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それから俺たちは行きつけの食堂で夕飯を食べることにした。

ドラゴンの素材は高く売れたので、普段食べない高い料理を頼むことにした。


「シロは食べたいものあるか?」


「わふ!」


シロは嬉しそうに鳴いた。どうやら俺と同じものが食べたいらしい。

注文をしてしばらくすると料理が運ばれてきた。キングバッファローのステーキセットである。


「いただきます」


俺はナイフで肉を切り分けてから口に運んだ。柔らかくて美味しい。さすがキングバッファローの肉だ。普段食べることができない高級食材というのも納得できる味だった。


「わふ!」


シロも美味しそうに肉を食べている。そんな時、隣の席の冒険者の会話が聞こえてきた。


「おい! あそこにいるのは『最弱テイマー』じゃねえか?」


どうやら俺のことをバカにしているらしい。だが俺には関係のないことだ。無視しておこう。


「おい! 聞いてんのかよ!」


しかし、男達は俺の反応が気に入らなかったのか突っかかってきた。


「なんなんですか?」


正直、面倒な奴らに関わられるのは御免だった。だが男達はそんな俺の気持ちなどお構いなしに話を続ける。


「お前みたいな弱そうな奴がなんでドラゴンを倒したんだよ!」


「そうだ! どうせ他の冒険者から奪ったんだろ!」


そんな的外れな発言をして笑っていた。俺としてはさっさと立ち去って欲しいのだが、相手はそれが気に入らないらしい。


「おい! 聞いてるのか!」


そう言いながら、俺の胸ぐらを掴んでくる。


「やめろ」


するとシロが男の手を嚙んだ。


「痛ぇっ!」


男は手を引っ込めて、傷口を手で押さえる。そして慌てて店から出ていった。


「わふ?」


シロはどうしたの?と言いたげに首を傾げた。


(いや、助かったけどさ……)


正直言って怖かったのでホッとした気持ちもあるのだが、もう少し穏便に済ませることができないものかと思ってしまう。まあ相手は冒険者だし、仕方ないといえば仕方ないのだが。


「わふわふ」


シロは気にしないでと言わんばかりに吠える。シロが俺を守ってくれたことは嬉しかったし、その気持ちは素直に受け止めたいと思う。

それから俺たちは食事を終えてから帰ることにした。
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