「お前のような奴とは結婚できない」と婚約破棄されたので飛び降りましたが、国を救った英雄に求婚されました

18

ある日のこと、私は森で薬草を集めていました。すると、どこからか小さな鳴き声が聞こえてきました。声のする方向を見ると、一匹の猫がうずくまっているのを見つけました。


「大丈夫かな？」と心配になり、私は近づいてみました。その猫は怪我をしているようでした。


「大変！ 早く手当てしてあげないと」


私は慌てて家に戻りました。そして救急箱を持って戻ります。


「これでよし！」


応急処置を済ませた後、猫を抱き上げて優しく話しかけます。


「大丈夫だよ、すぐによくなるからね」


しばらく待っていると、猫が目を覚ましました。私は安心しながら話しかけます。


「よかった！ もう大丈夫だよ！」


しかし、猫は鳴き声を上げるだけで何も答えません。どこか元気がなさそうな様子です。よく見ると体は痩せこけていて、毛並みも汚れています。お腹を空かしているのではないかと思い、私はご飯を用意してあげることにしました。


「ちょっと待っててね」と言ってキッチンに向かいます。冷蔵庫からミルクを取り出し、皿に注いで猫の前に置いてあげます。すると、猫はゆっくりと飲み始めました。


「よかった！ 元気になったみたい！」


私はほっと胸を撫で下ろします。そして再び猫を抱き上げると、今度は優しく撫でながら話しかけました。


「もう大丈夫だからね」


しばらくそうしていると、猫はまた眠りにつきました。私も一緒に横になり、そのまま一緒に寝てしまいました。翌朝、目が覚めると隣には昨日の猫がいました。どうやら一晩中私の側にいてくれたようです。私は嬉しくなって思わず抱きつきます。


「ありがとう！ 助かったよ」


すると、猫が「にゃあ」と鳴きました。私はますます嬉しくなって、しばらくそのまま抱っこしていました。それからしばらくして、私は猫に名前をつけようと思いました。


「そうだ！ 君の名前は『ルーク』にしよう！」そう言うと、猫は嬉しそうに鳴きました。そして私の肩に飛び乗ってきます。その日から私と猫の不思議な共同生活が始まりました。


ルークはとても賢くて優しい子でした。いつも私のために頑張ってくれるし、私が落ち込んでいるときは慰めてくれます。ご飯を用意するのも手伝ってくれるし、一緒に遊ぶことも大好きです。


「ルーク、本当にありがとうね。君がいてくれて本当に助かってるよ」と、ある日私はルークに感謝の気持ちを伝えました。ルークは「にゃあ」と鳴きながら私の顔を舐めてくれました。その温かい行為に、私はますますルークが大好きになりました。


そんなある日、同級生のリリアが私を訪ねてきました。リリアは幼なじみで、学校では私の唯一の親友です。


「こんにちは、リリア。どうしたの？」と私は玄関で出迎えました。


リリアは笑顔を浮かべながら、「久しぶりにおしゃべりしに来たの。最近どうしてる？」と答えました。


リビングに通し、ルークも一緒にお茶を楽しみながら、お互いの近況を話し合いました。リリアは最近、村の図書館で働き始めたとのこと。彼女の話に耳を傾けながら、ルークはリリアの膝に飛び乗り、彼女をじっと見つめました。


「かわいい猫ね。名前は？」とリリアが尋ねました。


「ルークっていうの。森で怪我しているところを見つけて、それ以来ずっと一緒にいるの」と私は答えました。


「素敵な名前ね。賢そうだし、君にぴったりのパートナーね」とリリアが微笑みました。


その時、突然、リリアの表情が曇り、真剣な声で話し始めました。「実は、最近村で奇妙なことが起こってるの。村の人々が次々と原因不明の病気にかかっているの。」


私は驚いて、「それは大変だわ。何か手伝えることはないかしら？」と問いかけました。


リリアは頷き、「実は、村の図書館で古い書物を調べていたら、伝説の薬草について書かれたページを見つけたの。もしその薬草が手に入れば、村の人々を助けられるかもしれないと思って」と言いました。


「その薬草のことを教えて。私も手伝うよ」と私は即答しました。


リリアは書物を取り出し、薬草の詳細を見せてくれました。「この薬草は『月光の花』と呼ばれていて、満月の夜にしか咲かないと言われているの。森の奥深くに生えているらしいけど、正確な場所はわからないの」と説明しました。


「満月の夜はもうすぐだわ。私たちで探しに行こう」と私は決意を固めました。ルークもその場で「にゃあ」と鳴いて、まるで賛成しているかのようでした。


満月の夜、リリアと私は森の奥深くへと足を踏み入れました。ルークも一緒に、私たちの道案内をするかのように前を歩いています。森の中は不気味で静まり返っており、月光が木々の間から淡く差し込んでいました。

しばらく歩くと、不意にルークが足を止め、前方を見つめて「にゃあ」と鳴きました。その先には、小さな光が揺らめいているのが見えました。私たちが近づくと、そこには美しい白い花が咲いていました。月光に照らされて輝くその花こそ、伝説の『月光の花』でした。


「見つけたわ！」とリリアが喜びの声を上げました。


慎重に花を摘み取り、私はリリアに手渡しました。「これで村の人たちを助けられるわね」と私は言いました。


リリアは感謝の言葉を述べ、「本当にありがとう。これで皆を救えるわ」と微笑みました。


村に戻ると、リリアはすぐに『月光の花』を使って薬を調合し、村の人々に配りました。次々と村人たちが回復し、村は再び平穏を取り戻しました。


私は、ルークとリリアと共にこの冒険を乗り越えたことに深い満足感を覚えました。ルークが私の肩に飛び乗り、優しく「にゃあ」と鳴きました。それはまるで、「よくやったね」と言っているようでした。