カインがボールをくわえて戻ってきた。ステファニーは素早くボールを受け取ると、大げさなまでの喜びようで犬を褒め始めた。
「凄いわ! カイン、とってもいい子! 最高よ!」
やや度が過ぎる褒め方に、クロエは密かに苦笑を浮かべながらも、その様子を温かく見守った。ステファニーの無邪気な声が庭に響き、カインの頭を優しく撫でる手つきには愛情が溢れていた。
「もう一度投げてみましょう。同じことを何度も繰り返すことで、覚えていくものですから」
クロエの言葉に、ステファニーは真剣な表情で頷いた。そしてカインに向き直ると、再びボールを投げた。先ほどと同じ緩やかな弧を描いて飛んでいくボールが芝生の上に落ちると、カインは小さく吠えて駆け出した。それを見届けた後、クロエが優しく微笑む。
「ほら、ちゃんとわかりましたでしょう?」
その言葉にステファニーも納得した様子で微笑んだ。犬が戻ってきたら褒めることを忘れずに……というアドバイスを付け加えながら、クロエは満足げに頷いた。
「ありがとう、クロエ! 私、もっと練習するわ」
ステファニーの元気な声とカインの嬉しそうな鳴き声が響き渡る中、二人の小さな特訓は続いていった。夏の午後の日差しが降り注ぐ中、犬と少女の笑い声は庭園に響き渡っていた。
「そろそろお昼にしましょう」
しばらく続けていると、ロザリーがバスケットを手に2人の元へと向かってくる。ランチを持ってきてくれたようで、庭にテキパキとテーブルと椅子が設置され、その上にサンドウィッチやフルーツを並べる。
「ありがとう、ロザリー」ステファニーが笑顔で礼を言うと、クロエもそれに続く。
「ありがとうございます、ロザリーさん」
2人の言葉を受けてロザリーは微笑み返す。そして3人は木陰に用意されたテーブルを囲みながら昼食を始めた。
「このサンドウィッチ美味しい!」
ステファニーが目を輝かせて言う。その反応を見て、クロエは嬉しそうに微笑む。「それは良かったです」と答えつつ、自分も一口食べると確かに美味しく出来上がっていた。
「カインも食べる? おいしいよ」ステファニーが声をかけると、カインは嬉しそうに尻尾を振る。その様子を見てクロエも微笑ましく思う。ロザリーが用意してくれた紅茶を飲みながら、穏やかな時間が過ぎていく。
「午後は何をして過ごしましょうか?」ステファニーが問いかけると、クロエは考える素振りをした。
「そうですね……迷路を作ってみましょうか?」
その言葉にロザリーが驚いた表情を見せる。「お嬢様、それはさすがに……」と言いかけたところで、クロエが遮る。
「大丈夫ですわ、ロザリーさん」
彼女はそう言って微笑むと、ステファニーの方に向き直った。
「では、まずこの庭を3つに区切って……そうですわね、カインの小屋から東に10歩ほど進んだ場所に目印となる木を立てましょう」
そう言いながら彼女は地面に図を描いていく。その様子を見てロザリーは感心したように呟いた。「お嬢様は、本当に何でもできるんですね」その言葉にクロエは苦笑を返す。
「そんなことありませんわ。これくらいのことなら、誰でもできますよ」
そう言って謙遜するが、それでも彼女の能力の高さには感心させられる。ロザリーは改めて尊敬の眼差しで主人を見つめた。
「さあ、これで準備ができましたわ」
クロエの言葉にステファニーが目を輝かせる。そして早速とばかりに犬に声をかける。カインもまた尻尾を振って駆け回ると、言われた場所まで行ってお座りをした。その様子を見て、ロザリーは感心すると同時に少し心配になった。
「お嬢様、大丈夫でしょうか?」
不安げな表情を浮かべる彼女に、クロエは安心させるように微笑みかけた。
「心配ありませんわ」そう言いながら彼女は犬に近づき、頭を撫でながら指示を出す。カインはその言葉を理解しているのか、立ち上がって歩き始めるとゆっくりと10歩進んだところで再びお座りをした。その様子にステファニーが拍手を送るとクロエも嬉しそうに微笑む。
「すごい! ちゃんと覚えてるのね!」
興奮した様子ではしゃぐ少女に、クロエは優しく声をかける。
「次はロザリーさんがやってみますか?」
その言葉にロザリーは驚いた表情を見せるが、すぐに笑顔になる。そして大きく頷いた後、ステファニーと一緒に犬の元へ向かう。
「さあカイン! こっちよ!」
ステファニーが呼ぶと、犬は嬉しそうに駆け回る。その様子を見てクロエも思わず笑みをこぼす。
「それではロザリーさん。お願いします」彼女は静かに言った。その目は真っ直ぐに彼女を見つめている。ロザリーは小さく深呼吸をして心を落ち着けると、犬に向かって声をかけた。
「こっちよ」
