「お前のような奴とは結婚できない」と婚約破棄されたので飛び降りましたが、国を救った英雄に求婚されました

3

翌日、ベットから起き上がると、朝食の用意ができていた。


「おはようフィーナ」


カイト様が私に言う。私は挨拶をした。


「おはようございます、カイト様」


朝食は焼きたてのパンやサラダ、スープなどが並んでいた。どれも美味しそうだ。そして私たちは席についた。そして二人揃って食事をするのだった――。


「今日の予定は8時から座学、13時から乗馬訓練、16時から剣術の訓練となっております」


メイドのメイさんが私にそう伝えてくれる。


「わかりました」


今日は座学の日らしい。私は早速机に向かった。カイト様はお仕事をなさっているため、一緒に勉強するわけにはいかないのだ。そのため一人で勉強するしかないのである。


「ふう……」


二時間後、ようやく今日の分の課題が終わった。私は少し休憩することにした。するとそこにメイさんがやってきた。


「フィーナ様、よろしければお茶とお菓子をお持ちいたしますが？」


「お願いします」


「かしこまりました」


そう言うとメイさんは部屋を出ていった。そして数分後、お盆にティーポットとカップを乗せて戻ってきた。


「こちらでございます」


「ありがとうございます」


私はお礼を言ってお茶を受け取り、一口飲む。うん、美味しい。するとドアが開きカイト様が入ってきた。


「フィーナ、頑張っているか？」


「はい！」


「そうか、それは良かった。少し休憩しなさい」


「はい！」


こうして私は10分ごとに休憩を取りながら勉強を続けた。時刻は夜7時、夕食の時間である。


「本日のお食事はこちらでございます」


そう言ってメイさんが机の上に料理を並べていく。美味しそうだ。私は早速食べ始めることにした。


「いただきます」


まずはスープを口に運ぶ。美味しい。次はサラダだ。シャキシャキしていて食感もいいし、ドレッシングの味も最高だ。そしてメインディッシュのチキンソテーを食べる。これもとても美味しかった。最後にデザートのプリンを食べ終えると夕食の時間が終わった。


「ごちそうさまでした」


夕食を食べ終えた後は、私は自分の部屋に戻ることにした。カイト様はまだ書斎でお仕事をしているので、私は一人で過ごす時間が多い。けれど、そんな時間も悪くない。少しだけ、自分自身と向き合う時間が持てるからだ。部屋に戻ると、私はベッドに腰を下ろし、窓の外を見る。夜の静寂が広がり、月が明るく照らしている。星も輝いていて、とても美しい光景だ。


「今日は一日、いろいろと頑張ったなぁ……」


自分自身を褒めるように、そうつぶやく。そして、メイドのメイさんが持ってきてくれたお茶の残りを飲み干し、ほっと一息つく。お茶の温かさが心地よく、疲れが少しだけ癒される気がした。


その時、ノックの音が聞こえた。


「どうぞ」


ドアが開くと、カイト様が入ってきた。


「フィーナ、まだ起きていたのか」


「はい、カイト様。今日は一日、充実していました」


「そうか、それは良かった。明日も頑張ろうな」


「はい、カイト様もお疲れ様でした」


カイト様は微笑んで、私の頭を軽く撫でてくれた。その温かい手の感触に、私は少しだけ心が和む。カイト様の優しさに支えられていることを改めて感じた。


「それじゃ、おやすみ」


「おやすみなさい、カイト様」


カイト様が部屋を出て行くと、私はベッドに横たわり、布団をかける。心地よい疲労感が全身に広がり、まぶたが重くなる。


「明日も、いい一日になりますように……」


そう願いながら、私はゆっくりと目を閉じた。部屋の中は静かで、外の風が窓を揺らす音だけが聞こえる。安心感に包まれながら、私はすぐに深い眠りに落ちていった――。