「お前のような奴とは結婚できない」と婚約破棄されたので飛び降りましたが、国を救った英雄に求婚されました

12

翌日、私はいつものように学校に向かうことにした。教室に入るとクラスメイトたちが挨拶をしてくれるので私もそれに応えながら自分の席に着くことにする。するとそこには既にカイト様が座っていた。


「おはようフィーナ」


そう言って笑顔を見せる彼に対して私も笑顔で挨拶を返すと、そのまま会話を続けることにしました。しばらく雑談をしているうちにチャイムが鳴り先生が入ってきたので授業が始まります。


「今日は皆さんに新しいお友達を紹介したいと思います」


先生がそう言うと一人の生徒が前に出てきた。その人は以前、魔法生物研究部で一緒に活動したサブリナさんだった！彼女もマンドレイクを育てていることを思い出しながら挨拶を返すことにする。


「フィーナちゃん久しぶり～！ 元気してた？ また会えて嬉しいよ！」


そう言いながら私の手を取る彼女に対して戸惑いながらも笑顔で応えることにした。


「はい！ こちらこそまたお会いできて嬉しいです！」


私がそう言うとサブリナさんは嬉しそうに微笑んでくれた。


「今日は中級魔法の授業を行いたいと思います」


先生の言葉に生徒たちから歓声が上がる。私もワクワクしながら授業を受けていた。しばらくすると、先生が私たちに指示を出し始めた。


「それでは皆さん、ペアを組んでください」


その言葉を受けて周りの子たちが次々とペアを作っていく中、私はカイト様と組むことにした。サブリナさんの方を見ると彼女もすでに別の子と手を取り合っているようだ。その様子を見てホッとしていると先生に声をかけられた。


「ではフィーナさん、私と一緒にやりましょうか」


そう言われて先生の元へ向かうと、そこにはたくさんの植物が置かれていた。


「さぁ、まずはマンドレイクのお世話から始めましょう」


先生がそう言うと私たちは作業を始めた。私はサブリナさんの様子を見るが、彼女も順調に進めているようだったので安心する。そして授業が終わると、サブリナさんが話しかけてきた。


「フィーナちゃん、よかったらこの後一緒にお茶しない？ いいお店を見つけたんだけど……」


そう言って誘ってくる彼女に私は笑顔で答えた。


「はい！ 喜んで！」


そんなやり取りをしているとリリアさんがやってきた。彼女は私たちを見て言った。


「あら、二人とも仲がいいわね。私も一緒に行っていいかしら？」


「もちろんです！」


私は笑顔で答えると三人で喫茶店に向かうことにした。店内に入り席に着くと早速注文をすることにする


「フィーナちゃんは何頼む？ 遠慮しないで好きなの頼んでいいよ」


サブリナさんが気を使ってくれたので私はお言葉に甘えることにした。しばらく悩んだ末に決めたものはミルクティーだった。それを告げるとリリアさんも注文をしてくれたようで数分後には全員分の飲み物が届いた。一口飲んでみるととても美味しく、思わず笑みがこぼれてしまうほどだった。そんな私たちの様子を見てリリアさんも微笑んでいるようだった。その後は雑談をしながら楽しく過ごしたのだが、途中でサブリナさんがこんなことを言い出した。


「ねぇフィーナちゃん、カイトくんとはどこまで進んだの？」


突然の質問に動揺してしまう私だったが何とか平静を装って答えることにした。


「えっと……その……まだお付き合いしている訳ではありませんが……」


私がそう言うとサブリナさんは目を輝かせた。そして私の手を取ると言った。


「じゃあさ！ 今度二人でデートとかしてみたらどうかな？」


その言葉に私は恥ずかしくなって俯いてしまう。そんな私の様子を気にすることなくサブリナさんは続けた。


「きっとカイトくんも喜んでくれると思うんだよね～！ あ、でももしダメだったら私が慰めてあげる！」


そう言って笑う彼女につられて私も笑ってしまった。その後も会話を続けているうちに時間が過ぎていったのだった……。