「お前はもう不要だ」と婚約破棄された聖女は隣国の騎士団長に拾われ、溺愛されます

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「今日から騎士団の治癒係として働くことになったソフィアだ」


「ソフィアと申します。よろしくお願いします」


私はぺこりと頭を下げると、騎士団のみんなが拍手してくれた。


「こちらこそよろしくね。俺は副団長のレオナルドだ」


ロバートさんは二十代後半くらいの若い男性だ。茶髪で、爽やかな印象を受ける。


「私は副団長補佐のエマです。よろしくお願いしますね」


エマさんは私と同じくらいの女性で、長い金髪を三つ編みにしているのが特徴的だ。とても優しい人で、すぐに打ち解けることができた。


「私は治癒師長のバーンズだ。君の仕事は主に負傷者の治療や怪我人の治療だよ」


「わかりました」


私は早速仕事に取り掛かることにした。まずは怪我をした兵士を治す。


「傷を見せてください」


「ああ、頼むよ」


治癒魔法を発動すると、たちまち彼の傷が癒えていく。これでもう大丈夫だ。


「ありがとう！ もうどこも痛くないよ！」


「良かったです。他に何かお困りのことはありますか？」


「じゃあ飲み水をもらえるかな？ もう喉がカラカラでさ」


「わかりました。すぐに用意しますね」


私は魔法を使って、水の入った容器を用意した。彼は嬉しそうにそれを受け取ると一気に飲み干した。


「ぷはぁ！ 助かったよ！」


「お役に立てて良かったです」


それからも私は休むことなく働いた。怪我をした人を治し、食料が足りない人には食料を提供したりなどした。


「ふぅ……やっと今日の仕事が終わったわ」


「お疲れ様です。ソフィアさんのおかげで助かりました」


エマさんが労いの言葉をかけてくれる。私は照れくさくなって頬を赤らめた。


「そ、そんなことないですよ。私なんてまだまだ未熟者ですから……」


「そんなことありません。私たち騎士団員はみんなあなたに感謝していますよ」


そんな風に褒められると、なんだか照れ臭くなる。でも嬉しいことには変わりなかった。


「ここが君の住む宿舎だ」


それからしばらくしたある日、私はエドワードさんと一緒に騎士団の寮にやってきた。


「わぁ……ここが私の部屋ですか？」


「うん、そうだよ。自由に使っていいからね」


部屋にはベッドと机があり、クローゼットや本棚などもあった。とても過ごしやすそうだ。


「……あの、エドワードさん」


「ん？ なんだい？」


「どうして私を助けてくれたのですか？ 私はもう聖女じゃないんですよ……？」


ずっと気になっていたことを尋ねた。彼は私を助けてどうするつもりなのだろう？


「君を放っておけなかったからだよ。それに君はいい人だと思ったからね」


エドワードさんは笑顔で言う。彼は私のような元聖女にも優しくしてくれるのだ。


「ありがとうございます……」


私は思わず涙ぐんでしまった。その優しさがとても嬉しかったからだ。


「は、恥ずかしいところをお見せしました！」


涙を拭くと、私はペコリと頭を下げた。するとエドワードさんが笑い出した。


「あはは！ もう泣くことはないよ」


彼は笑いながら頭を撫でてくれた。恥ずかしかったけど、不思議と嫌ではなかった。


「これからよろしくお願いいたします」


「こちらこそよろしくね」


私はエドワードさんと握手を交わしたのだった……。