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レティシア5歳 はじまり

【番外編】レティの鉄道講座 そのいち

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「はい!と言うわけで始まりました『レティの鉄道講座』!拍手!!」

「わ~、パチパチパチ!…って、いきなりだね」

「未来の親友Kさん!アシスタントよろしく!」

「え?何そのノリ…?Kさんって…私の名前はカ…」

「いいからいいから!このコーナー(?)では、読者の皆さんに鉄道の事をより知ってもらうため、色々な視点から話をさせてもらうよ!」

「へえ…それは面白そうだね」

「でしょでしょ!これでいつ異世界に飛ばされても鉄道建設が出来るよ!」

「いや、それはちょっと無理でしょ……」

「…まぁ私も鉄道好きで普通よりは詳しいつもりだけど、専門で学んだ訳ではないからね。間違ってるかもしれないのでその辺は悪しからず。もし間違ってたら優しく指摘してね!厳しくツッコまれたら泣いちゃうゾ☆」

「いつにもましておかしなテンションだね」






「ではさっそく…第一回のテーマは、『鉄道とは何か?』だよ!」

「随分ざっくりなテーマだね?」

「まあね。でも第一回には相応しいでしょ」

「確かに」

「で、『鉄道とは何か?』なんだけど、これは定義次第でどこまでを鉄道に含めるのかが変わってくるね」

「と言うと?」

「例えば路面電車。コレ、日本の法律上は『鉄道』じゃないんだよ?」

「え?そうなの?二本のレールがあって、その上を車両が走ってるなら鉄道だと思ったのだけど…」

「基本的にはその認識で良いと思うよ。路面電車の話も法律上そうだというだけで、私としては鉄道の範疇に含めてるしね。あ、因みに路面電車は法律上は『軌道』ね」

「ふ~ん…」

「Kさんの言った『二本のレール~』って言うのは狭義の意味での鉄道かな。例えば、レールと車輪じゃなくてゴムタイヤで走る地下鉄(※1)があったり、モノレールなんかも『鉄道』扱いの場合がある(※2)。なんならトロリーバスだってそう(※3)。日本においては『鉄道事業法』に基づく路線を『鉄道』としているんだ」

※1:札幌市営地下鉄の例。走行はゴムタイヤだが、案内軌条と言うレールもある。
※2:軌道法、鉄道事業法双方の例がある。
※3:立山トンネルトロリーバスの例。


「だけど、私が作ろうとしてるのはKさんの言う狭義の鉄道だね。だからこの作品の中で『鉄道』っていったらそれのことね」

「……普通はそんな注釈しなくてもそう思うのでは」

「私がウンチクを語りたかったのよ!」

「はぁ…さいですか」


「で、次に『鉄道の意義』について。社会における鉄道が果たす役割とは?」

「う~ん…やっぱり沢山人を運べることじゃない?東京なんかは鉄道が無ければ経済活動が成り立たないレベルだよね」

「そうだね。大勢の人や大量の荷物を効率的に、ある程度の長距離を運べることがやっぱり最大の利点だね」

「あとは時間に正確ってのも利点だよね」

「そうだね、定時性については日本は優れてるなんて言われてるけど、海外でも他の陸上交通に比べれば比較的正確だからね」

「つまり、旅客・貨物の大量輸送を効率的かつ正確に担う事ができる、重要な社会インフラとして意義があるんだね」

「そういう事」

「でもさ、地方に行くと必ずしも大量輸送は必要とされてないよね。それでも鉄道は敷かれているけど…」

「うん。だから単独での採算が取れなくて、存廃が議論されてたりするでしょ?鉄道って維持管理にもの凄くコストがかかるからね。やっぱり大量輸送が前提のシステムなんだよ。もちろん、採算がとれなくても、その他の利点…定時性やその他の要素も加味して、総合的に社会インフラとして必要と判断されれば公的資金を投入して維持する、なんてこともあるけどね。ヨーロッパなんかはそう言う考え方が多いかな?」

「ふむふむ」


「私が先ず敷設しようと考えてるのは、イスパルナ~アクサレナ間だね。この国の第一、第二都市を結ぶんだから、需要は十分採算がとれるラインだと思うし。まあ、言うなれば東海道新幹線の東京~大阪みたいな感じかな。人口規模は比べ物にならないけど…」

「かなりの大事業だよね。それに、実現すれば国としても大きな発展の基盤になりそう」

「その通り!日本の経済発展も鉄道の発達と共にあったと言っても過言ではないからね!」

「(気合はいってるなぁ…)でも、そうなると到底個人の力で出来る事でもないよね?」

「もちろんだよ。国を巻き込む気満々だもの。公爵家の娘で良かったわ~。コネ万歳!カティアもよろしくね!」

「う、うん、もちろん力になれることがあれば協力するけど……名前伏せるの忘れてるよ」
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