冷酷非情の雷帝に嫁ぎます～妹の身代わりとして婚約者を押し付けられましたが、実は優しい男でした～

28

魔物の巣窟を抜け出した後、国王陛下にことの顛末を報告し、報酬を受け取った。
その日の夜。遅くなってしまったので王都のホテルで一泊していくことになった。

「ふぅ……」

「大丈夫か？」

「ええ、ライトニング様」

私たちは同じ部屋に泊っていた。ベッドは二つあったが、一つのベッドで横になっていた。

「少し怖かったんだ。でも、ライトニング様がいたから平気だったよ」

私が素直な気持ちを伝えると、彼は照れ臭そうにしながら微笑んでくれた。

「そうか、それなら良かったよ」

それから私たちは色々なことを話した。

「なんだか最近、色々な出来事が起きてるじゃ無いですか。少し休みたいです」

「そうだな……俺も休みを取って旅行にでも行きたい」

「私もライトニングと二人で旅行に行きたいです」

「なら、今度行くか」

「本当ですか！？」

私が思わず笑顔になると、ライトニングは優しい眼差しで見つめてきた。

（幸せだな……）

私は心の中でそう思った後、ゆっくりと目を閉じた──

◇

数日後、私たちは水の街ブルーチップに来ていた。ブルーチップは観光名所として有名で、街には多くの観光客の姿があった。

「綺麗……」

私は目の前の景色に感動していた。水面に浮かぶ青々とした木々や美しい花々が広がっていたのだ。まるで絵画のような風景が広がっていることに感動してしまう。

（本当に綺麗だな……）

ライトニングも私と同じ気持ちのようで、うっとりとした表情を浮かべていた。私たちはしばらくの間、その景色を眺め続けたのだった── ブルーチップの街を見て回った後、私たちはレストランで食事をすることにした。新鮮な魚介類を使った料理や海鮮丼などを食べながら楽しむことにしたのだ。

「美味しいな！」

ライトニングは目を輝かせながら料理を食べていた。そんな彼の姿が可愛らしくて、つい見惚れてしまう。

（本当に美味しそうに食べるなあ……）

彼を見ていると幸せな気持ちになれるのだ。私も負けないくらい美味しい食事を楽しもうと思ったのである── 食事を終えた後、私たちは街の中を散策することにした。ライトニングが行きたい場所に付き合うと言ってくれたので、彼に手を引かれながら進んでいくことになったのだ。

「あのお店に入ってみてもいいか？」

彼女が指差したのはジュエリーショップだった。二人で中に入ると、可愛らしいアクセサリーがたくさん並んでいる。

「どれが似合うと思う？」

ライトニングは真剣な表情で私に聞いてきた。私は少し悩んでから答えた。

「これなんかどうですか？」

私が指差したのはピンク色の宝石が付いたネックレスだった。すると彼女は嬉しそうに微笑むと、それを手に取ってレジに向かっていった。

（喜んでくれるといいなあ……）

私がドキドキしながら待っていると、ライトニングが戻ってきた。その手には紙袋があるのが見えた。どうやら購入していたらしい。

「ありがとうございます」

私はお礼を言うと、ライトニングの頰に軽くキスをした。彼は顔を赤く染めると、照れた様子を見せながらも微笑んでくれた。
それから私たちは海辺でのんびり過ごした後、ホテルに戻った。シャワーを浴びた後、ベッドで横になっているとライトニングが話しかけてきた。

「今日は楽しかったな」

「ええ、とっても」

「明日はどこに行こうか」

「うーん、そうですね……」

私は少し考えた後、思いついたことを口にした。

「海を見に行きたいです」

私がそう言うとライトニングは驚いたような表情を浮かべたあと、納得したように微笑んだ。

「そういうことなら任せてくれ」

こうして次の日の予定が決まったのである──