その言葉に反応し、カインはお座りをしてロザリーを待つ。彼女はゆっくりと近づいていき、そっと手を伸ばした。するとカインはその手の匂いを嗅ぎ、安心した様子で頭を擦り付けた。その様子にロザリーも安堵の表情を浮かべる。
「良かった……ちゃんと覚えてくれたみたいですね」
そう言って微笑む彼女に、クロエは優しく微笑んだ。ステファニーとロザリーの努力が報われた瞬間だった。そしてこの経験を通じて2人の絆も深まっていくことだろう。
夏の日差しは、そんな3人を温かく包み込んでいた。その笑い声と笑顔に包まれながら、午後の時間はゆっくりと過ぎていった。
「お嬢様、そろそろお戻りになりますか?」
日が傾き始めた頃、ロザリーはクロエに声をかけた。彼女は名残惜しそうにしながらも小さく頷いた。
「そうですね……あまり遅くなってもいけませんし、戻りましょう」
そう言って彼女は立ち上がり、スカートについた汚れを払う。その様子をステファニーが心配そうに見ていた。「大丈夫?」と声をかけられてクロエは微笑みを浮かべる。
「ええ、心配いりませんわ」そう答えるものの、やはり少し疲れが見えるようだったので、ロザリーは彼女の手を取った。
「お嬢様、お手を失礼します」そう言ってロザリーは優しくエスコートする。クロエもまた素直にそれに従い歩き出した。
帰り道では3人とも言葉少なに歩いていたが、その空気は決して重苦しいものではなかった。お互いの信頼と理解が深まったからこそ、沈黙さえも心地よく感じられたのだ。
「ありがとう、ロザリー」屋敷に戻る道すがら、クロエは静かに呟いた。その言葉にロザリーは微笑みを返す。
「こちらこそ、ありがとうございます」
その短いやり取りの中に多くの意味が込められていた。それは言葉以上の意味を持つものであり、お互いに通じ合っていることを実感させるものだった。この経験を通じて、彼女たちの絆はさらに強固なものとなったのである。
「さあ、カイン! 取ってきて!」
ステファニーの手から放たれたボールが、緩やかな弧を描いて芝生の上に落ちる。ゴールデンレトリバーのカインは、のんびりとした足取りでボールに向かっていった。クロエは手にした干し肉を小さく分け、一片をステファニーに渡しながら静かに指示を与えた。
「カインが戻ってきたら、まずボールを受け取って、たくさん褒めてあげましょう。その後でご褒美をあげるのです」
「こんな小さいので満足するかしら?」クロエの手のひらの上の小さな干し肉を見ながら、ステファニーが首を傾げる。
「これは満足感のためではなく、良い行いを認識させるためのものですから」クロエは穏やかに説明した。
二人が小声で話している間に、カインがボールをくわえて戻ってきた。ステファニーは素早くボールを受け取ると、大げさなまでの喜びようで犬を褒め始めた。
「凄いわ! カイン、とってもいい子! 最高よ!」
やや度が過ぎる褒め方に、クロエは密かに苦笑を浮かべながらも、その様子を温かく見守った。ステファニーの無邪気な声が庭に響き、カインの頭を優しく撫でる手つきには愛情が溢れていた。
「もう一度投げてみましょう。同じことを何度も繰り返すことで、覚えていくものですから」
クロエの言葉に、ステファニーは真剣な表情で頷いた。そしてカインに向き直ると、再びボールを投げた。先ほどと同じ緩やかな弧を描いて飛んでいくボールが芝生の上に落ちると、カインは小さく吠えて駆け出した。それを見届けた後、クロエが優しく微笑む。
「ほら、ちゃんとわかりましたでしょう?」
その言葉にステファニーも納得した様子で微笑んだ。犬が戻ってきたら褒めることを忘れずに……というアドバイスを付け加えながら、クロエは満足げに頷いた。
「ありがとう、クロエ! 私、もっと練習するわ」
ステファニーの元気な声とカインの嬉しそうな鳴き声が響き渡る中、二人の小さな特訓は続いていった。夏の午後の日差しが降り注ぐ中、犬と少女の笑い声は庭園に響き渡っていた。
「そろそろお昼にしましょう」
しばらく続けていると、ロザリーがバスケットを手に2人の元へと向かってくる。ランチを持ってきてくれたようで、庭にテキパキとテーブルと椅子が設置され、その上にサンドウィッチやフルーツを並べる。
「ありがとう、ロザリー」ステファニーが笑顔で礼を言うと、クロエもそれに続く。
「ありがとうございます、ロザリーさん」
2人の言葉を受けてロザリーは微笑み返す。そして3人は木陰に用意されたテーブルを囲みながら昼食を始めた。
「このサンドウィッチ美味しい!」
ステファニーが目を輝かせて言う。その反応を見て、クロエは嬉しそうに微笑む。「それは良かったです」と答えつつ、自分も一口食べると確かに美味しく出来上がっていた。
「カインも食べる? おいしいよ」ステファニーが声をかけると、カインは嬉しそうに尻尾を振る。その様子を見てクロエも微笑ましく思う。ロザリーが用意してくれた紅茶を飲みながら、穏やかな時間が過ぎていく。
「午後は何をして過ごしましょうか?」ステファニーが問いかけると、クロエは考える素振りをした。
「そうですね……迷路を作ってみましょうか?」
その言葉にロザリーが驚いた表情を見せる。「お嬢様、それはさすがに……」と言いかけたところで、クロエが遮る。
「大丈夫ですわ、ロザリーさん」
彼女はそう言って微笑むと、ステファニーの方に向き直った。
「では、まずこの庭を3つに区切って……そうですわね、カインの小屋から東に10歩ほど進んだ場所に目印となる木を立てましょう」
そう言いながら彼女は地面に図を描いていく。その様子を見てロザリーは感心したように呟いた。「お嬢様は、本当に何でもできるんですね」その言葉にクロエは苦笑を返す。
「そんなことありませんわ。これくらいのことなら、誰でもできますよ」
そう言って謙遜するが、それでも彼女の能力の高さには感心させられる。ロザリーは改めて尊敬の眼差しで主人を見つめた。
「さあ、これで準備ができましたわ」
クロエの言葉にステファニーが目を輝かせる。そして早速とばかりに犬に声をかける。カインもまた尻尾を振って駆け回ると、言われた場所まで行ってお座りをした。その様子を見て、ロザリーは感心すると同時に少し心配になった。
「お嬢様、大丈夫でしょうか?」
不安げな表情を浮かべる彼女に、クロエは安心させるように微笑みかけた。
「心配ありませんわ」そう言いながら彼女は犬に近づき、頭を撫でながら指示を出す。カインはその言葉を理解しているのか、立ち上がって歩き始めるとゆっくりと10歩進んだところで再びお座りをした。その様子にステファニーが拍手を送るとクロエも嬉しそうに微笑む。
「すごい! ちゃんと覚えてるのね!」
興奮した様子ではしゃぐ少女に、クロエは優しく声をかける。
「次はロザリーさんがやってみますか?」
その言葉にロザリーは驚いた表情を見せるが、すぐに笑顔になる。そして大きく頷いた後、ステファニーと一緒に犬の元へ向かう。
「さあカイン! こっちよ!」
ステファニーが呼ぶと、犬は嬉しそうに駆け回る。その様子を見てクロエも思わず笑みをこぼす。
「それではロザリーさん。お願いします」彼女は静かに言った。その目は真っ直ぐに彼女を見つめている。ロザリーは小さく深呼吸をして心を落ち着けると、犬に向かって声をかけた。
「こっちよ」
その言葉に反応し、カインはお座りをしてロザリーを待つ。彼女はゆっくりと近づいていき、そっと手を伸ばした。するとカインはその手の匂いを嗅ぎ、安心した様子で頭を擦り付けた。その様子にロザリーも安堵の表情を浮かべる。
「良かった……ちゃんと覚えてくれたみたいですね」
そう言って微笑む彼女に、クロエは優しく微笑んだ。ステファニーとロザリーの努力が報われた瞬間だった。そしてこの経験を通じて2人の絆も深まっていくことだろう。
夏の日差しは、そんな3人を温かく包み込んでいた。その笑い声と笑顔に包まれながら、午後の時間はゆっくりと過ぎていった。
「お嬢様、そろそろお戻りになりますか?」
日が傾き始めた頃、ロザリーはクロエに声をかけた。彼女は名残惜しそうにしながらも小さく頷いた。
「そうですね……あまり遅くなってもいけませんし、戻りましょう」
そう言って彼女は立ち上がり、スカートについた汚れを払う。その様子をステファニーが心配そうに見ていた。「大丈夫?」と声をかけられてクロエは微笑みを浮かべる。
「ええ、心配いりませんわ」そう答えるものの、やはり少し疲れが見えるようだったので、ロザリーは彼女の手を取った。
「お嬢様、お手を失礼します」そう言ってロザリーは優しくエスコートする。クロエもまた素直にそれに従い歩き出した。
帰り道では3人とも言葉少なに歩いていたが、その空気は決して重苦しいものではなかった。お互いの信頼と理解が深まったからこそ、沈黙さえも心地よく感じられたのだ。
「ありがとう、ロザリー」屋敷に戻る道すがら、クロエは静かに呟いた。その言葉にロザリーは微笑みを返す。
「こちらこそ、ありがとうございます」
その短いやり取りの中に多くの意味が込められていた。それは言葉以上の意味を持つものであり、お互いに通じ合っていることを実感させるものだった。この経験を通じて、彼女たちの絆はさらに強固なものとなったのである。
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