【完結】いせてつ 〜TS転生令嬢レティシアの異世界鉄道開拓記〜

O.T.I

文字の大きさ
上 下
190 / 191
エピローグ

カルヴァード大陸鉄道史

しおりを挟む


《鉄道開業前》

・イスパル王国の第二都市イスパルナ、モーリス公爵邸にて。
 当時まだ5歳に過ぎなかった公爵令嬢レティシアが設計したトロッコ列車が試作される。
 これが鉄道の原点と言われている。

・アスティカント学院の学生リディーが書いた論文をもとに、レティシアとリディー、マティス、マルクらのモーリス商会技術開発部の研究・開発によって、世界初の魔導力モーターが作られる。

・モーリス商会技術開発部により、現在の標準規格の二分の一のスケールで、世界初の魔導力機関車が作られる。
 後年、アクサレナで開催された技術開発品評会にて、この魔導力機関車を用いたデモ走行が実施され、モーリス商会は初代『レティシア・モーリス賞』を授与される。

・標準規格による初の魔導力機関車、901型が客車とともに落成。
 同時期にイスパルナ~トゥージス間に試験線が敷設され、実用化試験が開始される。

・トゥージス~アレシア大河西岸までの工事が完了。

・アクサレナ~アレイスト(アレシア大河東岸)までの工事が完了。

・アレシア大河に鉄橋が完成。
 これにより、イスパルナ~アクサレナの線路工事は完了し、関連各施設が『イスパル邦有鉄道』に移管される。
 営業に向け、全線を用いた試験が開始される。



《鉄道開業以後》

・イスパルナ~アクサレナ間にて正式に鉄道の営業が開始される。
 運行は『レティシア鉄道』により、一日5往復が設定された。
 全て各駅停車で、平均所要時間は約6時間。
 営業運転における最高速度は80km/h。
 起終点の両都市にて大々的に開業式典が行なわれ、アクサレナ発の一番列車には国王一家の他、鉄道の生みの親であるレティシアも乗車した。

・開業一ヶ月後に貨物輸送が開始される。
 モーリス商会、アズール商会などの名だたる大商会が荷主となり、ダイヤ改正のたびに増発を重ねていく。

・開業一年後、初の定期急行列車が運行を開始する。
 イスパルナ~アクサレナ間の停車駅はアレイストのみで、一日3往復が設定される。
 平均所要時間は約5時間。

・イスパルナ~ブレゼンタム間の工事が開始される。

・アクサレナ~アスティカント~レーヴェンハイム間の工事が開始される。

・02型魔導力機関車が落成。

・最大35‰の急勾配が続く難所である、フィラーレ峠越えのために開発された専用補機、51型魔導力機関車が落成。


・イスパルナ~ブレゼンタム、アクサレナ~レーヴェンハイムが開業。

・アクサレナ~イスパルナ~ブレゼンタム間に初の定期特急列車『ディザール』が運行を開始。
 アクサレナ~ブレゼンタム間に2往復設定、停車駅はイスパルナ、フィラーレ、ゴルナード。
 02型の登場によって最高速度は110km/hまで引き上げられ、特急列車によるアクサレナ~イスパルナの所要時間は約4時間、イスパルナ~ブレゼンタムは約6時間となる。

・イスパルナ~レーヴェンハイム間に、国際夜行特急『リヴェティアラ』が運行を開始する。
 一等・特等寝台車で編成され、王侯貴族や政府高官が利用することが多かったようだ。

・イスパルナ~トゥージス間で、初の脱線事故が起きる。
 幸いにも死傷者は出なかった。
 原因として、連日の猛暑によってレールが歪んだ事が調査によって分かった。
 以後、対策の為ロングレールが開発される。

・03型魔導力機関車が落成。
 鉄道草創期の傑作機関車であり、その優美な姿から鉄道の母の異名にあやかって、『モーリス女公爵ダッチェス・オブ・モーリス』と呼ばれた。
 フラッグシップ機として、主に特急の牽引機に充当された。
 特に有名なのは、イスパル王家所有の特別列車の牽引機として指定され、美しい青と金の縁取りの専用塗装が施された15号機、『プリンセス・カティア』であろう。

・ブレゼンタム~アテムアルト間、アスティカント~オスクシュ間、アクサレナ~ブリュネ間、イスパルナ~ルックル間が次々と着工。
 これ以後もカルヴァード大陸の各国各地で計画・着工が進み、鉄道の建設ラッシュを迎える。

・アクサレナ市内線が開業。
 初の軌道線、かつ地下鉄となる。

・東大陸のグラナ帝国・帝都パニシオンに向かう路線が計画される。
 レーヴェンハイムから北上しアールヴ山脈を超えるルートは、後年の歴史において人類史上最大の工事と呼ばれることになる。

・鉄道開業10周年を迎える。
 開業日が『鉄道の日』として、イスパル王国の祝日になる。

・レーヴェンハイム~パニシオン間が開業。
 カルヴァード大陸各地からの直通列車が多数運行されるようになる。

・東大陸の各国から、アドバイザーとしてレティシア夫妻が頻繁に招かれるようになる。
 後年に見つかったレティシアの手記には、『最近船旅ばかりで全然列車に乗れないんですけど……』と、愚痴が書かれていた。
 しかし、旅先を観光して楽しんでいる様子も多く書かれていたので、充実はしていたようだ。

・レティシアとリディーの息子であるクリストフを中心としたチームが開発した、新たな動力方式を用いた車両が試作される。
 これにより、鉄道は次の時代を迎えることとなった。



しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。 僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。 僕の夢……どこいった?

処理中です...