169 / 191
レティシア15歳 輝く未来へ
【番外編】レティの鉄道講座 そのじゅういち!
しおりを挟む「はい!今回もやってまいりました!鉄道講座の第11回です!」
「ちょっ……!!?このタイミングでっ!?」
「ちょっと鉄道のお話から反れてきたから、ここいらで一つぶっこんでおこうかと……」
「ぶっこむって……あの緊迫した場面で……めっちゃ話をぶった切ってるよ」
「いいのいいの。だいたいさ~、このお話に『ほのぼの』タグがつけられないのは、カティアのせいだと思うんだよね~」
「理不尽な……」
「ということで今回のテーマは、『列車の愛称』だよ!」
「愛称……『のぞみ』とか『はやぶさ』とかの列車名のこと?」
「そうそう。新幹線とか特急列車には必ず『名前』が付いてるよね。その歴史は古くて、最初に特別な名前がつけられたのは戦前の特急列車『富士』『櫻』が最初だって」
「『さくら』は、今は新幹線の名前だね」
「そう。『さくら』もそうなんだけど、『富士』は長らく東京から九州方面の寝台特急……いわゆるブルートレインの愛称に使われてたんだ。だけど、残念ながら新幹線に引き継がれることもなく廃止になったゃった」
「由緒ある名前なのに、残念だね」
「そうだねぇ……『みずほ』『はやぶさ』なんかもブルトレから受け継いだ新幹線の名前なんだけど、はやぶさは方面が反対方向になったね。『つばめ』『かもめ』なんかも歴史のある愛称だね」
「こうしてみると……なんか鳥の名前が多い気がする」
「そうなんだ。国鉄時代の列車愛称って、多くは動物の名前や山、川、海なんかの自然地形に由来するんだ。寝台列車は天体に関する名前だね。動物のなかでも特に鳥の名前が多いのは、やっぱスピード感があるからかな?」
「なるほど」
「『雷鳥』『とき』『ひばり』『はくたか』『はつかり』『白鳥』『ゆうづる』『はくつる』『しらさぎ』……ほんと多いね」
「地形は……山が多い気がする」
「そうだね。日本は山がちだし、向かう地域のシンボルとして分かりやすいからかな?」
「レティも列車名なにか考えてるの?」
「開業当初はまだ普通列車だけの予定だけど、しばらくしてから急行や特急も走らせる予定だから、その時には列車名をつけるつもり。特急『ディザール』とかね」
「神様の名前か~。なんか格が高そうで良い感じかも」
「でしょ」
「で、列車愛称の決め方なんだけど……大体は鉄道会社内部で決めるんだろうけど、公募することもあるよね。先に出てきた最古の愛称である『富士』『櫻』のときも公募したらしいよ」
「へえ……公募って得票数が多いやつに決まるってわけでもないんだよね?」
「そう。アイディア募集、みたいな感じだからね。集まった名前から、会議でその列車に相応しいものを選ぶんだね」
「でも、あんまり得票が少ないやつが選ばれると非難されたりするよね……」
「それは駅名とかでもあったね……いろいろ裏事情もあるんだろうねぇ……」
「その他、面白い話としては……列車愛称って普通は旅客列車に付けられるものなんだけど、例外もあるんだ」
「例外?」
「うん。昔の貨物列車とかには『たから』『とびうお』『ぎんりん』なんて名前がついてたこともあるんだ。顧客に向けたイメージ戦略だったみたい」
「へぇ……」
「あとは車両そのものに愛称が付いてる場合も。機関車では『ブルーサンダー』とか『桃太郎』『金太郎』『レッドベア』なんて愛称が付けられてたりするし、検測車の『East i』とかもあるね。あとは鉄道ファンが付けた愛称なんかもあって、有名なのは『ドクターイエロー』。昔の蒸気機関車は形式名から『デゴイチ』『デコマル』『シロクナ』『キューロク』……とかね」
「ドクターイエローは鉄道ファン以外にも有名だよね~」
「だね。そんなふうに、列車に愛着を持ってもらうのに一役買ってるってことだね。もちろん実用的な意義もあって、おおよその行き先やルートがイメージしやすいというのも愛称を付けるメリットなんだ」
「やっぱり名前は大事だね」
「ということで本日はここまで!引き続き緊迫の本編をお楽しみに~」
「……そ、それではまた!!!」
41
お気に入りに追加
178
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
少し残念なお嬢様の異世界英雄譚
雛山
ファンタジー
性格以外はほぼ完璧な少し残念なお嬢様が、事故で亡くなったけど。
美少女魔王様に召喚されてしまいましたとさ。
お嬢様を呼んだ魔王様は、お嬢様に自分の国を助けてとお願いします。
美少女大好きサブカル大好きの残念お嬢様は根拠も無しに安請け合い。
そんなお嬢様が異世界でモンスター相手にステゴロ無双しつつ、変な仲間たちと魔王様のお国を再建するために冒険者になってみたり特産物を作ったりと頑張るお話です。
©雛山 2019/3/4

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる