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翌日、俺たちは冒険者ギルドに来ていた。


「ナオトさん! 今日もダンジョンに行きましょうよ!」


フィーナが目を輝かせて言う。


「そうだな、行ってみるか」


俺たちはダンジョンへと向かった。そして、中へと入ると早速魔物が現れた。だが、ルシアが翼を広げると風圧だけで全ての魔物を吹き飛ばしてしまった。


「凄いな……」


俺は改めてルシアの力に驚く。その後もルシアの活躍によりサクサクと進んでいくことができた。そして、ボス部屋までたどり着く。そこには大きな扉があり、その前には二体の石像が立っていた。


「これは?」


「門番のようですね」


石像は身長2メートルはある巨大なゴーレムだった。二体のゴーレムが動き出すと同時に、ルシアが前に出た。


「ここは任せてください」


そう言うと、ルシアは翼を広げ空高く飛び上がる。そして口から炎を吐いて二体のゴーレムを焼き尽くした。


「流石だな」


俺は賞賛の言葉をかけると、次の階層へと進んだ。その後も次々と魔物を倒していくと、ついに最深部へとたどり着いた。そこには大きな扉が待ち構えていた。


「ボス部屋みたいですね」


「そのようだな」


扉を開けると、中には6つの腕を持つ巨人がいた。


「ルシア、いけるか?」


「お任せください」


ルシアは翼を広げると空高く飛び上がった。そして口から炎を吐いて攻撃する。巨人は怯んだ様子を見せたが、すぐに反撃を開始した。6本の腕を同時に振り下ろしてくるが、ルシアはそれを華麗にかわしていく。そして隙を見て再び炎を吐くと巨人は倒れた。


「流石ですね」


一人の男が近づいてきた。その男は漆黒のローブを身に纏っており、禍々しいオーラを放っている。


「何者だ?」


俺は問いかける。


「私はノワール。魔王軍の幹部の一人です」


「魔王軍だと!?」


「あなたにはここで死んでもらいます」


ノワールは杖を振り上げる。俺は咄嗟に剣を抜くと、ノワールの攻撃を受け止めた。


「流石ですね」


「ルシア!」


俺が叫ぶと同時にルシアは翼を広げると風を巻き起こして攻撃する。すると、ノワールの体は吹き飛ばされた。しかし、ノワールは空中でピタリと止まると何事も無かったかのように着地した。そして再び攻撃を仕掛けてくる。


「フィーナ、気をつけろ!」


「分かっていますよ」


フィーナはノワールの攻撃をかわしながら反撃を行う。だが、ノワールに攻撃が当たらない。どうやらあいつはスピードに特化したタイプらしいな。それならこちらもスピードを上げて一気に攻め立てるだけだ!


「〈限界突破〉」


俺は自身に限界突破を発動すると、一気に加速した。そして一瞬で間合いを詰めると剣を振り抜く。しかしノワールはギリギリのところで回避した。だが完全に避けきることはできずに腕を切り落とすことに成功した。


「くっ……まさかここまで強いとは……」


ノワールは悔しそうにしている。


「これで終わりだ!」


俺は剣を振りかぶると、一気に振り下ろした。しかし、ノワールはギリギリのところで回避すると距離を取る。そして杖を俺に向けた。


「〈死霊魔法〉」


すると、地面から無数のゾンビが現れた。その数は数百にも上るだろう。


「これは厄介だな……」


俺は剣を構えるとゾンビたちに向かっていった。だが、いくら倒しても次々と湧いてくるためキリがない。このままではジリ貧になってしまうだろう。


「ルシア、何か方法はないか?」


「任せてください!」


ルシアは翼を大きく広げる。すると、突風が吹き荒れゾンビたちを吹き飛ばす。そして俺はその隙に一気に距離を詰めると、ノワールに向かって剣を振り下ろした。しかし、ギリギリのところで避けられてしまう。だが俺は諦めずに何度も攻撃を繰り返した。そしてついにノワールの腕を切り落としたのだ。


「ぐはっ……」


ノワールは血を吐きながらその場に倒れた。


「これで終わりだ」


俺は剣を振り上げると、一気に振り下ろした。


「私が死んでも、魔王軍は滅びぬ……」


そう言い残し、ノワールは息絶えた。


「やったな、フィーナ」


「はい!」


俺とフィーナはハイタッチを交わした。こうして俺たちは最深部を攻略してダンジョンの外に出ることができたのだった。
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