【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

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第十三幕 転生歌姫と生命神の祈り

第十三幕 21 『会議初日の終わり』

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 国際会議初日が終了した。

 この後の予定は……
 本日の夜に各国代表者、高官を招いた夜会が催され、明日は午前中に観劇……エーデルワイスの特別公演が行われる。
 おもてなし、と言う事だね。

 そして二日目の午後の会議をもって日程は終了。
 その後は直ぐに自国に戻る者もいれば、暫く残って実務者レベル協議を行う者など様々だ。

 私も父様と一緒に外交に励む事になる。
 将来王位を継ぐ身としては諸外国の要人との顔繋ぎは非常に重要であり、貴重な経験が得られる機会だ。
 なのでここ数日の間、学園には公休を取ることを届け出ている。

















 今は自室で夜会の準備中。
 会議の主催国代表としての出席になるので注目度はそれなりに高い。
 なので、着ていくドレスもしっかり選ぶ必要があるけど、事前にマリーシャと相談して既に決めてあるのでそれほど準備に時間はかからない。

 ドレスに着替え、髪をセットし、エスコートしてくれるテオを待つ間にお茶を楽しむ余裕すらある。
 まだ王女として迎えられてから一年と経っていないのに、随分慣れたものだ……と思った。


 






 賓客をもてなす側なので、早めに会場入りする。
 既に父様母様も来ていた。

 今日の夜会には、会議に出席した殆どの人達が参加するはずだ。
 そのため会議上と同じように、場内で最も広い会場……私のお披露目パーティーを行った時の会場だ。
 あの時は国内諸侯が多かったけど、今回は国外のお客様の方が多い。


 やがて、宮廷楽団が優雅な音楽を奏でる会場に招待客たちがチラホラと入り始める。
 今回は特に入場順などの取り決めはなく、思い思いの時間にやってくる事になるが、やはり家格や地位が低い人ほど早めに来る傾向のようだ。





「ユリウス陛下、カーシャ妃殿下、この度は会議開催にご尽力いただき、ありがとうございました。……カティアちゃんもお疲れさま」

 最初に私達に声をかけてきたのはフェレーネお義母さまだった。



「フェレーネ殿も代表者としての務めご苦労だったな。……そなたがこのような場に出てくるのは珍しいとは思ったが」

「あはは……そうですよね。正直、政治の場にはあまりしゃしゃり出ないようにしてたんですけど……。まぁ、今この状況下では動ける者が動かなければ、って事です」

 確かに、グラナと国境を接するレーヴェラントなどは、おいそれと国家中枢を担う人物が国外に出ることは難しいかも知れない。


「母さん、ティアラは……?」

 テオがティアラちゃんの事を聞く。
 流石にこの場におんぶして連れてきたりはしていないから、当然誰かに預けてるはずだけど。

「私付きの侍女に預けてきたよ。お乳も絞って渡してきた。まぁ慣れたもんだから大丈夫さ。あんたの妹ちゃんとミーティアちゃんも面倒を見てくれてるね」

「もう、あの子達ったら……。なんだかすみません……」

 お義母さまたちが王城に来て以来、二人ともすっかり入り浸ってるよ。
 ……まぁ、私もなんだけど。


「別に構わないよ。あやしてくれたりするから侍女も助かるって言ってたし。やっぱり小さくても女の子なんだねぇ……」

「くすくす……クラーナもすっかりお姉さん気取りだったわ。以前は『お姉ちゃんが欲しい』なんて言って、それが叶ったものだから……今度は妹が欲しい、なんて言うかもね。ねぇ、あなた?」

「……そ、そうだな」

 あらあら……そういう母様自身が欲しくなっちゃったのでは?
 意味ありげな視線に、父様がタジタジになってるよ……
 まぁ、相変わらずお熱いことで。








 そうやって、お義母さまと談笑していると、今度はジークリンデ様がやって来た。

 やはり騎士の正装みたいな出で立ちで、凛々しい男装の麗人と言った雰囲気。
 いや、ホントに格好いいわ~。
 颯爽と歩く姿に女性陣の目が釘付けである。


「ユリウス陛下、カーシャ妃殿下、皆様もお揃いで……この度の会議はお疲れさまでした。非常に実りある協議が行えたと思います」

「うむ。ジークリンデ殿が最初に気を利かせてくれたお陰で助かった」

 エフィの事だね。
 彼女のアシストのおかげで、彼女が味方であることを納得してもらえたから、その後の議論もスムーズに進んだと言えるだろう。


「いえ、私は皆が思ってることを代表して質問しただけですよ」

 とは言うものの、タイミングや話の持っていき方、納得したと言うアピールは、こちらを助ける意図があったのは明白だ。
 武勇にこだわりのある方のようだけど、会議での発言を聞いてると、頭も相当切れる人だな……と思ったのだ。

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